蒸留水の正体と種類によって蒸留水の味が違う理由

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よく「この水はおいしい」「この水はおいしくない」など、水の味について話している人がいます。この水の味は何から作られているのでしょうか。

多くの人は、蒸留水はおいしくないといいます。では、「蒸留水とはそもそもどのようなものなのか」、そして「その他の超純水などと何が違うのか」ということを知ることは、水の味が何によって影響されているかを知るヒントになります。そこで今回は、市販されている蒸留水の中でも代表的な3つの水について解説します。

蒸留水

蒸留水は、一般的においしくないと認識している人が多いようです。蒸留水とは、水道水をただ蒸留しただけのものです。

蒸留すると、鉄分やカルシウムなどの気体に変わりにくい「不揮発性物質」は除去されますが、アンモニアや硫化水素などの、気体に変わりやすい「揮発性物質」は除去されません。水も蒸留によって気体に変化するからです。また、これら揮発性物質は水の臭いの原因になります。

さらに、蒸留している室内の空気に含まれる臭いの成分も溶け込み、蒸留水に臭いをつける場合もあります。このような理由で、蒸留水は不快な臭いが残っていることが多く、おいしくないと感じる人が多いのです。

イオン交換水

一方、同じ蒸留水の中でも、イオン交換水はよく市販されています。イオン交換水とは、水道水をただイオン交換樹脂に通しただけのものです。これはその名の通り、イオンに電離している成分だけを除去できます。しかし、イオン化していない水溶性の成分(先ほど述べた揮発性の悪臭成分など)は除去できません。

イオン化しているものの例としては、塩味があるナトリウムイオンや塩素イオン、また渋みをつくる重金属イオンなどがあります。イオン交換水では、これらの成分は除去されています。ただ、蒸留水と同じように、アンモニアや硫化水素などの揮発性物質が除去されないため、その臭いが残っているのです。

超純水

蒸留水や、イオン交換水に並んで超純水というものがあります。これは、文字だけ見るととても体に良さそうですが、そのようなことはありません。

超純水は、半導体の製造などで使われるような極めて純度の高い水です。これはその名の通り、水以外の成分を含んでいない、水分子のみから構成されるものです。そのため、人間の嗅覚や味覚を刺激せず、無味無臭になります。

これは、確かに先ほど述べたような、臭いの元となる揮発性物質などが含まれていません。そのため、臭いと感じることはありません。しかし同時に、水をおいしいと感じさせる成分も全く含んでいないため、おいしいとも感じません。

超純水は「基準」として使用するときに、良い水にはなります。例えば、超純水でご飯を炊いたり、料理をしたりしたときに、そのご飯や料理がおいしくなかった場合、それは米や料理に使ったその他の材料の味が悪かったといえます。少なくとも、水によって料理の味が変わったことはありません。

以上のように、市販されている蒸留水にも種類があり、その種類によって精製過程が違うため、含まれる成分も異なります。

基本的に水の味は、その水に何の成分が含まれているかで決まります。そのため、あなたが普段飲んでいる水にどのような成分が入っているかを知っていることが大切になります。これにより、ご飯に合う水や味噌汁に合う水など、あなた独自の組み合わせなどができるようになり、料理なども一層楽しくなります。