健康食品・サプリメントで「合成品は悪、天然由来は良」なのか?

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健康系に関する書物や雑誌を読んでいると、よく目につくワードとして「合成品は悪、天然由来は良」というものがあります。世の中は石油由来の合成品であふれており、天然由来の食品や成分だけが素晴らしいという理論です。

両者に違いはあるものの、必ずしも「合成品は悪、天然由来は良」というわけではありません。それよりも、あなたに必要な成分を見極めることの方が重要です。

天然由来成分は本当に「良」なのか

病気の症状を治すために多くの人が服用するものとして、医薬品があります。漢方薬を除き、医薬品のほとんどは合成品です。薬の主成分は有機化合物と呼ばれる石油由来の物質であるため、体にとっては異物です。そのため、薬は肝臓や腎臓などの作用によって時間経過と共に体外へ排泄されるようになっています。

こうした事実から、医療否定を行う人は「薬などの合成品は悪であり、天然由来の食物が素晴らしい」といいます。

ただ、実際は必ずしもそうではありません。そもそも、天然物の中にも毒を有するものが存在します。キノコ毒やフグ毒、ボツリヌス毒素などはその代表です。むしろ、青酸カリなどの化学的な毒物よりも、フグ毒やボツリヌス毒素などの天然毒の方が圧倒的に毒性は強いです。

こうした極端な話でなくても、「体内に取り入れると合成品であれ天然物であれ必ず何かしらの作用がある」と考えてください。例えば、糖を摂取するときです。

糖は脂質やアミノ酸と並ぶ三大栄養素であり、脳が働くためには糖の存在が不可欠です。そういう意味では、糖がなければ生きていくことはできません。

そのような糖であっても、量が多すぎると毒性を発揮するようになります。その代表的な病気として糖尿病が知られています。血液中の糖濃度が高くなることで、腎症や網膜症、神経障害などを引き起こすようになるのです。

糖であっても毒になることを考えると、合成品や天然由来成分に関係なく、どのような物質であっても問題になるケースが存在することが分かります。

健康食品やサプリメントでの合成・天然

これと同じことは、健康食品・サプリメントにもいえます。こうした製品を合成品や天然由来という括りで扱ってもあまり意味はありません。合成品でも良いものがあれば、天然品でも粗悪な商品が存在するからです。

重要なのは、「どのような栄養素が足りていないのか」を把握することにあります。特定の栄養が少なすぎたり多すぎたりすると、病気のような症状を引き起こすことがあるのです。

例えば血糖値が高すぎると、糖尿病として合併症が問題になります。ただ、薬などによって血液中の糖が減り過ぎると、今度は低血糖によって昏睡状態に陥ります。栄養素というのは、「量が多い」または「量が少ない」のどちらか一方に傾くことで症状が表れやすくなります。

たとえ野菜が健康に良いからといっても、野菜だけを食べていれば体はやせ細って不健康になります。肉などのタンパク質も体にとって不可欠であるため、特定の栄養に偏ってはいけません。

健康食品やサプリメントを活用する意味というのは、「足りないであろう栄養素を補う」ことにあります。何でもいいから摂取するのではなく、意味をもたせながら活用しなければいけません。

「合成品は悪、天然由来は良」ではなく、どのような物質が必要なのかを見極めることで、ようやく健康食品やサプリメントを有効に用いることができるようになります。

なお、天然物であるはずの漢方薬であっても、副作用は表れます。作用がマイルドなだけであり、何かしらの作用はあるのです。原料が合成品や天然物という単純な括りではなく、「あなたにとって本当に必要な成分は何か」で確認するようにしましょう。