概日リズム睡眠障害の原因と症状:夜更かしや加齢による不眠

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生活リズムが乱れると、人間がもともと備えもった生体リズムが崩れます。これにより、睡眠に障害をきたした状態を概日リズム睡眠障害といいます。これは夏休みの夜更かし生活や海外旅行による時差ボケなどで起こります。

今回は、この概日リズム睡眠障害について解説します。

睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群とは「睡眠の時間帯が、好ましい時刻よりも遅い時間帯になっている状態」のことです。この状態では、寝るタイミングは遅いですが、寝る時間は一定です。そして、一旦寝付くとしっかり寝ることができます。睡眠時間はやや長めの人が多いようです。

例えば、夏休み中に夜のアルバイトを行い、毎日午前4時に寝ていたとします。すると、夏休みが終わって学校が始まっても、午前4時まで寝ることができず起きているといった状態です。そして、この状態が数か月から数年も続くので、普通の生活を送るにはかなりの不都合が生じます。

また、これは自分の努力で改善できるような問題ではありません。睡眠相後退症候群があると、朝から予定があるときは、多くの人は徹夜して備えることが多いようです。

無理をして早く起きると、頭痛や鈍重感、食欲不振、疲労感、集中困難などの症状が出現します。しかし、これらの症状は午後には無くなる場合が多いようです。

さらに怖いのは、このような朝の不調が続くと、うつ状態になってしまうことがあるということです。この病気は思春期から青年期に発症しやすい病気です。

体内時計そのものの障害や、体内時計の調整機能の障害などが原因に考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。しかし、先ほど述べたように、この病気は比較的睡眠時間が長く、体内時計を調整する朝の日光を受けないことも、症状が続く原因として考えられます。

治療法としては、専門機関に入院し、就寝・起床を3時間ずつ1週間ほどかけてずらしていくという方法を行いますが、1ヶ月くらいしか続かないことがあります。そこで最近では、高照度光療法やメラトニンなどを組み合わせて治療を行います。

睡眠相前進症候群

一方、朝の早い時間に目が覚めてしまうのが、睡眠相前進症候群になります。これは自分が希望する時刻より2~3時間早く目覚めてしまうのが一般的です。1週間以上このような状態が続くと、睡眠相前進症候群といわれるようになります。

一般的には、午後の6~8時(18:00~20:00)という早い時刻に寝て、早朝に覚醒するパターンをとります。「早朝に目覚めて眠れない」「夕方に強い眠気に襲われる」という訴えが多いようです。そして、この症状は高齢者に多く認められ、中高年の100人に1人くらいがこの病気だともいわれています。

しかし、睡眠相後退症候群とは違い、特に社会的には悪影響がないため、医療機関を受診する人は多くないようです。

睡眠相前進症候群の原因としては、加齢による生体リズムの短縮が関係しているようです。また、体温変化やホルモンの分泌パターンの乱れも関係しているようです。

この治療は、高照度療法が行われます。夜の就寝時間の前に高照度の強い光を浴びせ、睡眠・覚醒のリズムや深部体温、メラトニン分泌などのリズムを遅い方にずらします。
また、メラトニンを夕方に内服することも、同じような効果があります。

以上のように、睡眠時間帯の障害も睡眠障害に分類されます。これらは、病院にかかっていない人でも、多くの人が患っている可能性が高いです。子供をもつ親はこのような知識をもつことにより、夏休みなどの長期休暇後に起こるリズムの障害を予防することができるはずです。