アルコールと痛風・高尿酸血症の関係性:ビール、焼酎

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痛風・高尿酸血症は、尿酸値が基準値を超えると診断される病気です。そして尿酸は、「プリン体」を元に作られるため、痛風・高尿酸血症の人は、プリン体を多く含む食品を控えるように指導されます。

プリン体が多く含まれており、痛風・高尿酸血症の人が避けるべきとされる代表的なものに「ビール」があります。ビールには、日本酒の約5倍、ワインの約15倍のプリン体が入っています。

そのため、痛風・高尿酸血症の人は、ビールを避けるべきだといわれます。ただ、ワインや焼酎のようなプリン体をあまり含まないアルコールであれば尿酸値を上げないというわけではありません。どのような種類であっても、アルコールには尿酸値を上げる作用があります。

つまり、痛風・高尿酸血症の人は、アルコール自体を飲み過ぎないようにしなければいけません。

そこで今回は、「アルコールと痛風・高尿酸血症の関係性」について解説します。

アルコールの尿酸への影響

ビールが痛風・高尿酸血症の人にとって、あまり好ましくないことは多くの人が知っていることです。ビールには尿酸の原料となるプリン体を多く含んでいるため、尿酸値を上げやすい食品とされています。

ただ実際には、ビールといったような種類に関係なく、「アルコール」自体に尿酸を上げる働きがあります。

アルコールは体内に入ると、全身の代謝を促進します。体内では、肝臓でプリン体が分解されると尿酸が産生されます。

そして、アルコールを飲むと肝臓の代謝が促進して尿酸の合成を促します。またさらに、アルコールを解毒化する過程で「乳酸」と呼ばれる疲労物質が発生します。アルコールから作られた乳酸は、腎臓に作用して尿酸の排泄を抑制します。

このようにアルコールは、尿酸の合成量を増やすだけではなく、尿酸の排泄量を低下させることで尿酸値を高くします。

当然、プリン体を多く含むビールには、焼酎やワインよりも尿酸値を高める作用があります。さらにビールには、利尿作用があるため尿の排泄量が増えます。

中には、こうしたビールの利尿作用によって「ビールを飲むと尿酸の排泄が促されるから尿酸値が下がる」と考える人もいます。しかし実際には、ビールによる利尿は、体内に必要な水分まで奪ってしまうため、脱水状態を引き起こします。

その結果、尿酸を尿中に溶かしきることができず、尿酸値が上がることになります。

このようにビールは、アルコールの中でも「プリン体を多く含む」「利尿作用がある」という点で、より尿酸値を上げやすいものだといえます。

アルコールは肥満を招く

ビールだけではなく、アルコール自体が尿酸値を上げる作用を持っています。そのため、どのような種類であっても、アルコールを摂取すると尿酸値は上昇しやすくなります。

またアルコールは、尿酸値を上げる大きな原因である肥満を招きます。

特に内臓脂肪型の肥満になると、体内に蓄積された内臓脂肪が原料となって、尿酸の合成量が多くなります。そのため、肥満は尿酸値を高くする原因になります。

多くの人が意識していませんが、アルコールには「食欲増進効果」があります。

このように、アルコールに食欲を高める効果があると聞くと、「確かにアルコールを飲むときは食べ過ぎている……」と思う人が多いはずです。

特に、アルコールを日常的に飲んでいる人は、味の濃い高カロリーの食品をつまみにして毎日食べているため、太りやすくなります。

確かにアルコールには、リラックス効果など、健康に対してさまざまな好影響を与えます。しかし、適量を超えて飲みすぎると、肥満を招くことになり、結果的に尿酸値を高めることにつながります。

ちなみにアルコールの適量とは、日本酒なら1合、ワインはグラス2杯以内になります。そして、週2日以上の休肝日を作ることが大切です。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症というと、「ビールを飲んではいけない」と思っている人が多いです。確かにビールは、アルコールの中でも尿酸値を高くしやすいものですが、焼酎やワインであっても尿酸値を上昇させます。

そのため、尿酸値が気になる人は、極力アルコールの摂取を控えることが大切です。そして、飲酒するにしても、適量を守って休肝日を作りながらアルコールを楽しむことが重要です。