鉄不足を改善する秘訣は食事と運動にある:貯蔵鉄とフェリチン

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鉄不足による身体への影響はさまざまで、イライラやうつなどの精神的な症状から、疲労感、関節痛など身体的な症状まで引き起こします。実は、この鉄不足による症状は見逃されていることが多く、病院でも発見されない場合があります。

今回は、この鉄不足による症状とその改善法を述べます。

鉄不足の原因はフェリチン不足

体内の鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。ヘム鉄は、ヘモグロビンやミオグロビンなど酸素の運搬や貯蔵に関わるものです。一方、非ヘム鉄はヘム鉄以外の鉄分を指し、体の中に蓄えられている貯蔵鉄などが代表例です。そして、この貯蔵鉄がフェリチンなのです。

貧血の症状は、貯蔵鉄であるフェリチンがなくなり、ヘム鉄が減少することにより生じます。しかし、完全にフェリチンがなくなる前から、フェリチン不足の症状は出現します。

フェリチン不足の症状

フェリチンはヘム鉄の防波堤であると同時に、細胞増殖など体のさまざまな反応をサポートしています。そのため、フェリチン不足はさまざまな症状を引き起こします。

例えば、肌の新陳代謝が悪くなることによる「肌荒れ」、免疫細胞の数が減ることで「体調不良」、神経の働きが悪くなった結果として「鈍重感」が起こります。その他にも、不眠やイライラ、うつ、倦怠感などさまざまな症状を引き起こします。

フェリチン不足は、健康診断では見逃されることが多いです。多くの血液検査はヘモグロビン値のみで貧血かどうかを判断します。しかし、ヘモグロビン値だけでは、フェリチン不足かどうかはわからず、見逃されます。

フェリチン値は保険適応で検査を受けることができます。フェリチン不足が疑われる場合は、測定してくれる病院を探してみてください。

ちなみに、フェリチンの基準値は、男性20~280ng/ml、女性5~157ng/mlです。

フェリチンを増やす食事

フェリチンを増やす食事のポイントは3つです。

一つ目は、鉄分を多く含む食品を食べることです。鉄分の一回に吸収される量は決まっているので、3回の食事でこまめに摂ることが大切です。

また、ヘム鉄と非ヘム鉄では吸収率に差があります。動物性食品に含まれるヘム鉄の吸収率が20%程度あるのに対し、植物性食品に含まれる非ヘム鉄は数%しかありません。つまり、ヘム鉄を多く含む食品を摂ることが大切です。

ヘム鉄を多く含む食品

レバー、あさり、にぼし、干しエビ、はまぐり

二つ目が、鉄分の吸収を助ける食べ物を摂ることです。鉄分の吸収はタンパク質、ビタミンC、ビタミンB群により補助されます。この栄養素は、肉類、卵、魚、海藻、豆類、緑黄色野菜、淡色野菜、果物に含まれますので、これらをバランスよく取ることが大切です。

そして最後が、鉄分の吸収を妨げる食べ物を食べないことです。鉄分の吸収を妨げる食品として、コーヒー、お茶、玄米、ライ麦パンなどが挙げられます。特に、コーヒーやお茶は、食事の時間とずらして飲むようにしたほうがいいです。

フェリチンを増やす運動

血は骨髄で作られます。そのため、骨に刺激を与えることは大事です。適切な運動はフェリチンを増やします。きつくない程度の運動で、水泳やウォーキングなどの有酸素運動が効果的とされています。無理のない範囲で、継続して行うことが大切です。

以上のように、フェリチン不足は発見されにくく、その症状は少しずつ出てきます。少しでも疑いがある場合は、まずは食事と運動に気をつけてみてください。また、症状が明らかであったり、食事や運動を行っても改善しなかったりした場合は、専門の病院に行く必要があります。