熱中症のメカニズムと予防するための水の飲み方

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熱中症は、梅雨明けから夏にかけての時期に増えてくる病気です。特に高齢者に多く、毎年200人前後が亡くなるように、熱中症は命に関わる病気です。

熱中症が出ない年はありません。しかし、熱中症にもメカニズムがあり、そのメカニズムを知ることによってこの病気を予防することができます。今回は、熱中症のメカニズムと予防方法について解説します。

熱中症のメカニズム

熱中症にはさまざまな原因があり、一般的には高温多湿な環境に適応できなくなった結果として生じる症状の総称のことです。つまり外部の変化に対して、体温を中心に体内環境を調整できないために熱中症が起こるのです。

例えば、気温が高くなると、体は発汗を促して体温が上がり過ぎないようにします。そのため、高温環境下で発汗が起こらないと、異常な体温上昇が起こります。熱中症はこのようなメカニズムで生じます。したがって、熱中症は体温調節機能が低い幼児や高齢者に多く、症状が重度になると死につながることもあります。

以前は、エアコンなどがなかったため、幼少時から外部の環境に体を調整する能力が鍛えられていました。しかし、現在では体の調整機能が働く必要もなく、外部の環境が調整されているため、その調整能力が落ちています。

これが、若い人でも簡単に熱中症になってしまう原因です。

汗の種類には2種類ある

以上のように、発汗が熱中症に関わっていることは理解できたかと思います。発汗機能が正常であることは、熱中症を予防するための大事な要素です。

実は人間の発汗には2種類あります。一つ目は精神性発汗で、「アポクリン腺」とよばれる汗腺から発汗されます。緊張したり、興奮したりしたときに、手のひらや足の裏などにかく汗がこの汗になります。

これは緊張などの精神的なストレスが起こったときに、脳(とくに前頭前野といわれる場所)からの指令で起こるとされています。

そして二つ目が、温熱性発汗です。これは汗が蒸発するときに一緒に体の熱を奪い、体温の調節に関わります。これは「エクリン腺」という汗腺から発汗されます。

後者の発汗が体温調節機能に関わります。このメカニズムは、体温の上昇に伴って脳の体温調整の司令塔にその情報が伝わり、その司令塔から発汗の指令が送られるというものです。これらの汗は99%水ですが、塩分や尿素、乳酸などの成分も含んでいます。これらの事実は、熱中症の予防にも関係してきます。

熱中症を予防する

熱中症は、主に発汗による体温調節が障害されることによって起こります。そのため、まずは高温で多湿な状況で無理な運動をしないことが大切です。高温多湿な状況では、体温の上昇が起こるにも関わらず、発汗が起こりにくいためです。

そして、過剰な発汗によってもこの体温調節機能は障害されます。そのため、発汗を補うような水分摂取が重要になります。

しかし、先ほど述べたように、汗は水だけでなく塩分なども含んでいます。そのため、水だけを飲んでしまうと、細胞内の塩分濃度がさらに薄くなり、かえって細胞の脱水が進んでしまいます。

以上のような理由から、熱中症の予防には0.2パーセント程度の塩分を含んだスポーツドリンクが良いとされています。このような塩分を含んだ飲み物を活動前、活動中、活動後に分けてこまめに摂取することが大切です。

軽度の熱中症では、こむら返り(筋肉のけいれん)や立ちくらみなどの症状程度におさまります。しかし、病態が進行すると、めまいや嘔吐、意識障害などが起こります。このような症状が出た場合は、緊急に専門の病院を受診する必要があります。

以上のようなメカニズムで熱中症が起こります。今まで説明したように、そのメカニズムには水が大きく関与しています。このような体に関する水の知識を持つことで、より効果的に熱中症を予防することができるのです。