月経前症候群(PMS):月経前に発生するニキビの原因と対策

e3a0cc0c826cb143f2a7df7f7cb27366_s

女性であれば、月経は誰もが経験する生理的な現象です。また、月経経験者のほとんどが、月経前に不快な症状を感じたことがあるといわれています。このような月経前に起こる症状を「月経前症候群(PMS)」といいます。

PMSにはさまざまな種類があり、個人差が大きいのが特徴です。その中でも、月経前のニキビは多くの人が経験するPMSの一つです。そこで、ここでは月経前に発生するニキビの原因と対策について述べていきます。

ニキビが発生するメカニズム

ニキビは、正式には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」といい、毛穴が詰まることによって起こる皮膚の疾患のことをいいます。

毛穴は、約0.1mm~0.2mm程度の小さな穴です。そのため、皮膚が分泌する皮脂や角質、化粧品などによって詰まることが多いです。

これらによって毛穴が詰まると、皮膚の新陳代謝によって発生した老廃物などが毛穴から出られなくなります。このようにして皮脂や老廃物が毛穴に溜まると、黒色や白色のニキビになります。そして、この状態が続くと「アクネ菌」によってニキビの炎症が起こります。

アクネ菌とは、肌に常在している菌の一種です。肌の深い部分に生息しているため、肌から完全に除去することはできません。

アクネ菌は、皮脂を栄養にして増殖します。そのため、前述のように毛穴に皮脂などが詰まっていると、アクネ菌が毛穴で増殖します。

アクネ菌は、「脂肪分解酵素」や「身体の免疫反応を起こす物質」を分泌します。皮脂は、「グリセリン」と「脂肪酸」が手を繋いだ状態です。脂肪分解酵素によって皮脂が分解されると、脂肪酸は繋いだ手が開いた「遊離脂肪酸」になります。

毛穴の中の遊離脂肪酸は、空いた手をつなごうとして毛穴の中の皮膚を刺激します。その結果、毛穴がその刺激によって炎症を起こします。

また、アクネ菌によって「身体の免疫反応を起こす物質」が分泌されると、免疫反応によってニキビの発生している部分で炎症を起こします。炎症が起こったニキビは赤く腫れ上がり、痛みや痒みを伴うことがあります。また、これが悪化すると、詰まった毛穴が破裂して内容物が周りに広がり、ニキビが広がっていきます。

月経前にニキビが発生するメカニズム

月経周期は、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンのバランスによって起こります。プロゲステロンは、月経の約2週間前から分泌量が増えます。プロゲステロンにはさまざまな働きがあり、そのうちの一つに皮脂の分泌を促進させる働きがあります。

前述のように、ニキビは毛穴の詰まりによって起こります。過度な皮脂は毛穴を詰まりやすくするため、ニキビの原因となります。

また、プロゲステロンには妊娠に備えて身体に水分を蓄えようとする働きもあります。このとき、水分を身体の内側に蓄えようとするため、外側である皮膚の水分量は低下しやすくなります。そのため、皮膚が乾燥してバリア機能が低下したり、皮膚が固くなったりします。

肌のバリア機能が低下すると、アクネ菌の増殖を抑えにくくなります。また、皮膚が固くなると角質が厚くなって毛穴がふさがりやすくなります。このように、プロゲステロンの働きによって、月経前にニキビが発生しやすくなるのです。

プロゲステロンは月経の開始とともに分泌量が低下するため、月経が始まるとニキビが治ることが多いです。ただ、ニキビが発生しやすい生活習慣を行っていると、月経が始まってもニキビが治らないことがあります。

また、ニキビが治らないうちに再びプロゲステロンの分泌が増えると、ニキビが悪化して治りにくくなります。

プロゲステロンの分泌は、排卵抑制剤(ピル)の服用によって抑制することができます。ただ、ピルは副作用が起こるリスクがあるため、安易に使用するべきではありません。そのため、月経前のニキビ対策には生活習慣の見直しが大切です。

月経前のニキビ対策:適度な洗顔と肌の保湿

老廃物や古い皮脂は、毛穴詰まりの原因の一つです。そのため、多くの女性が毎日洗顔を行っています。ただ、過度の洗顔は毛穴を詰まらせる原因になることがあります。

洗顔とは、肌の汚れや古くなった皮脂を洗い流す作業のことです。洗顔を過度に行うと、古い皮脂だけではなく肌が必要とする皮脂まで洗い流してしまいます。適度な皮脂はバリア機能として働いているため、過度な洗顔によって皮脂が不足すると肌の抵抗力が落ちます。

また、必要な皮脂が失われると、皮膚がバリア機能の回復のために皮脂の分泌量を増やします。そのため、過度に洗顔を行うと結果として皮脂の量が増えるため、毛穴が詰まりやすくなります。

特に、ニキビが発生すると洗顔の回数が増える人が多いです。ただ、洗顔回数の増加はさらなる皮脂の増加を招き、ニキビが発生する悪循環を生み出します。そのため、洗顔は1日1度程度にすることが大切です。

特に、女性が行う洗顔は工程が多く、皮脂が失われる機会が多いです。月経前は洗浄力が強いものは避けて、洗顔後の保湿をしっかり行うことが大切です。

月経前のニキビ対策:バランスの良い食事を摂る

油脂を過剰に摂取すると、皮脂の材料が増えるため皮脂の分泌が増えることがあります。特に、月経前には食欲が増加しがちなため、注意が必要です。ただ、すべての油脂を制限すると体に必要な脂質が不足します。脂質は、細胞の主成分です。そのため、必要な脂質が不足すると、肌の代謝が悪くなったりバリア機能が低下したりします。

そのため、月経前のニキビを防止するためには、魚などで良質な脂質を摂取するとともに、揚げ物などの不要な脂質を控えることが大切です。

また、ニキビ対策には肌の代謝に関わる栄養素をしっかり摂ることも大切です。肌の代謝には、ビタミンやミネラルなどの栄養素が関わっています。そのため、さまざまな食材を取り入れ、バランスの良い食生活を心がけることが大切です。