うつ病の治療法と種類:薬物療法、精神療法、身体療法

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うつ病の治療法には、非常にたくさんの種類があります。その中には効果の実証されていない怪しいものも含まれます。また、うつ病の原因は人それぞれであり、症状もさまざまです。そういった状況では、どの治療法が自分にあっているのか判断に迷ってしまいます。

一方で、自身の症状を一番理解しているのは本人です。従って、自分自身が治療法とその効果について把握して、症状にあった治療法を選択していくことが重要です。

ここでは、効果が実証されている治療法とその効果について理解してもらいます。治療法の種類とその効果を知ることで、自分にあった治療法を探すきっかけになればと思います。

薬を使った治療

まず薬物療法についてです。うつ病はセロトニンやノルアドレナリンと呼ばれる物質が不足することで起きます。抗うつ薬と呼ばれる薬は脳の中のセロトニン、ノルアドレナリンを増やすことでうつ症状を改善します。うつ病の薬物治療は抗うつ薬を服用することが基本です。

一方、うつ病では不安、恐れといった気持ちが強くなります。これらの症状を緩和するため、抗うつ薬だけでなく抗不安薬を活用することがあります。抗不安薬は気持ちを安定させ、落ち着かせる効果があります。

不眠もうつ病でよく起こる症状の一つです。寝付きが悪い人には、比較的効果が短い睡眠薬が効果的です。また、途中で目が覚めてしまう人には、長時間効果がある不眠症の薬が用いられます。

このように薬物治療では抗うつ薬でうつ病の治療を行い、それぞれの症状にあった薬を追加して服用します。

うつ病への精神療法

次に精神療法についてです。精神療法の定義は厳密に定められているわけではありません。一般的には、医師や心理カウンセラーなど一定の訓練を積んだ専門家と言葉や物を使ってやりとりをします。

やりとりを通じて身体や心に変化をおこし、症状や問題を軽くすることができます。特に感情の整理や他人とのコミュニケーションに変化を起こすことが重要です。

最も有名な精神療法として「認知療法・認知行動療法」があります。人は辛いことがあると極端にものごとを歪んで捉えてしまいます。特にうつ病では、その捉え方に独特のパターンが見られます。

認知療法・認知行動療法では、「人の感情は起きた出来事で決まるのではなく、出来事をどう捉えるか(認知)で決まる」と考えます。続けて、その感情が行動にも影響すると考えます。つまり、もの事を悲観的にとらえることで、不安になり、気分が沈むという感情が出てきます。その結果、悲観的な行動をとってしまうのと考えるのです。
 
「認知」 → 「感情」 → 「行動」

そこで、うつ病の患者さんの認知を修正し、感情や行動における問題を解決します。その結果、最終的にたくさんの問題が積み重なって起こるうつ病を治療することができるのです。

他にも患者さんの悩みや話に共感することで感情整理を助ける「支持療法」や他人とのコミュニケーションの方法を改善する「対人関係療法」があります。このように精神療法では、心と身体に変化を起こすことで、うつの症状を軽くすることができます。

重度のうつに対する身体療法

最後に身体療法です。重症で薬物治療でも効果が見られないうつ病には「電気けいれん療法」が効果的です。パルス波治療器から脳に電流を流すことで治療します。麻酔科医による麻酔が施された後、血圧や心電図を測定しながら行います。現在ではけいれんを起こさない「修正型電気けいれん療法」が主流で、安全な治療といえます。

他にも「経頭蓋磁気刺激療法(けいとうがいじきしげきほう)」は磁気刺激を脳に与えることで、神経細胞を刺激し、抗うつ作用を与えます。また、「高照度光刺激療法」は季節性のうつ病に効果的です。うつ病が起こりやすい季節に部屋の明るさの数倍から数十倍の光を毎日1時間浴びることで治療します。

このようにうつ病には薬物療法、精神療法、身体療法などの治療法があります。実際に治療を選ぶ上では医師、薬剤師、看護師、心理カウンセラーなどの専門家との相談が必要不可欠です。自分の症状や原因にあった治療法を選択、もしくは組み合わせることがうつ病の改善にとって、とても重要になります。