痛風・高尿酸血症とアディポネクチンの関係性:動脈硬化

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痛風・高尿酸血症は、主に生活習慣が原因となって尿酸値が高くなった状態です。そしてその中でも、肥満は痛風・高尿酸血症を発症させる大きな要因の1つになります。特に、男性に多い「内臓脂肪型肥満」は、尿酸値の上昇と深く関係しています。

また、痛風・高尿酸血症になると、動脈硬化を併発しやすくなります。そして、こうした痛風・高尿酸血症に併発する動脈硬化が、肥満と関係していることが明らかになっています。

さらに、痛風・高尿酸血症で動脈硬化を併発させることには、「アディポネクチン」という物質が関わっています。

そこで今回は、「痛風・高尿酸血症とアディポネクチンの関係性」について解説します。

アディポネクチンとは

脂肪細胞からは、ホルモンのように、体のさまざまな機能を調整する「生理活性物質」と呼ばれるものが分泌されます。そして、その中の1つに「アディポサイトカイン」という物質があります。

アディポサイトカインには、体にとって良い働きをする「アディポネクチン」と、逆に体へ悪影響を与える「TNF-α」「PAI-1」の2つがあります。

前者の善玉であるアディポネクチンは、血管の修復やインスリンの補助、内臓脂肪の燃焼促進といったように、健康にとって欠かせない働きをしています。一方で悪玉であるTNF-αやPAI-1には、血栓を作ったり、インスリンの効きを悪くしたりする作用があります。

健康な状態であれば、善玉であるアディポネクチンと悪玉であるTNF-α、PAI-1は、バランスが保たれています。基本的には、善玉が優位になっているため、悪玉による作用が優位になることはありません。

しかし、肥満となり脂肪細胞が肥大化すると、善玉であるアディポネクチンの分泌が低下して、両者のバランスが崩れてしまいます。

その結果、悪玉であるTNF-αとPAI-1の作用が強くなり、血栓ができやすくなったり、インスリンが効きにくくなったりします。インスリンの働きが悪くなると、血液中にナトリウムが溜まりやすくなるため血圧が高くなり、動脈硬化が起こりやすくなります。

また、アディポネクチンの働きが弱くなることで、血管の損傷が修復されにくくなります。

血管の損傷は、動脈硬化を発症させる大きな要因となります。そのため、高血圧による影響に加えて、さらに動脈硬化を進行させることになります。

痛風・高尿酸血症とアディポネクチンの関係性

痛風・高尿酸血症は、生活習慣が原因で尿酸値が高くなって発症します。特に、食生活の乱れや運動不足によって起こる肥満は、尿酸値の上昇と大きく関係しています。

特に内臓脂肪が蓄積すると、内臓脂肪が代謝される過程で尿酸が合成されるため、尿酸値が高くなります。

そして、内臓脂肪型の肥満は、脂肪細胞からのアディポネクチン分泌を抑制します。つまり、内臓脂肪型肥満が原因で痛風・高尿酸血症を発症している人は、善玉であるアディポネクチンと悪玉のTNF-α、PAI-1のバランスが崩れます。

その結果、血圧や血糖値の上昇、血管修復機能の低下といったような、さまざま問題が重なり動脈硬化を引き起こすことになります。

このように痛風・高尿酸血症の人は、アディポネクチンが低下することが原因で動脈硬化を合併しやすくなります。また、その他にも、痛風・高尿酸血症には、糖尿病や高血圧が伴いやすいとされていますが、そのことにもアディポネクチンの減少が関係しています。

つまり、痛風・高尿酸血症に併発して生じる病気は、内臓脂肪型肥満によって起こるアディポネクチンの減少が原因だといえます

今回述べたように、痛風・高尿酸血症は、動脈硬化や糖尿病、高血圧など、さまざまな病気を併発しやすいです。そして、そうした合併症には、痛風・高尿酸血症の原因となる内臓脂肪型肥満によるアディポネクチンの分泌減少が関係しています。

こうした痛風・高尿酸血症とアディポネクチンの関係性を知ることで、「なぜ通風・高尿酸血症には多くの病気が合併しやすいのか?」ということが理解できるようになります。

またこのことから、痛風・高尿酸血症の合併症を予防するためには、内臓脂肪型肥満を解消することが大切だということがわかります。