意識改革で睡眠障害(不眠症)を改善する「自律訓練法」とは

d7d0599cf98642e9455a736e41e5cf3f_s

催眠という言葉は聞いたことがあるかと思います。このときの催眠という言葉は「怪しい」「胡散臭い」などのイメージが強いのではないでしょうか。しかし、催眠を使った治療というのは、心理学や精神医学の分野では今まで重要な役割を果たしてきました。

今回は催眠を使った治療である「自律訓練法」による不眠治療に関して解説します。

自律訓練法とは

自律訓練法は、ドイツの精神医学者ヨハネス・ハインリヒ・シュルツによって考案されました。そして、1926年に「自律訓練法」という本が出版され、その中で、「自律訓練法は催眠をかけられたときと同じ状態になるように、合理的に組み立てられる生理学的訓練法である」と書かれています。

ここから、さらに催眠療法にヨガや禅などの概念も取り入れた自己訓練法が確立しました。この訓練法は特に寝つきの悪い人への効果が高く、夜中に目覚めやすい人や熟睡感が少ない人にも効果があることが明らかになっています。

具体的方法

自律訓練法は7つの段階から構成されます。まず、訓練中は心身ともにリラックスした状態であることが前提になります。また、全ての訓練において、各段階で「公式」と呼ばれる決められた言葉を心の中で繰り返します。

回数は、1回3~5分間を1日2~3回行います。起床直後、夕食後、就寝前などリラックスできる時間を選びます。短い時間でもよいので、毎日続けることが大事です。

そして、環境の整備も大切です。リラックスできるように騒音や明るい照明を避けるだけでなく、腕時計やネクタイなど部屋の環境から身に着けているものまで、あらゆる環境をリラックスできるように調整する必要があります。

以下に訓練内容を示します。ひとまず、以下のような感覚をリラックスすることによって感じるようにしてみてください。

① 安静

この段階の公式は「気持ちが落ち着いている」です。安静は自律訓練法の基礎になりますので、時間をかけてでも身につける必要があります。リラックスして安定した自然な姿勢でゆっくり呼吸しながら行います。

② 四肢重感

この段階の公式は「両腕両脚が重たい」です。

③ 四肢温感

この段階の公式は「両腕両脚が温かい」です。

④ 心臓調整

この段階の公式は「心臓が静かに規則正しく打っている」

⑤ 呼吸調整

この段階の公式は「楽に呼吸している」です。

⑥ 腹部温感

この段階の公式は「お腹が温かい」です。

⑦ 額部涼感

この段階の公式は「額が心地よく涼しい」です。

体をリラックスさせると、手足の筋肉が緩むので最初は両腕両脚が重たいように感じます。そうすると、血流がよくなるので温かいような感じがするようになります。

これらを最初から感じることのできる人がいれば、数週間の訓練を必要とする人もいます。焦る必要はないので、自己暗示をかけることで意識を変え、リラックス状態をつくるのです。こうして、睡眠障害(不眠症)を改善していきます。