「気合で起きろ」によって目覚めが良くなる科学的根拠

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朝起きることができない子供や若者に対して「気合いで何とか起きろ」「気持ちの問題だ」などと精神論をいわれる方がいると思います。いわれたほうは「気合いで起きることができるなら苦労はしない」などと思うことが普通かと思います。

しかし、実はこの「気合で起きることによって目覚めが良くなる」ということは、科学的に証明されているのです。今回は、このことについて解説します。

朝起きることの重要性

人の体は24時間より長い周期でリズムを刻んでいます。つまり、そのリズムのまま過ごしてしまうと、毎日時間がずれていき、約2週間で昼夜が逆転するといわれています。

しかし、このリズムはいくつかの要因によって修正されます。その中でも、太陽の光、食事、運動の生体リズムによる修正の影響は大きいとされています。

つまり、一定時刻に起きて、太陽の光を浴び、ご飯を食べることは生体リズムの修正にとても重要なことなのです。

このような理由から「夜何時に寝ても、朝起きる時間は一定にしなさい」「朝ごはんはしっかり食べなさい」などのことがいわれているのです。

気合いはどのように体に影響するか

では、早起きをどうやってするのかということを考えます。その方法の一つに気合があります。「気合?」と思う方もいるかと思いますが、実は、気合いでの早起き効果というものは科学的に証明されています。

健常な状態では、コルチコステロイドというストレスホルモンが朝に最も分泌されます。これは体を興奮状態にするホルモンであり、起きる前から徐々に分泌され、体が起きるための準備をします。そして、このホルモン濃度が高まったときに目覚めると、体の準備も整っており、目覚めが良い状態で起きることができます。

また、コルチコステロイドは、このホルモンの分泌を刺激するACTHというホルモンによって調整されます。ACTHの分泌が高くなると、コルチコステロイドの分泌も高くなるということです。

ここで、ある研究の紹介です。3つの条件を作り、このACTHの分泌量を測定した研究があります。この研究では、以下の3つの条件で、ACTHの分泌量を測定しました。

① 9時に起こすと伝え、実際9時に起こすグループ
② 6時に起こすと伝え、実際6時に起こすグループ
③ 9時に起こすと伝え、実際には6時に起こす

結果、それぞれ起こすと予告された時刻に向かって、ACTHの分泌量が増えていくという現象が認められました。つまり、6時に起こすといわれたグループは6時がピークになるように、9時に起こすといわれたグループは9時がピークになるようにその分泌量が調整されていたのです。

また、予告が9時で実際は6時に起こされたグループは、6時に急激な分泌量の増加が認められました。このグループの目覚めが 悪かったことは想像に難しくないかと思います。

以上のように、人間の体は起床時刻を意識することによって、時間に先行して内分泌(ホルモン)環境が変化し、体が起きるための準備をしてくれるのです。

つまり、朝気持ちよく目覚めるためには、寝る前に起きる時間を意識することが重要です。 言い換えれば、「気合いを入れること」がポイントかもしれないということが科学的に検証され、示唆されたということです。

朝になかなか起きることができないあなたは、ただの気合い不足かもしれません。