食べ物を酸性食品やアルカリ性食品に分類する意味はない

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体の酸化を防ぐため、アルカリイオン水は体に良いと宣伝されています。また、逆に酸性の食品は体に悪いともいわれています。そのため、肉や魚の酸性食品を減らし、アルカリイオン水やアルカリ性食品をとることが勧められています。

しかし、人間の体はそのような単純な仕組みになっているのでしょうか。そもそも、食べ物や飲み物によって、血液の酸・塩基(アルカリ) のバランスが簡単に崩れるものなのでしょうか。今回は、この酸性食品とアルカリ性食品に関して解説します。

酸性・アルカリ性食品とは

その食品が酸性かアルカリ性かを決める方法は、ある食品を燃やして残った灰が酸性なら、その食品は酸性、灰がアルカリ性ならばその食品はアルカリ性となっています。

そしてこの方法は、実は80年以上前に行われたもので、現在の分析技術からすると精度や正確さに大きな問題があります。そのため、いまではこのような方法が用いられることはありません。

そもそもこの方法は空気中で起こる燃焼反応を見ており、体内の血液中で起こる反応と同じように考えることはできません。体内で起こるアミノ酸や糖類、脂肪などの代謝反応による生成物は灰ではないのです。

もし体内での反応が空気中での燃焼反応と同じように、消化によって灰を生じるならば、排泄される便は臭いがなく、掃除がされていないトイレは灰だらけになってしまいます。

また、その食品に含まれる酸性を示す物質が体に吸収されるかという問題もあります。例えば、穀物には「フィチン酸」といわれる酸性物質が多く含まれているため、酸性食品に分類されることが多いです。

確かに、穀物を燃やすとフィチン酸により酸性を示す灰が生成されます。しかし、このフィチン酸は消化が悪く、ほとんどは消化されずに排泄されます。つまり、その食品自体は酸性を示しても、体に吸収されるかどうかはわからないということです。

実はこのように、かつての酸性食品、アルカリ性食品に対する認識が誤っているということはヨーロッパでは当たり前になっています。しかし、なぜか日本ではまだこの誤った認識が一般的に受け入れられているのです。

食品によって血液は酸性に傾くのか?

基本的に普通の生活をしていて、多くの酸やアルカリが体内にできることはありません。同様に、酸性の食品を食べたからといって直ちに血液が酸性になったり、アルカリイオン水やアルカリ性食品を食べたからといってアルカリ性になったりするということもありません。

そもそも、体内におけるこの酸・塩基のバランスの崩れは命に関わるため、その調整は厳格に行われています。つまり、この調整機構が正常に働いていないと生きていけないということです。

このように厳格に調整されているものが、普段の食事によって簡単に崩れていたらどうなるでしょうか 。生死に直結するため、より厳密に食事をしなければいけません。

もちろん、代謝によって酸やアルカリを大量に生成する食べ物だけを、大量に毎日摂取していると、そのバランスが崩れる可能性はあります。しかし、通常の食事をしている限りは、このバランスが崩れることはあり得ません。

以上のように、酸性・アルカリ性食品というものは、まずその定義の方法自体が古く、信ぴょう性がありません。さらに、通常の食事で血液のバランスが崩れることはないため、そもそも酸性食品やアルカリ性食品に分類する意味はないということです。