女性に多い冷え症:冷えと倦怠感の関係性

6f8d28402b88654456fe140c75ce05dd_s

冷え性とは、季節を問わず手足などに冷えを感じることをいいます。また、このような自覚症状がなくても身体の内側が冷えている、いわゆる「かくれ冷え症」も増えています。これらの冷え症は女性に多い症状です。

また、いつでもだるさや疲れを感じるというのも女性に多い症状です。このような症状は「倦怠感」と呼ばれ、さまざまな要因によって起こります。

実は、このような倦怠感の原因の一つに冷え症があります。そして、女性の倦怠感の原因は身体の冷えが原因であることが少なくないのです。そこで、ここでは冷え症と倦怠感の関係性について述べていきます。

倦怠感が起こるメカニズム

倦怠感は、なんらかの理由でエネルギーが作れないことによって起こります。

人間の身体は、数多くの細胞で構成されています。これらの細胞が活動するためには、酸素や栄養素が不可欠です。細胞は、栄養素を酸素で燃焼させてエネルギーを得ています。このとき、酸素の供給が十分でないと、不完全燃焼を起こします。すると、副産物として「活性酸素」が生成されます。

活性酸素は不安定な物質であるため、自身が安定するためにまわりの組織の一部を奪って壊します。そのため、活性酸素が生成されるとまわりの細胞が破壊されます。

活性酸素が細胞を壊すと、エネルギーを作る機関器官が減ることによってエネルギー産生量が低下するため、疲れが起こります。

さらに、活性酸素によって細胞が壊されると、それを修復するためにより多くの酸素や栄養素が必要となります。すると、酸素や栄養素が不足しやすくなり、エネルギーの産生が滞りやすくなります。

このように、エネルギーの産生がうまくいかなくなると、身体がエネルギー不足になって疲れを感じやすくなります。

また、細胞が壊された際に分泌される「TGFβ」という物質には、疲労感を感じさせやすくする働きがある、という報告もあります。

冷え症と倦怠感の関係性

身体が冷えると、寒さから命を守るために血管が収縮します。この状態が長く続くと、血管を通ることができる血液の量が減少するため、血液のめぐりが悪くなります。

血液には、酸素や栄養素を全身に運ぶ働きがあります。そのため、血行が悪いと組織の細胞に酸素や栄養素が不足しやすくなります。前述のように、細胞にこれらが不足すると疲れを生じます。

さらに、血行が悪いと「神経伝達物質」の分泌も滞ります。神経伝達物質とは、神経細胞同士が情報交換を行うために分泌する物質です。これが分泌されないと細胞同士の情報交換が行われないため、身体にさまざまな不調が起こります。

例えば、脳内で神経伝達物質の分泌が滞ると、脳細胞同士の連携が取れないため、ボーッとしたり集中力がなくなったりなどの疲れ症状が起こります。

また、神経伝達物質の分泌がうまくいかないと、眠りにつきにくくなったりストレスを感じやすくなったりします。細胞の修復は眠っている間に活発に行われるため、眠れなくなると倦怠感が起こりやすくなります。また、長期的なストレスはエネルギーの産生能力を低下させます。

さらに、冷えによって血行不良があると、消化吸収機能が低下します。すると、栄養素がをうまく利用できなくなり、全身のさまざまな組織が栄養不足になります。

このように、冷え症があると血行が悪くなり、酸素や栄養素が各組織に運ばれないことによって倦怠感が起こりやすくなるのです。

倦怠感防止のための冷え性対策

前述のように、倦怠感の原因の一つは、身体の冷えによる血行不良です。そのため、倦怠感を防止したり改善したりするためには、血行を良くすることが大切といえます。

女性の血行不良は、筋肉や運動量の不足によって起こります。特に、現代では交通機関の充実や車社会によって歩行時間が著しく減少しています。そのため、倦怠感防止のためには運動量を増やすことが必要です。

日光が出ている時間帯に外で運動すると、血行が良くなって身体が温まるとともに、夜の寝付きがよくなって疲労が回復しやすくなります。そのため、通勤や通学の際に歩行時間を長くしたり、休日に外で運動する機会を作ったりすることが有効です。

ただ、すでに冷えによる倦怠感がある人は、運動することが困難です。そのため、身体を温めて休息を取ることが重要です。

温めのお湯に20分以上浸かると、身体の芯まで温まって血行が良くなります。また、身体がリラックスしやすくなるため、眠りにつきやすくなったり疲労が回復しやすくなったりします。

このとき、天然の香料を使用した入浴剤を使用すると、よりリラックス効果が高まります。特に、ラベンダーやカモミール、ジャスミンなどの花の香りや、ベルガモットやゆずなどの柑橘系の香り、サンダルウッドやひのきなどの樹木の香りはリラックス効果が高いです。

ただ、これらの天然香料は身体に合わないこともあります。香りを嗅いだときに「苦手だ」と感じるときは身体に合わないことが多いため、このような香りは避けるのが無難です。

また、ダイエットのために食事制限を行うと、栄養が不足して倦怠感が起こりやすくなります。さらに、食事を摂らないと消化器官に血液が集まりにくくなるため、身体の内側が冷えやすくなります。

そのため、日頃から疲れが取れないと感じている人は、食事をしっかり摂って休息を取ることが何より大切です。また、疲れを感じにくくするためには、食事内容も工夫する必要があります。

ご飯やパンなどの主食だけで食事を終えたり、これらを最初に食べたりすると、食後に強い倦怠感が起こります。また、生野菜や南国のフルーツを多く摂ると、身体が冷えるため倦怠感の原因になります。

そのため、倦怠感を防止するためには、食事の最初に野菜や汁物を食べたり、生野菜の量を減らしたりして温野菜の量を増やすなどの工夫が大切です。

冷えを防いて倦怠感を改善すると、細胞のエネルギー代謝が良くなることによって太りにくい身体になり、肌の生まれ変わりも促進されます。

これまでに述べたような対策を実施することによって、疲れにくくなるだけではなく美しい身体も手に入りやすくなります。