女性の脱毛原因:ホルモンバランスの乱れ・ダイエット・貧血・病気

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薄毛(ハゲ)というと、男性に起こるものだと思われがちです。ただ、実際は女性にもそうした薄毛に悩まされている人は多いです。女性の場合は男性のように丸ハゲになるというよりも、頭皮全体が薄くなるように進行することが多いです。

女性による脱毛の原因は、さまざまです。そのため、一概に「女性の薄毛の原因は、すべて○○だ」と言い切ることはできません。また、それぞれの原因が複合的に絡み合うため、原因を一つに特定することは難しいと考えられています。

しかし、女性の薄毛を引き起こす代表的な原因を知っておくことは、薄毛の進行を食い止めることを考える上で有効です。ここで、女性の頭皮に脱毛が起こる理由としては、「ホルモンバランスの乱れ」「ダイエット」「貧血」「病気」などが知られています。

ホルモンバランスの乱れが薄毛を引き起こす

女性の薄毛の原因として、よく取り上げられるのが「ホルモンバランスの乱れ」です。女性のホルモンバランスは、環境の変化などで起こりやすいです。

たとえば、出産があります。出産前はエストロゲンがよく分泌され、その量が増えます。しかしながら、出産が終わるとエストロゲンの量が減ります。エストロゲンには髪の毛を育てる働きがあるため、その量が減少すると脱毛が進行しやすくなります。そのため、エストロゲンの状態が落ち着くまで(出産後2~6か月程度の間)、抜け毛が増える可能性があります。

また、女性の場合、女性ホルモンが男性に比べてとても多いです。しかしながら、更年期に差し掛かると、女性ホルモンの量が大きく下降します。その結果として、男性ホルモンによる影響が増えます。つまり、男性ホルモンの絶対量は増えないものの、女性ホルモンが減ることで「男性ホルモンの相対量」が増えることになります。

例えば、「女性ホルモン100、男性ホルモン10」の状態から、「女性ホルモン30、男性ホルモン10」の状態になると、男性ホルモンによる影響が強くなります。これにより、男性型の脱毛症が引き起こされる可能性があります。

栄養不足は髪の毛にも影響を与える

年代によって違いはありますが、基本的に女性の方が男性に比べて「やせ形」に分類される割合が多いです。これは美意識に対する違いが男女間で大きく、女性あるほどやせることで美しくあろうとします。

もちろん、健康的なダイエットを実践していて、きちんと体重をコントロールしているのならば問題はありません。しかし、「食べるものを減らす」という形でのダイエットを行っていた場合、髪の毛にいきわたるべき栄養素が取り入れられなくなる可能性があります。

髪の毛というのは、生きるために必要不可欠なものではありません。そのため体は、少ない栄養素を髪の毛に分配しなくなってしまいます。その結果として、髪の毛は栄養分が足りなくなり、良質の髪を育てることができなくなってしまうのです。

女性に多い「鉄欠乏性貧血」は髪の毛に悪影響を及ぼす

女性が薄毛に悩まされる原因は他にもあります。女性のうち半分が、鉄が欠乏している状態にあるといわれています。つまり、鉄欠乏性貧血の予備軍が半分ほどいることになります。また、「鉄が欠乏している人のうちの8.5%」において、実際に生じる鉄欠乏性貧血の症状がみられているとされています。

栄養素のなかでも、鉄分は髪の毛と密接にかかわる成分です。体に取り入れた栄養素は、鉄分の働きによって髪の毛に配達されます。鉄分が少ないと、栄養素がうまく髪の毛にまで行きわたらず、髪の毛を育てることができなくなるのです。

鉄分の不足は、女性にとって薄毛・脱毛と密接に関わっています。鉄分も栄養状態の一つですが貧血状態を改善することは髪の毛にとって重要になります。

さまざまな病気が薄毛を引き起こす

そして、病気によっても脱毛が進行します。病気によって薄毛が起こる場合、その作用方法は2通り考えられます。まず1つめは、薬の副作用によるものです。抗がん剤などによる脱毛は有名です。そしてもう1つは、病気自体の症状として「薄毛」「脱毛」がみられるものです。

例えば、糖尿病や膠原病(こうげんびょう:さまざまな内臓に炎症を生じる病気)といった内臓疾患は、「慢性休止期脱毛症」と呼ばれる脱毛症状を引き起こすリスク要因となります。

髪の毛は、「休止―成長―退行」を繰り返して維持されます。通常、休止期間にある髪の毛は全体の1割程度ですが、この「慢性休止期脱毛症」に陥ると、「休止状態の髪の毛」の割合が倍ほどにまで増えます。その結果として、薄毛が起こるわけです。

女性に起こる薄毛の中でも、最も多いのは頭皮全体が薄くなる「びまん性脱毛症」です。そして二番目に多いのが、これまで述べてきた慢性休止期脱毛症になります。髪の毛の成長が休止することによって起こるハゲであるため、半年や一年などの長い時間をかけて徐々に症状が進行していきます。

ちなみに、上であげた膠原病のなかでも、「全身性エリテマトーデス」と呼ばれるもので特に脱毛症状(慢性休止期脱毛症)が起きやすいといわれています。

このように、女性に生じる脱毛にはさまざまな要因があります。そのため、適切な対応策を講じることで早めに対処することが重要です。

もちろん、これらの原因を自分で突き止めるのは難しいこともあるでしょう。その場合は、速やかに専門医にかかり、現状を把握するように努めることも必要です。それによって、早期発見が可能になります。早期発見は早期治療につながります。