魚介類や緑茶が良好な睡眠へと導く:グリシン、テアニンの作用

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睡眠が障害された場合、よほどのことがない限り、最初から薬に頼ることはないと思います。睡眠環境や食事など生活習慣を自分で変え、それでも改善しない場合には、薬に頼らざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、基本は生活習慣の見直しが不眠の改善に繋がります。

例えば、カフェインのような興奮物質が眠りを妨げることは以前からいわれています。その反対に、眠りを誘発するような成分も見つかっています。今回は、そのように眠りを誘発するような食品について解説します。

眠りを誘発する成分:グリシン

現在では、良質な眠りを誘発するような成分が見つかっています。特に2つの機能性成分が眠りに関係しているといわれています。

一つ目は、グリシンという成分です。グリシンは生物の誕生以前から地球に存在していたとされる、もっとも古いアミノ酸です。

眠りが誘発されるとき、身体は深部の体温が低下することにより、眠気を生じます。また、深部体温の低下を起こすために、四肢末端の皮膚などの末梢組織では、逆に温かい血液の量が増え、そこから熱を放散しようとします。

この末梢の血流量増加によって、グリシンは熱の放散を促しているとされています。それによってスムーズに入眠でき、さらに速やかに深い眠りに入ることができるのです。

グリシンは多くの食材に含まれるありふれたものです。特に、エビやホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれ、これらのうまみ成分となっています。

就寝前には、グリシンを摂取することが良いとされています。しかし、就寝前にこれらの食材で十分にグリシンを摂取することは難しいため、サプリメントの摂取を検討するのも良いかもしれません。

眠りを誘発する成分:テアニン

そして二つ目がテアニンという成分です。これは緑茶に含まれる成分で、聞いたことある人も多いのではないでしょうか。

緑茶には、カフェインという興奮作用のある成分が含まれている一方、テアニンという睡眠を促すような成分も含まれているのです。

テアニンは脳内の神経に作用し、神経を落ち着かせるような作用があります。このように脳の興奮を抑えることによって、寝つきを良くしたり睡眠を維持・延長します。

特に、テアニンによって睡眠の後半は脳の覚醒が起こりにくくなり、夜中に目覚めることが少なくなります。また、睡眠中の疲労回復過程がスムーズに進行し、起床時のリフレッシュ感を感じるようになります。

テアニンは睡眠前に摂取することが勧められています。テアニンを日中に取っても、覚醒水準の低下や眠気は増強せず、むしろ上昇することがわかっています。

これは、摂取する時間帯によってテアニンが覚醒状態と眠気を適正なレベルに調整すると考えられているためです。つまり、テアニンは夜間は睡眠促進作用を、日中は覚醒作用を発揮するといわれています。

これには、自律神経系の調整が関係していることがわかっています。自律神経系は一日の中で、日中は体を興奮させ、夜はリラックスさせるような働きをします。このように一日の中でリズムがあり、テアニンはこのリズムの形成に関与しているとされています。

テアニンもグリシンと同様に、アミノ酸の一種です。テアニンはお茶や一部のキノコに含まれます。お茶を飲むと気持ちが落ち着くのは、このテアニンの作用かもしれません。

以上のように、普段摂取している食品には、睡眠をスムーズにするような成分が含まれています。今までは、このような食品を意識することはなかったと思います。しかし、もし睡眠に何かの問題がある場合、今回述べたグリシンとテアニンを多く含む食品を意識して取ると、睡眠の質が上がるかもしれません。