水道水中に含まれ、煮沸しても取り除けない有害物質

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水道水には多くの有害物質が含まれており、さまざまな方法でその除去が行われています。浄水器を利用するのもそのうちの一つです。その中でも最も手軽でお金もかからない方法が煮沸消毒です。

煮沸消毒はただ水道水を沸騰させるだけなので、何の準備も要らずどの家庭でもできます。そのため、多くの家で行われている消毒方法です。しかし、実はこの方法では取り除くことができない物質があるうえに、中途半端に熱すると逆に濃度が上がってしまう物質もあるのです。

今回は、煮沸することによって影響を受ける物質に関して解説します。

煮沸によって無くなる物質

水道水に含まれる有害物質のなかに、「トリハロメタン」という物質があります。トリハロメタンは体内に入るとすぐ吸収され、炭酸ガスや塩素イオン、ホスゲンなど測定できない代謝物質になります。その作用としては、中枢神経機能低下、肝臓毒性、腎臓毒性、催奇形性、発がん性などが知られています・

また、トリハロメタンは現状の浄水処理システムの問題で、基準値が少し高めに設定してあります。ドイツの基準は0.025mg/Lですが、日本ではその4倍にあたる0.1mg/Lとなっています。

煮沸消毒では、このトリハロメタンが取り除かれることによって、いわゆるカルキ臭さをなくすことができます。この物質は揮発性であり、5~15分沸騰させることによって蒸発します。

ここで注意すべきことは「時間」です。5分以下ではトリハロメタンはほとんど蒸発しないため、確実なのは15分以上沸騰させることです。実は、中途半端な煮沸はトリハロメタンの濃度を上げることにもなります。ちなみにこのカルキ臭は、冷蔵庫で冷やしたり氷を入れたりするなど、温度を低下させることによっても軽減させることができます。

煮沸によって無くならない物質

トリハロメタンは、浄水場の塩素処理過程や塩素滅菌過程で生成されますが、実は水道管を通して給水される過程で増加することがわかっています。また、物理の法則では温度が10℃上がると化学反応の速度は2倍になるとされています。そのため、気温の高い夏は、冬と比較してトリハロメタンの濃度が高くなります。

また、お湯を沸かしたり調理で加熱したりすると、一気にその濃度は上がります。先ほど述べたように、トリハロメタンが蒸発しはじめるのは5分以上経ってからです。つまり、5分以内の煮沸は、消毒どころか有害物質の濃度を増やすことになるのです。

その他にも、煮沸で取り除けない物質としてクロロ酢酸、クローラル類、クロロアセトンなど、多くの塩素化合物があります。そして、これらの物質はトリハロメタンと比べて沸点が高いため、煮沸しても簡単にはなくなりません。

以上のことから、水道水の煮沸消毒では取り除くことができない物質があるだけでなく、中途半端に加熱してしまうと逆にトリハロメタンの濃度が上昇してしまうということになります。煮沸消毒をする際は、最低5分、できれば15分行うようにしてください。