デジレル・レスリン(トラゾドン)の効果と副作用:うつ病の治療薬

85fc586a527cb9f0324f20be3e0395e6_s

うつ病は不眠や食欲不振、頭痛、倦怠感がおこる病気です。治療せずにいると、うつ病で起きる症状が原因により、どんどん症状が悪化していく負のスパイラルに入ってしまいます。すると、自殺企図や集中力の低下による事故を引き起こし、結果として命を落とす可能性も出てくる病気です。

うつ病は脳内のセロトニンの機能が低下することでおきます。デジレル・レスリン(一般名:トラゾドン)はセロトニンの機能を高めることで、うつ病を改善します。具体的には、気分の改善、健全な睡眠、集中力の改善などが期待できます。

デジレル・レスリン(トラゾドン)の作用機序

セロトニンは神経と神経が情報を伝えるために利用されます。神経から放出されたセロトニンは、別の神経の受容体にくっつきます。受容体とは、物質が機能するためのスイッチのようなものと考えて下さい。セロトニンが受容体にくっつくことで、神経に情報が伝わり、気分や体温、血圧の調整を行います。

ただ、神経から放出されたセロトニンは再び神経に取り込まれます。情報伝達にセロトニンを再利用するためです。これを、セロトニンの再取り込みといいます。

デジレル・レスリンはセロトニンの再取り込みを阻害することで、セロトニンの量を維持します。その結果、セロトニンの機能が高まり、うつ症状を改善します。

デジレル・レスリン(トラゾドン)のうつ病改善効果

デジレル・レスリンによってうつ病を改善する力は、他の抗うつ薬に比べて弱いと言われています。

そのため、他のうつ病の薬と合わせて飲まれることがほとんどです。もう少しうつ病の症状をよくしたいという時に使われます。また、デジレル・レスリンには睡眠を誘導する作用と体重の増加を起こしにくいという特徴があります。

デジレル・レスリン(トラゾドン)の睡眠作用

また、セロトニンの受容体は4種類あり、どの受容体にセロトニンが結合するかによって、発揮する機能が異なります。これらはそれぞれ、「うつ病」、「不眠」、「性機能低下」、「消化器機能」に関する受容体です。

デジレル・レスリンは4種類の受容体のうち、「不眠」に関わる受容体にセロトニンがくっつくのを邪魔します。つまり、「眠りにくくする」というセロトニンの機能を発揮させないようにすることで、睡眠を誘導するのです。

うつ病では不眠の症状がよくおこります。そのため、デジレル・レスリンの睡眠作用によって、うつ病の症状とともに不眠の改善も期待できるのです。

デジレル・レスリン(トラゾドン)の体重増加と持続性勃起

デジレル・レスリンと同じように睡眠作用を持つ抗うつ薬として、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)があります。NaSSAは食欲を増加させる作用があるので、体重増加を気にする患者さんには向いていません。

一方、デジレル・レスリンは体重増加を起こしませんので、体重増加を気にする方には良い選択肢になるでしょう。ただし、デジレル・レスリンは持続性勃起(刺激がなくても勃起状態が続く状態のこと)という副作用をまれに引き起こすので注意が必要です。

デジレル・レスリンの特徴をまとめると、うつ病の症状を改善する効果は弱いです。そこで、うつ病の症状をもう一歩改善したい人の補助薬として用いられます。

また、睡眠作用が強いので、眠ることができないうつ病の患者さんには不眠の改善効果も期待できる薬です。さらに、体重増加を引き起こしにくいので、女性や体重増加を気にする方に適した薬と言えます。

このように、うつ病の薬には特徴があります。医師や薬剤師が専門家ですが、自分の症状を一番理解しているのは患者さんです。なぜなら、うつ病の症状のほとんどは検査で分かるものではなく、自分で感じる症状だからです。

そこで、患者側が薬の特徴を理解し、医師や薬剤師と相談しながら、自分のうつ症状やライフスタイルに合わせた薬を選択することがとても重要なのです。