生活習慣の変化と自律神経系による痛みの関係

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痛みを持っている人において、多くの場合、痛みは一定ではありません。「天気が悪いと痛くなる」「寒くなると痛くなる」「使いすぎると痛くなる」など、症状に日々の変化があることが一般的です。

しかし、「使いすぎ」や「天気」の変化とは関係なく、症状が変化する人もいます。病院に来られる方は、むしろこのように要因なく症状が変化する人の方が多いです。このような場合は、自律神経系が症状に大きく影響している場合がほとんどです。

自律神経系とは

自律神経系とは、人の体の機能を無意識に調整している神経系です。例えば、驚かされたときです。意識して心拍数を上げようとはしませんが、自動的に心拍数が上がります。逆に落ち着いているときは、勝手に心拍数が落ち着きます。

前者のようなときは、「交感神経系」という、興奮したときに活発に働く神経系が影響しています。後者の場合は「副交感神経系」という、安静にしているときに活発に働く神経系が関与しています。

この神経系は、人間の生命維持機能に大きく関わっています。自律神経系が働いてくれているため、寝ているときも心臓は動き続けます。また、運動を行ったときは、細胞に必要な酸素がいくように、「心拍数が上がる」「血管が広がる」などの反応が自然と起こります。

以上のように自律神経系は、人にとって欠くことのできないものです。

自律神経系と背骨の関係

自律神経系の司令塔は背骨にあります。そして、自律神経系に問題が出てくると、背骨に影響が出てきます。背骨の中でも、特に胸椎(首と腰の骨の間)に、この司令塔があります。

自律神経系に問題が生じ、情報が司令塔に伝わると、その周辺の筋肉が固くなります。筋肉が固くなると、背骨は湾曲がなくなり、動きも制限されます。そのため、自律神経系の問題は、胸椎の湾曲を小さくし、動きの制限を作ります。

背骨と四肢関節の関係

背骨と四肢の関節は大きく関係しています。正常な背骨はS字に湾曲しています。このS字湾曲があることにより、体にかかる衝撃を吸収します。

体は、自分自身が壊れないように、背骨が吸収できない分の力は発揮しないようになっています。例えば、「100」の力をもっていても、背骨が「70」しか力を吸収する能力がない場合、「70」の力しか発揮できません。

つまり、筋力は背骨の湾曲に依存しているということです。背骨の湾曲が減ると、筋力低下が生じるということになります。また、背骨が固くなると「肩」や「ひざ」などの末端の関節にかかる負担が大きくなります。

例えば、バンザイする動作を考えます。この動作には、腕を上げるだけでなく、背中を伸ばす運動が必要です。このとき、背骨が伸びにくいと、いつも以上に腕を頑張って上げないといけなくなります。つまり、肩関節に大きな動きが要求されるということです。

以上のように、「自律神経系の乱れ → 背骨の湾曲減少、柔軟性減少 → 筋力低下、末端関節への過負荷」という流れができます。

自律神経系は生活習慣の乱れで起こる

自律神経系は生命維持に関与しています。そして、人間は「寝る」「食べる」「動く」ことにより、生命活動を維持しています。つまり、この「寝る」「食べる」「動く」に何らかの問題が生じると、自律神経系の乱れが生じるということです。

例えば、睡眠不足です。睡眠不足は交感神経系の活動を活発にし、背骨の上の方を固くします。また、食べ過ぎも交感神経系を活性化させ、肩甲骨の半分から下の高さの背骨を固くします。

つまり、生活習慣の問題が自律神経系の乱れを引き起こします。この生活習慣の乱れが、日々の症状の変化を引き起こしている原因になります。多くの人は、寝不足や食べ過ぎが、「ひざ」や「肩」の痛みに関係していることを知りません。

しかし、以上のように、生活習慣は体の痛みと大きく関係しています。「痛みが急に出てきた」「何もしていないのに悪化した」という方は、前日の食事や睡眠を思い出してみて下さい。よくわからない症状の変化に対する、原因発見のヒントになるはずです。