セロトニン神経を強くするとストレスに強くなる

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現代はストレス社会といわれるように、体にかかるストレスが多いです。その中でも精神的ストレスの問題は大きく、「うつ病」「高血圧」などの病気はもちろんのこと「慢性疼痛」にもストレスが大きく関わっていることがわかってきました。

しかし、現代社会を生きる上で、ストレスを避けて通ることはできません。そこで今回は、ストレスに強くなるための知識と方法を紹介します。

感情の形成とコントロールを行う脳

ストレスを受けやすい状態は「感情コントロールができない状態」にあるといえます。つまり、ストレスを受けにくくするには、感情コントロールが大切ということです。

人間の脳の中で、感情形成を行うのは大脳辺縁系と呼ばれる場所です。ここで怒り、悲しみ、喜びなどの感情が形成されます。そして、この大脳辺縁系をコントロールするのが「前頭前野」と呼ばれる場所です。つまり、この前頭前野が適切に働いていることが感情コントロールのキーポイントになります。

前頭前野は感情コントロールのみだけでなく「計画的で社会規範にのっとった適切な行動を実行する能力」にも関係してきます。

前頭前野を調整する3つの神経

前頭前野は主に3つの神経から調整されています。それはノルアドレナリン神経、ドパミン神経、セロトニン神経の3つです。

ノルアドレナリン神経は「危機管理」の役割をもっており、身の危険が生じたときに働きます。この神経は、とても大切な神経ですが、過剰には働きすぎると疲弊します。そして、疲弊してしまうと、うつ病などを発症します。

ドパミン神経は、快と報酬による行動を調整する 役割をもっており、嬉しいことや悲しいことがあったときなどに働きます。この働きは期待と実際の結果の差が大きいときに活発に働きます。パチンコなど、ギャンブルにハマるときに関係してくる神経といわれています。

セロトニン神経は体をアイドリング状態にする役割をもっており、リラックスした状態で集中力を高めるような作用があります。さらにこのセロトニン神経は、ノルアドレナリン神経とドパミン神経を抑制し、調整する働きがあります。オーケストラでいう、指揮者の役割をしています。

以上のように、感情のコントロールは前頭前野で行われ、その前頭前野を調整しているのが、セロトニン神経になります。つまり、感情のコントロールにはセロトニン神経の働きが重要になるということです。

セロトニン神経の働き

セロトニン神経は前頭前野の調整を行い、感情コントロールに関与します。その他にも、この神経には以下のような働きがあります。

・朝の目覚めを良くする
・全身の筋肉や肌を元気にする
・痛みを感じにくくする
・気分をおだやかにする
・集中力を高める

セロトニン神経は自律神経系のバランスを整え、夜は「リラックス」、朝は「適度な緊張」状態をつくります。朝にセロトニン神経が働くことにより、体はアイドリング状態となり、いつでも活動できるような準備ができるのです。

また、セロトニン神経は体を支える筋肉を活性化します。つまり、姿勢が良くなるということです。

さらに、セロトニン神経が働くと、脳の中でα波が出るといわれています。そのため、気分をおだやかにし、集中力が高まります。以上のように、セロトニン神経にはさまざまな働きがあります。

セロトニン神経を活発にする方法

セロトニン神経を活発にする方法はいくつかあります。一つ目はリズム運動です。セロトニン神経の周囲には歩行、咀嚼(そしゃく)、呼吸などのリズムを形成する司令塔があります。そのため、リズムを刻むような運動を行うことにより、セロトニン神経は活性化されます。

リズム運動は適度に行うことが重要で、5~15分程度が適当といわれています。それ以下でもそれ以上でも効果は落ちてしまいます。

二つ目は日光浴です。朝から太陽の光を浴びることにより、セロトニン神経が活性化されます。この日光浴も適度に行うことが大切で、15~30分程度が適当といわれています。昼夜逆転の生活を行っていると、日中に光を浴びることがないので、セロトニン神経が弱ってしまいます。

最後は食事です。セロトニンは「トリプトファン」とよばれるアミノ酸から作られます。トリプトファンを多く含む例として、大豆、納豆、豆腐、味噌、赤身魚、チーズ、バナナ等が挙げられます。日頃からこのような食品を意識してとることも、セロトニン神経を活発にするために必要なことです。

以上のことをまとめます。

・感情は大脳辺縁系で作られる

・大脳辺縁系は前頭前野により調整されている

・前頭前野にはノルアドレナリン神経、ドパミン神経、セロトニン神経が関わっている

・この3つの神経を指揮しているのがセロトニン神経である

・セロトニン神経には自律神経系を整える、筋肉を活性化する、集中力を高めるなどの作用がある

・セロトニン神経を活性化する方法は、リズム運動、日光浴、適切な食事である

「元気がない」「朝起きるのがつらい」という人は、セロトニン神経の影響かもしれません。その場合は上記のことを意識し、セロトニン神経を活性化してみてはいかがでしょうか。