スポーツ選手の食べ過ぎは怪我やパフォーマンス低下の原因になる

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プロでも小学生でもスポーツを行っている人は、よく食べるというイメージはないでしょうか。

もちろん、運動量が多く、消費するエネルギーが多いため、食べる量が多くなるのは必然です。また「体を大きくするため」「筋肉をつけるため」に無理に食べている人も多いです。スポーツが有名な高校では、今でも当たり前のように「体を大きくするために無理してでも食べる」という指導が行われています。

しかし、実はこの「食べ過ぎる」という行為が、選手の怪我やパフォーマンスの低下につながっています。今回はその理由について解説します。

食べ過ぎは「酵素の無駄遣い」になる

食事により摂取した栄養は消化器官によって吸収され、主に2つの役割を果たします。その役割とは、「体を動かすエネルギーとして使われる」「体を作る材料として使われる」の2つです。そして、この2つ役割に使用されずに、余ったものは排泄されます。

栄養の吸収を行うためには、食べたものを分解し体が吸収できる状態にする必要があります。このとき、重要な働きをするのが「酵素」になります。

酵素について簡単に説明します。酵素は主にタンパク質により構成されるもので、体の反応がスムーズに起こるように助ける働きがあります。そして、酵素は「代謝酵素」と「消化酵素」の2つに分けられます。

代謝酵素とは、体の代謝を円滑に行う役割があります。例えば「傷が治る」「細胞が新しくなる」などに働くものになります。つまり、人間の生命活動に必須な酵素であり、この酵素が少なくなると「怪我が治りにくい」「体がだるい」などの現象が起こるようになります。

一方、消化酵素は、消化をスムーズに行う役割を担っています。唾液や胃液などに含まれ、食べたものを体が吸収できる状態に分解するのを助けます。この酵素が少なくなると「消化不良」などの現象が生じます。

食べ過ぎた場合に関係してくるのが消化酵素です。食べ過ぎると、より多くの栄養素を分解する必要がでてきます。つまり、より多くの消化酵素を使う必要があります。さらに消化酵素を多く使うということは、酵素を分泌する内臓への負担につながります。

内臓への負担は背骨の固さにつながる

各内臓は神経により働きを調整されています。そして、神経は背骨から出ています。もし内臓に過剰な負担がかかってしまった場合、その内臓と関係する背骨の場所が固くなってしまいます。これは専門用語で「内臓体性反射」といいます。

正常な背骨では、S字型に湾曲しています。ただ、固くなるとこの湾曲が少なくなります。つまり、背骨が真っ直ぐになってしまいます。つまり、食べ過ぎにより内臓に負担をかけてしまうと、背骨が固くなってしまうのです。

背骨の固さは「筋力低下」「四肢の関節への負担」を招く

背骨のS字湾曲は、体にかかる衝撃吸収の役割を行います。力を発揮したとき、体はその発揮した分の衝撃を吸収する必要があります。そして、その吸収の役割を担うのが背骨のS字湾曲です。

また、体は自分が吸収できる力しか発揮しないようになっています。これは、吸収できる以上の力を発揮してしまうと、過剰な負担となり、体が壊れてしまうからです。

例えば、筋力があって本来は「100」の力を発揮できるとしても、背骨で「70」までの力しか吸収できない場合、どれだけ力を出そうとしても「70」までしか出ないようになっています。

つまり、発揮される筋力は衝撃吸収能力に依存しているということです。そのため、背骨が固くなりS字湾曲が少なくなると「筋力低下」が生じます。筋力低下がパフォーマンスの低下につながることは想像に難しくないと思います。

また、背骨は体の中心にあります。動作を行うとき、動きの中心部分に制限があると、その末端は普段よりもよけいに 動く必要がでてきます。

例えば、落ちたものを拾うとき、背骨を固定して真っ直ぐの状態であったとすると、いつもよりも手を伸ばしたり足を慎重に曲げたりしなければいけません。つまり、一ヵ所が固定されて動きが悪くなると、他の部分はいつもよりも頑張って動かなければ動作できなくなります。

このように、ほとんどの動きの中心である背骨に制限が出てくると、末端である「肩」「ひざ」「股関節」などがいつもより過剰に動く必要が生じます。

頑張って動く必要がある関節には大きな負担がかかります。これが痛みにつながるのです。以上のように、食べ過ぎは背骨を固くし、「筋力低下」「関節への負担」につながります。

スポーツ選手は運動量が多く、その分のエネルギーを作るために食べる量を増やすことは必要です。また、体を大きくするために食べることが重要だということも間違いありません。

しかし、食べ過ぎが招く弊害を考慮し、食事の量を考える必要があります。スポーツでのパフォーマンス低下の原因にならないためにも、食事には特に注意しなければいけません。