女性に多い冷え症:冷えによる肥満とダイエット

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現代では、「痩せているほど美しい」という価値観を持っている女性が多いです。そのため、多くの女性がダイエットを行って痩せそうとしています。

数あるダイエット法の中でも、食事制限は最も一般的なものです。痩せようとしている女性のほとんどが、まず食事の量を減らします。通常、食べる量を減らすと体重は減少します。ただ、「食べていないのに痩せない」という女性が多いことからわかるように、実際には摂取エネルギー量が少なくても痩せるとは限りません。

実は、女性に多い「冷え症」はこのような「食べていないのに痩せない」という状況を生み出しやすくするのです。そこで、ここでは冷えと肥満の関係性について述べていきます。

身体に脂肪がつくメカニズム

一般的に、太っているというのは体脂肪の中でも「中性脂肪」が多いことを指します。体脂肪とは、身体に含まれる脂質の総称のことです。中性脂肪には、皮下脂肪や内臓脂肪などがあります。

人間は、食物から摂取したエネルギーを利用して生命活動を行っています。このとき、摂取したエネルギー量が消費するエネルギー量を上回ると、余った分は中性脂肪に作り変えられて全身に蓄えられます。

中性脂肪は、身体にエネルギーが不足したときに使用される「予備のエネルギー源」です。また、内臓などを衝撃や寒さから身体を守る働きがあります。そのため、中性脂肪が極端に少ないと危機的状況に弱い身体となります。

ただ、中性脂肪が身体に溜まり過ぎると、体重が増えて「肥満」になります。つまり、「摂取エネルギー>消費エネルギー」の状態が長く続き、身体に予備のエネルギーを溜めすぎた状態が「肥満」なのです。

冷えと肥満の関係性:低体温による基礎代謝の低下

日本の平均体温は、36.89℃とされています。ただ、現代の女性では平熱が35℃台の人も少なくありません。このように体温が低下していると、「基礎代謝」が低下します。

基礎代謝とは、身体が現状を維持するために必要なエネルギー量、つまり「黙っていても消費するエネルギーの量」のことです。基礎代謝は、1日の消費エネルギーの7割程度を占めるといわれています。

人間が生きていくためには、体温を維持する必要があります。そのため、人間の体は絶えず食物から熱を産生しています。このとき、高い体温を維持するほど必要エネルギー量は高まります。温度を高くするためには、多くの燃料(食物)を燃やして熱(エネルギー)を得る必要があるのです。

そのため、体温が低い人は高い人に比べて、必要とする燃料が少ないのです。つまり、同じ量を食べても前者のほうが「身体に予備として蓄えられやすい=太りやすい」ということです。

実際に、体温が1℃違うと、体温維持のために必要なエネルギー量は12~15%ほど減るといわれています。これは、一般的な女性では一日約150kcalであり、茶碗半分程度の白飯に相当します。

このように、体温が低いと、ダイエットのために食事制限をしても効率よく脂肪を減らすことができないのです。

冷えと肥満の関係性:血行不良による代謝低下

冷えがあると、血管が収縮して血行が悪くなります。血液は、酸素や栄養素を全身に運ぶ働きがあります。そのため、血行が悪くなると、さまざまな組織に酸素や栄養素が届けられにくくなります。

摂取したエネルギーを消費するためには、酸素が必要不可欠です。また、筋肉などの組織がエネルギーを消費するためには、燃料であるエネルギー源が運ばれる必要があります。

血行不良によってこれらがうまくいかないと、さまざまな組織でエネルギー源を燃焼できなくなります。つまり、血行不良があると、エネルギー消費量が減ることによって太りやすくなるのです。

ダイエットのための冷え対策

これまでに述べた通り、冷えがあると食事制限をしても脂肪が落ちにくくなります。さらに、食事制限のみによるダイエットは、筋力低下やさらなる冷えを招き、痩せにくい身体を作ります。そのため、食事制限のみによるダイエットは逆の結果を招きかねません。

体脂肪を効率よく減らすためには、定期的な運動が必要不可欠です。運動することによって消費エネルギー量が増加するだけでなく、筋肉を強化することによって基礎代謝が上がります。

さらに、筋肉量が増えると熱の産生能力が上がり、血行が良くなります。そのため、定期的な運動を行うと、冷えにくい身体になって、内臓などによる代謝能力が上がります。また、運動を行うとストレスにも強くなるため、血行不良が起こりにくくなって冷えを防ぐことができます。

このように、定期的な運動を生活習慣に取り入れると、ダイエットのための好循環が生まれます。まとまった時間を取れない人は、通勤での歩行距離を伸ばしたり、階段を使用したりして運動量を増やしましょう。

また、冷え対策のためには、身体を冷やさない工夫が大切です。暖かい季節でも、室内は冷房によって冷えていることが多いです。そのため、体温調節がしやすいように上着や温かい飲み物を持ち歩くことをおすすめします。

昔から言われているように、冷えは万病のもとです。現代の女性は身体が冷えやすい環境下にいるため、不調の原因が冷えであることが少なくありません。

そのため、これまでに述べたような冷え対策を行うことによって、肥満だけではなくさまざまな身体の不調から開放されるはずです。