子供は睡眠時間が短くなるとキレやすく(怒りやすく)なる

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現代は小学生から塾に通わせる家庭が多くあり、子供のころから睡眠不足に陥ってしまう人が多いです。以前は、暗くなれば寝て、明るくなったら起きるという生活が当たり前だったはずです。

そして、この睡眠不足が、最近よくいわれる「キレやすい子供」とも関係しています。今回は、睡眠と子供の行動について解説します。

子供と睡眠時間

脳の中には一千数百億の脳神経細胞があります。さらにそれを結ぶシナプスは百兆個ともいわれ、1秒間に100mの速さの電気が流れています。

このような脳は、5歳までに成人の脳の8割ほどの重さに成長し、20歳位でそのピークを迎えます。そして、そのあとは年をとるにつれて委縮していきます。

睡眠には、脳を休ませる「レム睡眠」と体を休ませる「ノンレム睡眠」があります。1日の睡眠の中で、この2つの睡眠を4、5回繰り返します。眠りが浅く、夢を見るのはレム睡眠時であり、眠りが深いのはノンレム睡眠時です。

生後6か月頃まではレム睡眠が中心で、脳の回路を増やしているとわれています。成長に伴い、起きている時間が増えるとノンレム睡眠の時間が増えます。つまり、眠ることは体の疲労を回復させる役割もありますが、脳の形成にも欠かせないものなのです。

そして、子供の学力と睡眠時間について多くの調査がなされています。2008年に行われた調査では、睡眠時間が6時間未満のグループは、6時間以上のグループと比較して、国語・数学の平均点が低かったとされています。

また、2006年に行われた調査では、学力偏差値と知能指数のどちらも、就寝時刻が9時以降になるにつれて低下していたとされています。

睡眠には学習内容などの記憶を整理して、より定着させる機能があります。成長期の子供たちにとって、睡眠は脳を守り、育てていくという役割があります。

さらに、睡眠時には成長ホルモンを中心とした、子供にとってかかせないホルモンが多く分泌されており、発育にも大きく関与しています。このように、睡眠は子供たちの成長に大きく関わっているのです。

キレやすい子供と睡眠

最近、短気で暴力的、いわゆる「キレやすい(怒りやすい)子供」が増えているといわれています。実は、このような行動も睡眠時間と関係していることがわかってきているのです。

これは以前から研究されており、古くは1987年の研究で、家庭内暴力の頻度と睡眠のリズムについての関係が指摘されています。この研究では、より規則的な睡眠をとっている子供ほど家庭内暴力の頻度が少ないことが示されています。

また、睡眠不足は自律神経系の乱れも引き起こします。自律神経系は昼に活動し、夜に眠ることでそのバランスを保っています。活動時は、体を興奮させる交感神経系が主に働き、休息時は体をリラックスさせる副交感神経系が主に働きます。この2つの神経系がバランスよく働くことにより、その機能を発揮しています。

しかし、睡眠不足やリズムの乱れが生じると、このバランスが崩れてしまいます。そして、体を興奮させる交感神経系の働きが強くなります。この神経系の働きが強くなると、アドレナリンというホルモンが分泌され、ちょっとしたことで興奮するようになります。つまり、怒りっぽくなるということです。

以上のように、睡眠は特に子供の体への影響が大きいです。勉強も大事ですが、体が健康であってはじめて勉強もできます。特に子供のころは、夜遅くまで勉強するよりも、睡眠を優先させることが大切です。