むち打ち損傷に対する3大治療:理学療法、薬物療法、手術

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むち打ちは交通事故後など、体に衝撃を受けた後に、首周囲の痛みを主とするさまざまな症状を呈する状態を指します。症状は人それぞれで、全く症状が出ない人から、数年経っても症状が残っている人もいます。

そのようなむち打ちに対する治療も、病院によってそれぞれ違うのが現状です。そこで、今回はむち打ち損傷に対して最もよく行われている3つの治療に関して解説します。

理学療法

理学療法とはマッサージなどの徒手療法、ストレッチなどの運動療法、ホットパックなど物理療法を用いて治療を行う方法です。基本的には医者の指示のもとに、理学療法士がその人にあったプログラムを立案し実施します。

むち打ち損傷に対する理学療法の目的は、筋肉の緊張緩和や痛みによって動きが制限されてしまった動きの改善、むち打ちの結果として落ちてしまった筋力の向上になります。

基本的には、事故直後などの急性期は安静・アイシングなど、患部へ積極的にかかわらない治療が主となります。マッサージを行うとしても、リラクセーションを目的としたものが中心になります。

そして注意が必要なのが、痛みが強い時期に無理にマッサージなどを行わないことです。事故直後の急性期は、自律神経系の影響で体が刺激に対して過敏になっています。そのため、触るなどのちょっとした刺激で痛みが出ます。

このような時期は、刺激を与えないようにすることが第一です。そのため、先ほど述べたような安静やアイシングなどの物理療法がメインになります。

時間が経過し、痛みが落ち着いてきたら積極的に徒手療法(マッサージ)や運動療法を行なっていきます。過度な安静は疼痛の慢性化を作ります。痛みが落ち着いたら、無理のない範囲で体を動かすようにして下さい。

ほとんどのむち打ち損傷の患者さんは理学療法の適応となり、次に述べる薬物療法と併用することでより効果的になります。

薬物療法

むち打ち損傷に対する薬物療法の目的は、痛みの緩和、筋緊張の緩和、めまいなどの自律神経症状の緩和になります。事故直後は痛みが強く、そのため不眠になる人が多いです。不眠は痛みを悪化させ、悪循環を招きますので薬物療法によって痛みを軽減させることも必要です。

また、緊張が高いような人には筋を弛緩させるような薬、めまいなどの自律神経系の症状が出ている人には自律神経系を整えるような薬も有効です。しかし、薬物療法には注意すべき点もあります。

1つは慢性的な痛みには、一般的な痛み止めの薬は効かないということです。驚くべきことですが、患者さんの多くは薬が効いているか分からない状態でも薬を飲み続けます。そして、医者もその効果を確認せずに処方し続ける人が多いです。

無駄に薬を飲むことは、逆に症状の長期化につながります。その効果を確認しながら、医者と相談して薬を飲むようにして下さい。

これは、筋弛緩剤などの薬に関しても同様です。筋弛緩剤の多くは、その効果ゆえに力が入りにくくなります。これはむちうち損傷の人だけでなく、多くの慢性疼痛を有している人の問題になっています。

以上のような問題点を理解した上で、医者と相談して薬物療法を行う必要があります。

手術

骨折や脱臼、脊髄損傷が認められるケースでは手術が必要になる場合があります。このようなケースは稀ですが、見逃して理学療法などの治療を行っていると危険です。

そのため、まずはこのような状態にないかの確認を行ったうえで、治療を行っていく必要があります。

以上のように、むち打ち損傷に対しての治療は理学療法や薬物療法などの保存療法が主になります。

また、事故後はその人の気持ちの問題も大きく影響します。そのため、患者さん自身が治ると信じ、むち打ちの症状に支配されず、活動的な生活を継続して行うことが大切です。