夜勤勤務による睡眠障害は、シフトの調整によって修正できる

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交代制の勤務や深夜労働をしている人は、一般的な時間帯と睡眠・覚醒のリズムがズレています。そのために睡眠障害が起こりやすく、さまざまな症状が出現します。

特に勤務スケジュールと関連して一次的に睡眠障害が出現した場合、これを交代勤務性障害といいます。今回は、この交代勤務性障害について解説します。

交代勤務性障害の疫学と原因

日本での交代勤務性障害の頻度ははっきりしていません。ただ、スウェーデンで行われた調査では、深夜勤務の人は日勤勤務の人と比較して、自覚的な睡眠障害を訴える人が6倍だったとされています。

また、休息感がない人は6倍、勤務後に騒音が気になる人も11倍だったとされています。睡眠時間も短く、平均4.3時間と日中に勤務している人の約60%しかありませんでした。

この睡眠障害の主な原因は、体内時計の乱れとされています。つまり、時差ボケが毎日起こっていることと同じです。

体内時計は、毎日約25時間のリズムで睡眠・覚醒リズムや体温、ホルモン調整を行っています。しかし、夜勤を行ってしまうとそのリズムと異なった体の反応を強制します。それにより、体内時計が乱れてしまうのです。

例えば、通常のリズムだと、夜に体温が低下してくるにつれて眠気を生じます。ホルモンなどのその他の因子も重なり、そのまま体のリズムに合わせて睡眠に入ります。しかし、夜勤をすると体温やホルモン分泌は行われようとするのですが、実際は起きて動いているため、体温の低下やホルモン分泌が通常通り行われないようになります。

それでも体温の低下やホルモンの分泌などは起こり、睡眠状態を作るため、元気よく働くことができません。このように、夜のリズムが崩れると翌日の朝、昼のリズムも崩れてしまうのです。

夜勤勤務への対処法

完全にこの問題を改善する方法はありませんが、体内時計の乱れを小さくする方法はあります。それは、ファーストローテーションからスローローテーションに変えるということです。

具体的には、1週間のシフトが「日勤 → 日勤 → 夕勤 → 夕勤 → 夜勤 → 夜勤 → 休み」のように、一週間に3交代を全て行ってしまうと、2日ごとに睡眠時刻を調整する必要があります。さらに、夜勤後の休日を時差ボケが持続し、十分に睡眠時間を確保できないという問題点があります。

一方、月の一週目は日勤、翌週は夕勤、その次は夜勤というように、1週間同じシフトにすると、頻繁な睡眠時刻の調整が必要なく、夜勤後の休日も十分に確保ができます。

その他の対処法として、夜勤の日はその分の睡眠を日中の仮眠(120分以内)によって確保し、勤務中も仮眠(120分以内)を行うなどがあります。体内時計による眠気は避けることはできませんが、仮眠を行うことによって疲労による眠気を軽減させることができます。その結果、眠気による事故や仕事効率の低下を防ぐことができます。

さらに、夜勤後は3~4時間睡眠によって午前中に起き、夜は通常の就寝時間で布団に入るようにしましょう。リズムのズレを調整することが大事です。このときに、強い光は体内時計の調整の妨げになるので、遮光カーテンや、サングラスなどを使用することも有効です。

以上のように、交代勤務制による障害は多くの人に起こっています。この問題は個人の睡眠障害だけの問題にとどまらず、交通事故をはじめとした大きな事故につながる可能性があります。

先ほど述べたような対処法を行うことで、少しでもこの障害の影響を小さくすることが、多くの人の命を救うことになるのです。