日本の水道水に入っている菌(細菌、原虫)と安全性

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日本の水は世界一安全といわれています。日本のように水道水をそのまま飲める国は、ほとんどありません。欧州、北米の一部とシンガポールは何とか飲めるようですが、その他の国では水道水を飲むと下痢をします。それは、水に含まれる大腸菌などの病原菌や、ヒ素などの有害物質による影響です。

日本では、もともとの水に含まれる有害物質が少ない上に、塩素消毒が徹底されているため、下痢を起こすような心配はありません。しかし、世界一安全な日本の水でも100パーセント安全なわけではありません。今回は、日本の水の安全性について述べます。

塩素で殺菌できない菌

日本の水はもともときれいで、さらに塩素消毒をしているため安全です。しかし実は、近年、塩素で殺菌できない菌が発見されています。

その代表例がクリプトスポリジウム、ジアルジア、エキノコックスの3つになります。

・クリプトスポリジウム

この菌は、腸の中で増殖して下痢を引き起こします。体力がない高齢者や幼児などは死につながる可能性もある菌です。実際、1992年にアメリカでは、水道水がこの菌に侵され、感染者約40万人、死者約100人という悲惨な事件が起こりました。日本でも1995年にこの菌が発見されており、過去には多くの人が感染した例もあります。

この菌は細菌の中でも大きく、原虫の部類に入ります。人間や家畜の腸内で増殖する過程で、オーシストと呼ばれる硬い殻に包まれた状態になります。このオーシストが塩素で殺菌されないのです。

オーシストは唾液や胃液でも殺菌されず、感染すると3~6日で症状が出現し、腹痛と激しい下痢を引き起こします。現在、有効な治療薬はないため、点滴などで脱水を防ぎ、自然に回復するのを待つしかありません。

ちなみにこの菌は、煮沸で1分、70℃で30分、氷点下20℃の冷凍30分で殺菌できます。また、空気中でも、常温で4日間乾燥すると死滅します。そのため、より安全性を高める場合は、このように殺菌して水道水を飲むようにしてくだい。

・ジアルジア

この菌も腸内で増殖し、シストと呼ばれる硬い殻に覆われます。この殻のため、塩素での殺菌がされません。ジアルジアによる集団感染が世界各国で発生しており、日本でも多くの水道水で検出されます。

この菌は潜伏期間が3~10週間と長く、感染しても症状が出ない人もいます。基本的な症状としては、腹痛、下痢、腸炎、食欲不振などがあり、重度になると血便が起こります。子供の場合、栄養吸収障害によってビタミンAの欠乏が起こり、視力障害が起こる可能性があるので注意が必要です。

・エキノコックス

この菌も原虫に分類されます。日本では、かつては北海道だけで見つかっていましたが、現在では本州でも検出されています。飲食物、水道水が感染経路になり、口から入ると次に血液やリンパ液に入り、全身に増殖します。肝臓、胆のう、脳、目、腎臓などさまざまな臓器が侵され、重度になると死亡します。

この菌の感染では、潜伏期間が数年~10数年と長くなります。初期症状は軽い腹痛や肝機能障害による体のだるさなどのため、感染に気付かない場合が多いです。この菌による感染

日本の水道水であっても、以上のような危険な菌が入っている可能性があります。しかし、これらの菌は加熱などで殺菌可能です。

また、浄水器やウォーターサーバーの使用はこれらの菌の感染を防ぐ一つの手段になります。日本でも、水道水を使用する際は、このような感染の可能性も考慮した上でさまざまな対策を行い、浄水器やウォーターサーバーを有効に活用する必要があります。