抗菌薬(抗生物質)とカルシウム、マグネシウムの飲み合わせ

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薬同士で飲み合わせがあることは有名ですが、薬と食品で飲み合わせを生じることを知っている人はあまり多くありません。実際のところ食品によっては薬との相性が悪いことがあります。

その中の一つとして、抗菌薬とミネラルがあります。ミネラルは私たちの体にとって必要な栄養素であり、カルシウムやマグネシウムなどがミネラル成分として知られています。そして、これらカルシウムやマグネシウムと一緒に抗菌薬を飲むと、飲み合わせ問題を生じることがあります。

抗菌薬とカルシウム、マグネシウム

骨の形成にカルシウムが重要なことから、サプリメントとしてカルシウムを摂取する方がいます。実際にカルシウムは医薬品として活用されることがあり、ミネラルの補給という意味で用いられます。

また、マグネシウムは「骨や歯にカルシウムが沈着する過程」に関わることから、カルシウムとマグネシウムを配合していることがあります。

マグネシウムは医薬品として活用されることもあります。例えば、酸化マグネシウムは便秘薬として多用されます。そのため、カルシウムやマグネシウムは普段の生活の中で錠剤やカプセルとして頻繁に活用されます。

ただ、カルシウムやマグネシウムと一部の抗菌薬を使用すると、抗菌薬の作用が弱まってしまいます。このとき問題になる抗菌薬としては、ニューキノロン系抗菌薬テトラサイクリン系抗生物質があります。

ニューキノロン系抗菌薬は多用される薬の一つです。ニューキノロン系抗菌薬としては、レボフロキサシン(商品名:クラビット)、モキシフロキサシン(商品名:アベロックス、ベガモックス)、シタフロキサシン(商品名:グレースビット)などが知られています。

また、ニューキノロン系抗菌薬ほどは使用されませんが、テトラサイクリン系抗生物質としてはミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)、ドキシサイクリン(商品名:ビブラマイシン)が主に活用されます。

抗菌薬の作用と飲み合わせ

感染症の治療薬として、抗菌薬が活用されます。ただ、ニューキノロン系抗菌薬やテトラサイクリン系抗生物質では、カルシウムなどの金属成分と併用すると、お互いが強力に結合してしまいます。専門用語では、「キレートを形成する」となります。

抗菌薬と金属成分がくっついてしまうと、抗菌薬は腸から吸収されなくなります。つまり、糞便と一緒に排泄されるだけとなります。

薬の効果を発揮するためには、腸から吸収されて血液の中に入り、全身を巡る必要があります。この過程が抑制されるため、抗菌薬は十分な効果を発揮できなくなります。これが、カルシウムやマグネシウムなど金属系のサプリメントと抗菌薬を併用してはいけない理由です。

実際に抗菌薬と金属系サプリメントの両方を使用したい場合、抗菌薬を服用した2時間後に金属サプリメントを飲むようにしてください。2時間経過すれば、抗菌薬は既に腸から吸収されて影響が表れないと考えることができるからです。

なお、ドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品(OTC薬)の中には、金属を含む胃腸薬が存在します。この薬と抗菌薬を併用しても、同じように抗菌薬の作用が弱まります。そのため、使用する際には十分注意しなければいけません。