生体リズムに合った睡眠が自律神経の悪化を抑制する

5bbe727f9a13638380d0eb3610a67836_s

私たちが活発に活動して興奮していたり、体を休息させてリラックスしたりするときなど、自律神経が働いています。ただ、今の社会のように常にストレスにさらされている状態であると、常に興奮状態にあります。

この状態が続くと、自律神経が乱れてしまいます。つまり、生活習慣の悪化は自律神経の乱れに直結します。そして、自律神経へのストレスは「痛み」に関わることも知られています。

それでは、自律神経系の乱れを誘発しないように、どのような生活習慣を送ればいいのでしょうか。これに関しては睡眠、食事、運動の3つがあり、ここでは特に「睡眠」について記していきます。

本当の睡眠障害とは何か

睡眠において考慮すべきことは生体リズムです。睡眠は人それぞれ必要量が違い、多様性があります。

短時間睡眠でも全く日常生活に問題ないような方や、長時間睡眠をとらないと日常生活に支障をきたしてしまうような方がいるように、必要な睡眠時間は人それぞれです。

これらを踏まえた上で、一般的に多くの方々に当てはまることを書いていきます。

まず、睡眠障害がある状態とはどのような状態でしょうか。夜眠れない、朝早く目が覚めてしまうなどを多くの人は想像します。「自分は夜11時前から朝7時まで、十分寝ているので睡眠障害はない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、実際の睡眠障害は少し異なります。これを理解するためには、まず人間には生体リズムがあるということを知らなければなりません。生体リズムというのは、生物に元々備わっているもので、地球環境で生活するために必須のものとなっています。

この生体リズムに沿って生活することが、身体にとって最も負担の少ない生活と考えられます。睡眠における生体リズムは3つあります。

1つめは24時間リズムです。これは朝目が覚めて、夜眠くなるというものです。体温のリズムやメラトニンといったホルモンのリズムにより形成されています。

2つめは12時間リズムです。これは人間の眠気のリズムであり、午前や午後2時に眠気がくるというリズムです。主に体温のリズムによって形成されています。

3つめが90分リズムです。これはよく聞くリズムだと思いますが、人間の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠というものがあります。簡単にいうとレム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りになります。

眠っているとき、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムは90分で生じます。90分単位で浅い眠り(レム睡眠)の状態になるために、レム睡眠のときに目が覚めると、目覚めが良くなります。

この中でも最初の2つを考慮すると、人間は生理的に朝に目が覚めて、夜眠くなります。そして午後2時頃に眠気がくるということになります。

以上のことより、「午後2時辺りと夜以外に眠気がくる状態」、もしくは「夜になっても眠気がこない状態」が本当の睡眠障害だといえます。

良い睡眠を実現させるためのヒント

そこで最後に、良い睡眠について書きます。ここでも生体リズムを考慮する必要があります。生体では、以下のようなリズムが起こっています。

① 成長ホルモンなど重要なホルモンは深夜22時~26時(午前2時)、そして入眠2時間後に分泌される

② 光は眠りに関わるメラトニン(入眠ホルモンと言われている)を抑制する

③ 加えて、先ほどの24時間、12時間、90分リズムの3つのリズムを考慮する

つまり良い睡眠とは「① 多様性を考慮しつつ、② 深夜24時までには就寝し、③ 理想は7時間半の睡眠をとって、④ 日中は光を浴び、夜は光を避ける」という生活をすることによって実現できます。

適切な睡眠は自律神経の乱れを抑制します。そこで、生体リズムに応じた睡眠をすることで、自律神経の悪化を抑制するようにしなければいけません。

なお、自律神経へのストレスは背骨や関節の動きを制限することに繋がります。これによって腰やひざに痛みを生じることになるため、実は睡眠障害の改善は関節の痛み(疼痛)にも効果を示します。

リハビリなどを行う理学療法の世界では、こうしたことも含めて生活習慣の指導の改善まで当たることで関節の痛みを取り除くことが行われているほどなのです。