女性に多い冷え症:冷えと片頭痛の関係性

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現在、冷え症であるという自覚のある人は多いです。また、体温が平均体温よりも1℃以上低い人も少なくありません。現代では、昔よりも身体が冷えている人が増加しているのです。冷えは、さまざまな身体の不調の原因になります。体温の低下による風邪は、その代表的なものの一つです。

一般的に、男性よりも女性の方が冷え症であるケースが多いです。これは、女性の身体が冷えやすい構造になっており、さらに月経周期でのホルモンバランスの変化も身体を冷えやすくしています。

そして、慢性的な頭痛のうち、片頭痛も女性に多い症状です。このような冷え症と片頭痛は、一見関係のないように思えます。ただ、実際は冷えが原因で片頭痛が起こることがあるのです。そこで、ここでは冷え症と片頭痛の関係性について述べていきます。

片頭痛が起こるメカニズム

片頭痛は、20代~40代の女性に多い頭痛です。成人した人の約8%が、定期的に片頭痛が起こる「片頭痛持ち」であるといわれています。

片頭痛が起こるメカニズムは、正確には解明されていません。ただ、脳内の血管が何らかの原因で急に広がると、片頭痛が起こるといわれています。

脳内の血管が拡張すると、まわりの神経が圧迫されます。このとき、大きな神経である「三叉神経(さんさしんけい)」が血管によって圧迫されると、炎症を起こす物質が分泌されます。

そして、「炎症を起こす物質」がまわりの血管に作用して実際に炎症を引き起こし、血管がさらに拡張します。すると、三叉神経への圧迫が強くなり、この刺激が脳に伝わって起こる頭痛が片頭痛とされています。

また、片頭痛には吐き気や閃輝暗点(せんきあんてん:視界のチカチカ)などを伴うことが多いです。これは、「片頭痛を起こす三叉神経からの刺激が、脳の視覚や嗅覚を司る部分、吐き気を調整する部分を通るため」といわれています。

片頭痛は、仕事終わりや休日前などのストレスから開放されたタイミングで発症することが多いです。ストレスがなくなることで、緊張が解けて血管が拡張しやすくなるからです。ただ、冷えによる片頭痛は、寝起きでの発症が多いことがわかっています。

冷え症と片頭痛の関係性

身体が冷えると、熱を逃がさないように血管が収縮します。すると、血液は血管を通りにくくなるため、血行が悪くなります。

血液は、心臓の拍動や腕や足など骨格筋の収縮によって全身を流れています。また、多くの場合、起きているときは頭が心臓より上にあります。そのため、頭部の血液が心臓に戻るときには重力の力が加わります。

ただ、寝ているときは重力や骨格筋の収縮による血行促進がほぼなくなります。このとき冷えによる血行不良があると、血液が頭部に溜まって周りの神経を圧迫するため、片頭痛が起こりやすくなります。

冷えによる片頭痛の対策

前述のように、冷えによる片頭痛は就寝時の血行不良によって起こります。そのため、寝起きの片頭痛防止には、就寝時の血行を良くする冷え対策が有効といえます。

現代人は、忙しさに追われて入浴をシャワーで済ませることが多いです。ただ、シャワーによる入浴は身体が温まらず、かえって身体を冷やすことがあります。そのため、冷えによる片頭痛の防止には、毎日の入浴で湯船に浸かることが大切です。

冷え防止のためには、40℃以下の温めの湯に20分以上浸かることがおすすめです。熱すぎる湯に浸かると長湯ができず、身体が温まらないまま入浴を終えやすくなります。

また、のぼせやすい人は心臓から下を湯に漬ける「半身浴」を行うことがおすすめです。半身浴のときに上半身の冷えが気になる場合は、肩にタオルなどをかけながら入浴しましょう。身体を休めるためには、機能を低下させるために体温が下がる必要があります。そのため、入浴直後は眠りにつきにくくなります。

その一方で、体温が低下し始めると身体が就寝の準備に入るため、眠りにつきやすくなります。そのため、入浴は就寝の1時間前程度に行うことがおすすめです。

これと同じ理由で、冷え症であっても、就寝時に過度に服を着たり電気毛布などを利用したりしながら寝ることはおすすめできません。

就寝時の靴下着用は体温の低下を妨げるだけでなく、靴下のゴムなどによって血行不良を加速させることがあります。また、就寝時の厚着は体温調節や寝返りを妨げて、眠りの質を悪化させます。睡眠不足は、冷えの原因となります。

また、電気毛布を使用すると就寝時の体温低下が妨げられるため、眠りにつきにくくなったり眠りの質が悪くなったりします。そのため、寒くて寝れないときなどは、時間とともに温度が低下する「湯たんぽ」がおすすめです。

冷え症を防止することは、片頭痛を防ぐだけではなく身体のさまざまな不調を予防します。そのため、これまでに述べたような冷え対策を習慣的に行うことによって、片頭痛以外の冷えからくる体調不良も改善するはずです。