女性とうつ病:10代女性とうつ病

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うつ病は男性に比べて女性に多い病気です。女性に多い理由はたくさん考えられますが、女性ホルモンのバランスの乱れが大きく関係していると考えられています。そして、女性ホルモンのなかでも、特にエストロゲンとプロゲステロンというホルモンとの関連性が示唆されています。

エストロゲンとプロゲステロンは月経周期によって変動するホルモンです。エストロゲンは卵巣から分泌され、気分を改善させたり、意欲を良くしたりする働きをします。また、プロゲステロンは卵巣や胎盤で作られ、気分を落ち込ませたり、不安定にしたり、イライラさせたりする作用があります。

ここでは、ホルモン分泌が未発達な10代女性のうつ病について説明します。思春期女性のうつ病の特徴やその対処方法を理解することで、うつ病の早期発見や治療、予防につなげることができます。

10代女性とうつ病の原因:女性ホルモンの乱れ

10代の人たちは家族関係、恋愛、受験、友人関係、いじめなどのさまざまなストレスがある環境で過ごしています。また、人生経験が少ない中で、進学、転校、両親の離婚などの環境の変化がおこるとうつ病になってしまう可能性があります。

特に10代女性は、女性らしい体になるための発達段階です。つまり、女性ホルモンの変動が激しい年代です。初潮が起こると、エストロゲンなどの女性ホルモンの量が急激に上昇していきます。一方で、10代の女性では卵巣が未成熟なため、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が安定しません。すると、体の中のエストロゲン量が過剰になったり、非常に少なくなったりします。

つまり、体の中のエストロゲン量が急激に増減を繰り返してしまうのです。その結果、エストロゲンの感情に対する作用が安定せず、気分の浮き沈みが起こります。

また、10代女性では月経周期で起きる女性ホルモンの分泌量も安定しません。月経周期に分泌されるエストロゲン量が少ないと、気分が落ち込み、何事にもやる気を失ってしまいます。また、プロゲステロン量が多いとイライラや気分の落ち込みが起こります。

このように、10代女性では成長段階や月経周期での女性ホルモンの量が安定しないため、気分の落ち込みや意欲の低下、イライラが起こります。その結果、感情の障害が原因となって、うつ病が発生してしまう可能性があるのです。

10代女性の特徴的なうつ病の症状

成人のうつ病と同様に、10代女性でも気分の落ち込みや意欲低下がおこります。他の世代よりも多く見られる特徴として、ひどいイライラがおきたり、大人に対して反抗的になったり、周りや自分に対して暴力的になったりします。

上記の特徴はうつ病だからというわけではなく、思春期の子供でよく見られる症状です。思春期におこる、大人への反抗心や周囲へのイラ立ちは自立に向けた成長段階といえます。

しかし、うつ病が原因で起こっている場合は、イラ立ちとともに気分の落ち込みや意欲の低下も起こる可能性が高いです。そのため、イラ立ちや意欲低下などの気分の浮き沈みが激しくなるのが特徴です。

また、女性にも関わらず身だしなみに気を使わなくなるのも、うつ症状の一つです。洗顔や歯磨きをしなくなったり、服装にも気を配らなくなったりした場合も注意が必要です。他にも不登校になったり、引きこもりになったり、頭痛や腹痛などの症状を訴えたりもします。

10代女性は成長に伴う気持ちの 変動、受験などの環境変化に加えて、体の発達に伴うホルモンバランスの変化が起こります。そのため、うつ病になるリスクが高い生活をしているといえます。周囲の人は、行動や表情、言動などの変化に注意することで、うつ病の早期発見や治療につなげることができます。

もし、うつ病かもしれないと疑うことがあった場合は、まずは児童相談所や保健所に相談してみると良いでしょう。また、信頼できるかかりつけ医や専門知識の高い児童精神科の医師に相談するのも有効な方法です。