睡眠障害の分類:不眠症の種類

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一言に睡眠障害といっても、睡眠障害にはさまざまな種類があります。日本で、成人を対象にして行われた「睡眠障害に関する疫学調査」では、不眠を訴える人が21.4%、日中の眠気で悩んでいる人が14.9%もいました。

また、約6%の人が寝酒あるいは睡眠薬を常用しています。このように、多くの人が、さまざまな睡眠障害を抱えています。

今回は睡眠障害に関して、世界的に使用されている分類、さらにその中でも不眠について説明します。

睡眠障害国際分類

標準的な睡眠障害の分類として、「睡眠障害国際分類」があります。これは米国睡眠障害連合とヨーロッパや日本、ラテンアメリカの睡眠学会が共同で発表したものです。

睡眠障害は85つに分類されており、これらは8項目に分けられています。その8項目は「不眠症」「過眠症」「概日リズム睡眠障害」「睡眠時随伴症」「睡眠関連呼吸障害」「睡眠関連運動障害」「正常範囲や未解決の孤発症状」「その他」です。

以下、その分類を載せます。

不眠症 ・適応障害性不眠症
・精神生理性不眠症
・逆説性不眠症
・気分障害・感情障害
・不安障害・パニック障害
・外傷後ストレス障害
・不適切な睡眠衛生
・薬剤もしくは物質による不眠症
・内科的疾患による不眠症
睡眠関連呼吸障害 ・閉塞性睡眠時無呼吸症候群
・中枢性睡眠時無呼吸症候群
過眠症 ・ナルコプレシー
・行動起因性の睡眠不足症候群
概日リズム睡眠障害 ・睡眠相後退障害
・睡眠相前進障害
睡眠時随伴症 ・反復孤発性睡眠麻痺
・悪夢障害
・頭内爆発音症候群
・時差型
・交代勤務型
睡眠関連運動障害 ・むずむず脚症候群(レストレッグ症候群)
・周期性四肢運動障害
・睡眠関連下肢こむら返り

不眠の種類

睡眠障害の中でも、不眠症は多くの人が知っている症状だと思います。この中でも、「適応障害性不眠症」は現代社会では多いのではないかと感じています。

これは、日常のストレスへの適応ができていないため、不眠になっている状態です。この状態はまだ病気とはいえず、これらの原因を改善することによって、症状が改善する場合が多いです。

このような人たちには、高血圧、頭痛、筋肉痛、胃腸疾患などの身体症状と不安や怒り、攻撃性、抑うつなどの精神的症状を合併することが多いです。

また、似たようなものに「精神生理性不眠症」があります。これは、精神的なストレスがたまることで不眠になります。

通常、ストレスが改善されると、不眠も解消されます。しかし、このタイプの人は睡眠に対するこだわりが強く、眠れないということに対して「眠らなければいけない」と精神的な緊張を生み出します。これが、さらなる不眠を作り出すのです。

逆説性不眠症」とは、強い不眠を訴えるのに、検査では睡眠障害の証拠がみられないものを指します。この種類の患者さんは「一睡もできないんです」と訴えて来院されます。しかし、実際に検査してみると、全くの正常という結果が出ます。

この原因ははっきりわかっていません。不眠を訴える内の約5%の人が、この障害だといわれています。

気分障害・感情障害による不眠症」は、いわゆるうつ病や躁うつ病によって不眠となっている状態です。日本では一生のうちに一度でもうつ病にかかる人の割合は7.5%だといわれています。そして、うつ病の人のほとんどに不眠がみられます。つまり、不眠はうつ病の初期症状であることが多いのです。

さらに、治療によってうつ病の他の症状が治っても、約70%の人に不眠が残ります。それほどうつ病と不眠は密接に関連しているのです。

不安障害による不眠症」は、文字通り不安障害によって不眠になっている状態です。不安障害とは、「慢性的に不安を感じ、その不安から逃れようとする行動に特徴づけられる精神疾患」と定義されています。

不安障害にはパニック障害や社会恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害(PTSD)、急性ストレス障害、全般性不安障害などが含まれます。これらの精神的な病態により、不眠が起こるのです。

不適切な睡眠衛生」とは、就床や起床に関する習慣のほか、睡眠に影響を与える食事や運動などに問題があり、それが不眠を引き起こしている状態を指します。

例えば、寝る部屋にテレビがあって、「寝る直前までテレビを見ている」「布団の上にお菓子のごみが乗っている」などです。このように、寝るための環境に問題があると、自然と眠れなくなります。これらの多くは、この環境の改善によって、症状が改善します。

薬剤性不眠」とは、薬の副作用によって、不眠が引き起こされている状態のことを指します。多くの薬には不眠を引き起こすような副作用があります。例を挙げると、降圧薬、高脂血症治療薬、抗パーキンソン病薬、抗うつ薬などの多くの薬に不眠という副作用があります。

もし、これが原因の場合は、医師と相談し、薬を変えたり、減らしたりすることによって症状は改善します。

最後に「内科の病気による不眠」とは、痛みを伴う病気や呼吸器疾患、神経の病気、心臓やホルモンの病気、皮膚の病気などにより、精神的なストレスを受けて不眠になった状態を指します。これは高齢者に多く、たくさんの病気を持っている人ほど症状が表れやすいです。

以上のように、睡眠障害には分類があり、その中の不眠だけでもこれだけの種類があります。単純に不眠症といっても、原因はさまざまです。