水道水に溶け込む有害物質:鉛、アスベスト、ビスフェノール

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日本の水道水は世界一安全といわれています。それは、もともとの水がきれいということと、塩素消毒が徹底している結果だと思います。

しかし、それでも殺菌できない菌や、水道水として出てくるまでに入り込んでしまう有害物質があります。そのため、100パーセント安全とは言えません。今回は、その中でも配管から溶け込む有害物質について解説します。

水道の配管から溶け込む有害物質

水は、水道水として出てくるまでに水道管を通ります。実は、その水道管でさまざまな有害物質が溶け込んでしまう可能性があるのです。

その中でも代表的な、鉛、アスベスト、ビスフェノールの3つについて説明します。

・鉛

これは現在、日本で最も大きな問題になっているものです。現在の日本の上水管に鉛管が使われることはありませんが、戦後は多く使用されていました。しかし、実は水道局管轄の上水配管であっても、各家庭の水道メーターの先や、マンションなどの貯水槽の先、個人の所有物の配管などには、現在でも多くの鉛管が使われています。

またそれだけではなく、水道メーターやバルブ、継ぎ手、蛇口などの器具にも鉛が含まれており、ほとんどの家庭の水道水には鉛が溶け込みやすい状態となっています。

鉛管から鉛が溶け出すのは微量のため、水を出しているときは高濃度になることはありません。しかし、水を止めているときは溶け出す量が増え、高濃度になるために注意が必要です。そのため、毎朝放流してから水道水を使うようにした方が、鉛が含まれた水を避けることができます。

鉛の害としては、一番は発がん作用が心配されています。他にも疲労、皮膚蒼白、便秘、貧血、消化管障害、神経系の障害などさまざまな身体症状を引き起こします。とくに胎児や乳幼児では知能指数や発育にも影響するとされており、注意が必要です。

・アスベスト

アスベストは空気中に含まれており、吸い込むと肺気腫になることで有名です。動物実験では血液中にも入ってしまうことがわかっています。

実は1985年まで、水道管にも石綿セメント管としてアスベストが使用されていました。そして、いまでも水道管の3パーセント程度に残っており、水道水中に検出されることがあります。

厚生労働省やWHOの見解では、水道水のアスベストが健康に影響するレベルでないとのことです。また、実際に水道水中のアスベストが健康に影響したという報告もありません。

しかし、逆にまったく影響がないという報告もないため、一応、気にしておく必要はあるかと思います。ちなみにアスベストも発がん性物質です。

・ビスフェノールA

この物質は環境ホルモンの一種であり、最近は精子数減少の原因として疑われている物質でもあります。これは、水道本管の内面に塗られている塗料に含まれています。1980年代までは、コールタールというものが塗られていましたが、発がん性物質であることがわかり、エポキシ樹脂などの樹脂に変更されました。

実は、この樹脂の原材料がビスフェノールAになるのです。そして、これは水道本管だけではなく、「水道メーターから先の給水管」や「貯水槽から先の排水管」にも酸化防止剤としてビスフェノールAが使われています。

この物質は、先ほど述べたような精子数の減少だけでなく、女性ホルモンであるエストロゲンにも作用します。そのため、卵巣機能にも影響を及ぼす可能性があります。しかし、この物質も厚生労働省の見解では、今のところ明確に健康に影響するという証拠はないとのことです。

以上のように、水は水道水として出てくるまでにさまざまな物質が溶け込む可能性があります。それらの物質が、明らかに健康に影響するという証拠はありませんが、可能性が否定されていないのも事実です。

そのため、これらの有害物質を避けるようにすることは、健康を守るために必要なことではないかと思います。あまり心配し過ぎることも問題ですが、まずはこのような事実と可能性があることを知った上で水道水を使うことが大切です。