プロペシア(フィナステリド)の効果と副作用:薄毛、脱毛

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主に男性で見られるような、生え際や頭頂部の髪の毛が脱毛したり薄くなったりする状態を男性型脱毛症(AGA)といいます。病気のように何かしら体調の変化が表れるわけではありませんが、「見た目」という観点で薄毛や脱毛を気にする人は多いです。

そこで、男性型脱毛症(AGA)を治療するために投与される薬としてプロペシア(一般名:フィナステリド)があります。プロペシアは男性ホルモンの働きを抑える作用があり、これによって薄毛・脱毛の進行を遅らせるように働きかけます。

プロペシア(一般名:フィナステリド)の作用メカニズム

髪の毛は全員が生えており、これは髪の毛が薄くなっている人でも同様です。ただ、薄毛の人では髪の毛が太く長く成長する前に抜けてしまうことが多く、そのために頭頂部などが薄く見えてしまいます。

このとき、髪が生えるためのヘアサイクルが存在し、最初の生え始めは薄い毛(産毛)です。男性型脱毛症(AGA)では、産毛の状態で抜け落ちてしまうことが大半です。こうした産毛の状態での脱毛が多くなることで、時間経過と共に生え際が後退していくのです。

何らかの原因によってヘアサイクルが乱れるため、育毛を行うときは育毛剤を活用したり頭部のマッサージを実施したりします。こうして、太い髪が生えやすい環境を整えます。

ただ、中には医薬品を使用することで治療する方がいます。このときの作用メカニズムは単純であり、男性ホルモンの作用を弱めようとします。脱毛原因として男性ホルモンが考えられているため、男性ホルモンを阻害しようとするのです。

男性ホルモンとしては、いくつか種類があります。これら男性ホルモンの中でも、テストステロンが一般的に知られています。テストステロンは睾丸や副腎などで産生されるホルモンです。

テストステロン自体は薄毛の原因にならないと考えられています。そうではなく、テストステロンが変化したジヒドロテストステロン(DHT)が男性型脱毛症(AGA)に関与しています。テストステロンに比べて、ジヒトドテストステロンの男性ホルモン作用は10~30倍強力だといわれています。

「テストステロン → ジヒドロテストステロン」へと変換されるためには、酵素が働かなければいけません。この酵素を5α-還元酵素(5α-レダクターゼ)といいます。

そこで5α-還元酵素の働きを阻害すれば、ジヒドロテストステロンが生産されなくなります。薄毛の原因として考えられている物質が作られなくなるため、結果として男性型脱毛症(AGA)を治療して発毛効果が期待できるのです。

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このような考えにより、5α-還元酵素の阻害作用を示す薬として開発された医薬品がプロペシア(一般名:フィナステリド)です。ジヒドロテストステロンの産生を抑え、男性ホルモンの作用を弱めることで男性型脱毛症を治療しようとします。

プロペシア(一般名:フィナステリド)の効果と副作用

英語のProにはポジティブ(前向き)という意味があります。そこで、Alopecia(脱毛症)のpeciaをくっつけて、Propecia(プロペシア)という名称になっています。

海外での臨床試験によると、プロペシア(一般名:フィナステリド)を投与することによって90%に抜け毛の進行抑制や改善効果があったとされています。

ただ、プロペシア(一般名:フィナステリド)に発毛自体を促す作用はありません。「男性ホルモンの作用による抜け毛」を防ぐことが薬の作用メカニズムであるため、脱毛の進行を抑えることが主な作用です。つまり、ヘアサイクルを改善させ、髪の毛を太く長く育成させるのです。

こうした作用を示すプロペシア(一般名:フィナステリド)ですが、医薬品である以上は副作用があります。プロペシアの副作用の出現率は承認された当時で4%程度です。主な副作用としては、男性ホルモンの作用が減弱するためリビドー減退(性欲減退)、勃起機能不全(ED)などが知られています。

もともと、プロペシア(一般名:フィナステリド)は前立腺肥大症の治療薬として開発されました。ただ、脱毛改善作用が発見されたことから、男性型脱毛症(AGA)の治療薬として活用されるようになったのです。

プロペシア(一般名:フィナステリド)は医師の診察がなければ処方されません。ただし、薄毛は生命を脅かす病気ではないため、全額自費による治療になります。そのため、薬代や治療代は高額になります。

薬を服用するときは、1日1回経口投与します。飲み時間は特に決まりがないものの、自分で決めた時間(朝など)で毎日服用するのが適しています。

なお、女性で脱毛に悩んでいる人もいますが、「男性ホルモンの働きを抑える」という作用から分かる通り、プロペシア(一般名:フィナステリド)は男性だけに有効です。女性がプロペシアを服用しても無効です。

特に妊娠やその可能性がある女性は服用が禁止されているだけでなく、砕けた錠剤に触れることすら禁止されています。口からの服用でも皮膚に付着した場合でも、胎児の生殖器に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。副作用の観点から、女性がプロペシアを用いてはいけません。

プロペシア(一般名:フィナステリド)はコーティングが施されているため、錠剤に接触しただけで有効成分に触れることはありません。ただ、錠剤が割れたり砕けたりしている場合は、前述のような注意が必要です。