時差ボケの原因は体内時計の調整障害にある

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時差ボケのことを睡眠医学では時差障害といいます。その診断基準は以下の3項目です。

・ジェット機に乗って、少なくとも3時間以上の時差がある場所に旅行したとき、不眠や過眠を自覚する

・旅行後1~2日以内に、昼間の精神的あるいは肉体的な機能が落ちたり、全身のだるさや胃腸障害などの体の症状がでたりする

・その睡眠障害は、他の睡眠障害や内科、あるいは精神科の病気、薬物の使用などでは改善しない

時差ボケでの症状で最も多いのは睡眠障害です。今回は、この時差ボケについて解説します。

時差ボケの症状

時差ボケで最も多い症状は、睡眠障害です。パイロットを対象にした調査によると、約70%が睡眠障害を訴えていたとのことです。加えて、作業能率の低下や疲労感、食欲不振も10%程度に認められたとのことです。

他にも、鈍重感、胃腸障害、目の疲れ、吐き気、イライラなどの症状が出現します。これらの症状に影響する要因として4つ挙げられます。

一つ目は「朝型」か「夜型」です。朝型人間は夜型人間と比較して、時差ボケの影響を強く受けます。これは、朝型人間の体内時計が、生活リズムの変化に順応しにくいためと考えられています。

二つ目は年齢です。中高年者は若年者と比較して、時差ボケの症状が強く出る可能性があります。日中の眠気や疲労感が強くなり、睡眠の効率が悪くなります。また、加齢は時差からの回復を遅くします。

三つ目は性格です。神経質、ナーバス、内向的な人は、時差ボケからの回復に時間がかかります。人との会話や遊び、仕事などは、体内時計の調整を早めてくれる因子になります。内向的な人はこの因子が少なくなるので、回復が遅くなります。

そして最後は、飛行の方向です。西方向への旅行と比較して、東方向への旅行は時差ボケが起こりやすいです。これは、人の体内時計が25時間と、一日より少し長いため、時間が早まることに対する調整が難しくなるためです。

時差ボケが起きるメカニズム

時差ボケの原因は、体内時計の調整障害です。そして、その原因として外的脱同調と内的脱同調があります。外的脱同調とは、高速度で時差がある場所まで移動すると、体内時計と現地の生活時間にずれが生じてしまいます。このように、外の環境と体内時計とのズレが生じることを、外的脱同調といいます。

一方、内的脱同調とは、体内時計がコントロールしている体温やホルモン分泌、睡眠・覚醒リズムなど、体内のさまざまな反応がバラバラになってしまうことをいいます。

この2つのメカニズムにより、時差ボケの症状が出ていると考えられています。なお、外的脱同調は到着直後がもっとも症状がひどく、逆に内的脱同調は到着後2~3日後にもっとも症状が強く出ます。

以上のように、時差ボケの原因や、影響する因子はさまざまであり、これらを調整することにより、時差ボケを小さくすることができます。

上記の他にも、「朝の光を浴びる」「食事を一定の時間にとる」「運動を行う」など、外的な要因で体内時計は調整できます。時差ボケのメカニズムを知ることは、海外旅行を楽しむことにもつながるのです。