料理の味は水の成分(水道水の塩素など)の影響によって変わる

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近頃は、水道水の体に対する害の認識は広まってきているかと思います。水道水の消毒に使われる塩素が、他の物質と反応することによって作られる物質がその原因です。

しかし、これらが料理の味にまで影響していると考えている人は少ないのではないでしょうか。今回は、水道水に含まれる物質が料理に及ぼす影響を解説します。

塩素

塩素の殺菌力が、人間の体に何かしらの影響を与えることは多くの人が知っています。しかし、基本的にはその定められた基準値を上回ることはなく、一回飲んだからといってその害が出ることはありません。

そもそも、人間の唾液は塩素の害を打ち消し、塩素の細胞破壊の力を無効化する働きがあるため、体が塩素の害を受けることはほとんどありません。しかし、塩素は食品の成分には影響し、その成分を破壊・変性させます。人によって、水の味が違うと感じる塩素濃度は異なります。ただ、お茶やコーヒーなど、どうしても水を大量に使うものは味が変わってしまいます。

また、味が変わるだけでなく、ビタミンCなどにも影響を及ぼします。そのため、ビタミンCを多く含む野菜や果物を水道水で洗った場合、そのビタミンCを破壊してしまう可能性があります。

水道水から塩素を除去した方がよいのは、実は体への害ではなく、このように食品に対する影響が大きいからなのです。

2-MIB、ジオスミン

水道水がかび臭くなるのは「2-MIB」と「ジオスミン」とよばれる物質の影響です。この2つは似たような構造をしており、藻類などの代謝の過程で作られます。そのため、湖沼や川で藻類が発生すると、それらが水道原水に入り込むということになります。

とくに毒性や有害性はありませんが、敏感な人はほんのわずかな量でもその臭いを感じます。つまり、この物質も食品に影響を与えるため、「料理の味」という観点では除去しておいた方が良いです。

塩素とピロリ菌

このように述べてきましたが、水道水の塩素による大きな恩恵もあります。例えば、ピロリ菌は胃がんの原因の一つとして有名です。ピロリ菌の感染は、最近減ってきているのですが、これは塩素の殺菌作用のおかげです。

ピロリ菌は塩素に非常に弱く、少し水道水に触れるだけでも死滅します。そのため、水道水の塩素消毒が徹底している日本では、その感染は減っています。一方、水道水が塩素消毒されていない国(特に発展途上国)など、上下水道の完備が行われていない国では、いまだに多くの人がピロリ菌に感染しています。

このように、塩素は悪い面ばかりでなく、良い面もあるということを頭に入れておく必要があります。

以上のように、体に悪いと思われている塩素は、実は体への害はそこまで心配する必要はありません。塩素によって発生するトリハロメタン類は注意が必要になるものの、「塩素そのもの」については問題ないのです。

しかし、その一方で料理の味には大きな影響を与えます。食事は多くの人の楽しみでもあり、生きていくための栄養摂取のための主な手段です。その食事に影響を与える塩素は、可能な限り除去した方が良いと考えるべきです。