女性に多い冷え症:冷え症と痔の関係性

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冷え症は、女性にとって身近な症状です。冷え症とは、気温に関わらず手足に冷えを感じることをいいます。

一方で、身体が冷えているにもかかわらず、自覚がない人もいます。冷えや寒さを感じなくても、「手足や顔のほてり」や「平熱が35℃台」、「腹部がいつも冷たい」などの症状がある人は、身体が冷えている可能性が高いです。

このような身体の冷えは、さまざまな不調の原因になります。痔も、身体の冷えによって起こる症状の一つです。

一般的に、痔は男性に多いと思われています。ただ実際には、女性は痔になりやすく、潜在的な患者数は多いといわれています。これは、患部が女性にとって恥ずかしい場所であるため、病院に行かなかったり市販薬の購入をためらったりする人が多いためです。

ただ、痔を放置すると、排便が苦痛になって便秘が悪化しやすくなります。また、痔が悪化すると手術が必要になる場合もあります。そこで、ここでは冷え症と痔の関係性について解説し、女性のための痔対策について述べていきます。

痔の種類

痔は、「いぼ痔」、「切れ痔」、「痔ろう」の3つに大別されます。

いぼ痔とは、肛門付近にある「静脈叢(じょうみゃくそう)」という静脈の集まりがうっ血して腫れ上がったものをいいます。肛門の内部にできたものを「内痔核(ないじかく)」、外側にできたものを「外痔核(がいじかく)」といいます。

切れ痔とは、肛門の出口付近が切れた状態をいいます。この部分には痛みを感じる神経が集まっているため、切れ痔が起こると痛みを生じます。

痔ろうとは、肛門にある「肛門腺」という穴に便が入り込み、細菌が繁殖して膿がたまることによって、肛門の内側から皮膚などにかけて通り道ができる病気です。痔ろうになると自分では治せないため、手術が必要となります。

冷え症と痔の関係性

多くの場合、下半身の血液は重力に逆らって心臓に戻る必要があります。下半身の血液は、筋肉の動きに助けられて心臓に戻ります。このとき、座位や立位の姿勢が長く続くと、筋肉が動かないことによって下半身に血液が溜まりやすくなります。

これに加えて、身体が冷えると血管が収縮するため、さらに血行が悪くなります。

このような理由によって下半身の血行が悪くなると、肛門付近の静脈に血液が溜まってうっ血します。すると、うっ血した部分がぶよぶよとしたかたまりになり、いぼ痔となります。

また、血行が悪いと、身体に酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。これに肛門付近の冷えが重なると、肛門付近の組織の柔軟性がなくなります。肛門が固くなると、排便時に十分に広がりきれずに肛門が裂けて切れ痔になります。

さらに、冷えによって血行不良があると、消化器官の働きが弱まることによって便秘が起こりやすくなります。すると、便が固くなることによって、排便時に肛門が裂けやすくなります。

また、便秘があると、排便が困難になるため力む事が多いです。すると、肛門腺に便が入りやすくなります。一方で、下痢のようなゆるい便も肛門腺に入りやすいです。下痢も、身体が冷えることで起こりやすくなります。

免疫力が低下していると、便が含む細菌によって肛門腺に炎症が起こりやすくなります。このとき、身体が冷えていると免疫力が低下するため、炎症が起こりやすくなります。これを放置すると、痔ろうに発展します。

このように、身体の冷えはさまざまな痔の原因となります。そのため、女性の痔対策には冷え症を防ぐことが大切なのです。

痔を防ぐための冷え性対策

冷えからくる痔は「下半身の冷え」と「便秘」によって起こります。そのため、これらを防ぐためには、下半身を温めたり食生活を改めたりすることが大切です。

女性の骨盤内には内臓が多く詰まっているため、もともと下半身の血行が悪くなりやすいです。そのため、季節を問わず下半身を冷やさない工夫が大切です。

女性の痔を防ぐためには、暖かい季節でもミニスカートやへそ出しなどの腰回りが冷えやすい格好を控えるのが賢明です。また、腰やおなかをカイロなどで直接温めると、温かい血液が下半身に運ばれて血行が良くなりやすいです。

また、下半身冷えの大きな原因は、足の筋力不足です。特に、現代では交通機関や車の使用によって歩行する機会が少なくなりがちです。そのため、散歩やジョギングの時間を設けたり、通勤・通学時に歩く距離を延ばしたりなどの工夫が必要です。

このとき、高いかかとの靴を着用すると足首が固定されるため、ふくらはぎの筋肉があまり動きません。ふくらはぎの筋肉は血液を上半身に送る働きがあるため、ハイヒールでの歩行は冷え対策に不向きです。そのため、なるべくかかとの低い靴で歩行することがおすすめです。

また、下半身の冷え対策には、半身浴が有効です。40℃以下の温めのお湯に20分程度浸かると、下半身だけではなく全身が温まりやすいです。このとき、ふくらはぎを下から上に持ち上げるようにマッサージすると、血液やリンパの流れが良くなって冷えが改善しやすくなります。

便秘による痔を防ぐためには、食生活に気を配る必要があります。

便秘対策にヨーグルトを食べる女性は多いです。ただ、ヨーグルトには身体を冷やす作用があるため、大量に摂取すると冷え症になりやすいです。そのため、便秘対策のためには、ヨーグルトばかりを食べるのではなく、繊維質を摂ったり身体を温める食品を一緒に食べたりすることが大切です。

根菜類には、繊維質がたくさん含まれているとともに身体を暖める作用があります。そのため、冷えによる便秘対策にはヨーグルトとともに根菜類の摂取をおすすめします。

痔は、女性にとって恥ずかしいと感じやすい病気です。放っておくとまずいことを理解していても、なかなか病院や薬局に行きづらいのが現実です。そのため、これまでに述べたような冷え対策を行い、痔を予防することが何より大切です。