ホルモンバランスの乱れとコレステロール:不妊・妊娠、鉄分など

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「コレステロール」は悪いもの、という印象を持っている人は少なくありません。健康診断の項目に「コレステロール値」というものがあり、健康のバロメーターの一つになっているためです。

しかし実際は、コレステロールは人間が生きていく上で必要不可欠なものです。細胞を包む細胞膜の原料だったり、消化に必要な「胆汁酸」をつくったり、ホルモンの材料になったりします。また、精子の材料の一つもコレステロールです。

一昔前まで、いろいろなメディアで「コレステロールが多い食事はよくない」とされてきました。そのため、卵は一日一個まで、などの食事制限をしている人が多いです。

ただ、コレステロールの70~80%は体内で作られており、食事からの摂取量に応じて体内での生成を調整しています。そのため、食事からのコレステロールの摂取が直接血液中のコレステロール値に反映されるわけではありません。

そして、ホルモンとコレステロールは密接に関わっています。特に女性にとってホルモンの乱れは体調の不調をもたらすため、ここでは食事とホルモンの関係について述べていきます。

食事とホルモンバランス

男女問わず、ホルモンバランスの乱れは不妊を招きます。正常なホルモンバランスは妊娠しやすい身体を作る上で重要な要素です。特に女性はホルモンバランスが乱れやすく、妊活にもダイレクトに影響します。

ホルモンを整える食事は良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれる食事です。特にビタミンB6、Eは女性ホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスを整えます。これらのビタミンが力を発揮するためにも、偏った食事をしないことが大切です。

しかし、前述の間違った認識による食事制限やダイエットなどにより、コレステロールを多く含む栄養価の高い食品を食べる機会を減らすことが、身体の不調やホルモンバランスの乱れなどにつながることがあります。

栄養バランスの良い食べ物とは

例えば、卵はほぼ完璧な栄養バランスといわれるほど栄養価の高い食べ物です。アミノ酸のバランスを数値化した「アミノ酸スコア」は100となっており、良質なタンパク源です。その他ビタミン・ミネラルもよく含まれています。

卵は栄養価も高いうえ、日々の食事に取り入れやすい食品なので、摂取を制限してしまうのはもったいないといえます。レバーや魚卵もコレステロールが多く含まれる食べ物ですが、どちらも栄養価の高い食品です。

レバーのアミノ酸スコアも、鶏卵と同様の100です。レバーのタンパク質は肝細胞を再生させ、肝機能を高める働きもあります。また、動物性の鉄分「ヘム鉄」を多く含みます。「ヘム鉄」は植物性の鉄分「非ヘム鉄」よりも身体に吸収されやすい鉄分です。

レバーにはビタミンA、B2も多く含まれ、皮膚や粘膜、髪などを健康にし、エネルギー代謝を助けます。美容にも健康にも良い成分が豊富に含まれた栄養価の高い食品です。

魚卵には良質なタンパク質にくわえ、ビタミンA、B群、Eや亜鉛、鉄などのミネラルも豊富です。魚卵は脂が多いという理由で避けている人は多いと思います。

しかし、魚卵に多く含まれる脂は「多価不飽和脂肪酸」といわれ、これは身体にさまざまな良い影響をもたらす脂です。血液の流れを良くする「EPA」や、脳や目に良いといわれる「DHA」などがその代表といえます。

これらの食品は食事制限をするにはもったいない栄養価の高さです。

ただ、脂肪や糖質のとりすぎもホルモンバランスを悪くさせますし、さまざまな病気のリスクが高くなります。エネルギーの過剰は体内でのコレステロール合成を促進するため、血中コレステロール値に影響が出ます。特に現代日本人は脂肪、糖質を過剰に摂取する傾向にあります。栄養価が高いからといって同じものばかり食べても栄養バランスは偏ります。

また、レバーはプリン体を多く含みますので、食べ過ぎには注意してください。尿酸値の高い人、お酒をよく飲む人、太り気味の人は特に要注意です。揚げ物や甘いものは控え、いろんな食材を食べてバランスの良い食事を目指しましょう。