死亡原因との関連性からみるうつ病の危険性

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うつ病は気分が落ち込む、辛い気持ちなどの気分障害、頭痛、不眠などの体の症状がおきる病気です。最近はテレビやインターネットなどのメディア、仕事場、学校などの身近な環境でもうつ病についてよく耳にするため、身近な病気と言えます。

世界のうつ病

世界的に見て、うつ病の患者さんの人数は増加傾向にあります。WHO(世界保健機構)の2012年の統計によると、世界のうつ病の患者数は3億5000万人と言われています。これは世界人口の3~5%に当たります。糖尿病の患者さんが約3億8670万人であることから分かるように、非常に一般的な病気と言えます。

また、2000年のWHOの統計では、うつ病は世界の全ての病気の中で4番目に多い病気でした。そして、今後も世界的にうつ病の患者数は増えていくと予想されます。

さらに、2000年のWHOの統計では、12ヶ月の間にうつ症状を経験する可能性のある人の世界人口に対する割合が報告されています。12ヶ月間の間にうつ状態を経験する可能性がある人は、男性で5.8%、女性で9.5%でした。もし100人の学校や会社であれば、5~10人がうつ状態を経験するということです。これらのことから、うつ病は世界的にみて、とても一般的な病気なのです。

日本のうつ病

厚生労働省から報告されている平成23年の患者調査では、うつ病患者は約10万人でした。平成23年の人口が約1億2600万人なので、約0.08%がうつ病の患者さんです。これは世界的なうつ病の人口割合である、3~5%に比べるととても少ない割合です。

しかし、日本ではうつ病に対する偏見から精神科、心療内科への受診の割合が低く、患者自身も自分の症状がうつ病であると気づかない傾向にあります。そのため、潜在的なうつ病の人数は報告されている人数よりもかなり多いのではないかと考えられます。おそらく、世界のうつ病の人口割合とあまり変わらないのではないかと予想されます。

うつ病の危険性

厚生労働省から報告されている平成26年の人口動態統計では、自殺した人は約2万4千人でした。全ての死亡原因のなかで、自殺は第8番目に多い原因でした。特に、15~39才の死亡原因では自殺が第1位でした。

また、WHOによると世界では毎年約100万人が自殺で亡くなっていると報告されています。WHOの2012年のデータでは、人口10万人に対する自殺者割合で日本は世界第9位であり、先進国の中では第1位でした。アメリカが全体の第41位であること比較しても、とても多いことが分かります。

1994年のデータですが、日本の自殺した人のうち75%の人が、何らかの精神障害を持っていると報告されています。そのうち、46%がうつ病患者であり、全体の約35%がうつ病に関係した自殺であることがわかります。つまり、年間の2万4千人の自殺者のうち、35%である約8400人がうつ病に関係した自殺で亡くなっていると推測できます。

平成26年に亡くなった人は約127万人です。うつ病が関連した自殺で死亡した人数は、このうちの約0.66%に当たります。つまり、一年間に死亡した1000人のうち6人がうつ病に関連した自殺で死亡していることが分かります。

このように、うつ病はとても身近で、どんどん増加している病気です。そして、うつ病が原因で自殺する人も多く、とても危険な病気と言えます。

また、自殺にはいたらなかったとしても、うつ病は社会生活や日常生活、人間関係、仕事に支障を及ぼす厄介な病気です。もし、自分がうつ病かもしれないと思ったときは、なるべく早く治療を開始することが重要です。なぜなら早期の治療によって、自殺の予防や生活の質が下がるのを防ぐことができるからです。

このときは人の目を気にする必要はありません。自分の人生に関わるほど重要なことなので、積極的に治療にのぞみましょう。