アルコールは尿酸値を高めて痛風・高尿酸血症の原因となる

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痛風・高尿酸血症は、尿酸値が上昇することで起こる病気です。これは、中高年男性に多く発症することで有名ですが、30代で高尿酸血症と診断される人も少なくありません。

一般的に、痛風・高尿酸血症というと、ビールやレバーといったような「プリン体」を多く含む食品を食べすぎることが原因だと考えられています。プリン体は、尿酸の原料となる物質であり、体内での産生量が増えると、それに伴って尿酸の合成量も多くなります。

ただ実際には、食事から摂取した物によって作られるプリン体は、体内に存在するプリン体全体の20パーセントしか関係していません。つまり、残りの80パーセントのプリン体は、食事以外の要因によって合成されています。

そのため、食事によってプリン体が多く含まれる食品を摂取することは、尿酸値を上げる主な要因とはいえません。

そして、尿酸値を高める1つの要因として「アルコール」が挙げられます。ビールはプリン体を多く含むことで有名ですが、ビールだけではなくアルコール全てが尿酸値を上げる原因になります。

そこで今回は、「アルコールが尿酸値を高めるメカニズム」について解説します。

尿酸値の調整メカニズム

尿酸は、体内にあるプリン体を原料として合成されます。そのため、体内のプリン体量が多くなると、結果的に尿酸値は高くなります。

体内のプリン体は、20パーセントが食事から摂取されたものであり、残りの80パーセントは体内で作られたものです。そして、体内に存在するプリン体は、肝臓で代謝されて尿酸となります。

また、肝臓で合成された尿酸は、基本的に一定量が体内に保持されています。具体的には、体内には常に約1200ミリグラムの尿酸が存在しています。

もし過剰に尿酸が合成されて、体内の尿酸量が1200ミリグラムを越えるような状況になった場合には、尿や便として尿酸が排泄されます。通常、1日に700ミリグラムの新しい尿酸が作られて、同じ量である700ミリグラムの古い尿酸が排出されることで、体内の尿酸値はバランスを維持しています。

そのため、尿酸値が高くなるのは、「肝臓での合成量が過剰になる」もしくは「尿や便からの排泄量が少なくなった場合」のみです

このように、尿酸の合成と排泄のバランスが崩れてしまうと、体内における尿酸量が過剰となり、尿酸値が高くなります。その結果、痛風・高尿酸血症を発症することになります。

アルコールによる尿酸値上昇のメカニズム

体内において、尿酸の合成と排泄がバランス良く行われている限りは、尿酸値が高くなることはありません。ただ、このバランスが崩れてしまうと、尿酸値は上がってしまいます。

アルコールには、こうした尿酸の合成と排泄のバランスを崩す作用があります。アルコールが尿酸に与える影響には、主に以下の4つが挙げられます。

・プリン体の過剰摂取

酒類には、プリン体が多く含まれているものがあります。また、酒のつまみにはプリン体が豊富に入っているものが多いです。そのため、アルコールを摂取すると、どうしてもプリン体の摂取量が増えてしまいます。

確かに、食事から摂るプリン体は、体内のプリン体全体における20パーセントしか関係していません。ただ、そうはいってもあまりに過剰に摂りすぎると尿酸値の上昇につながります。

・尿酸合成の促進

アルコールには、肝臓における尿酸合成を促す作用があります。そのため、アルコールを過剰に飲みすぎると、尿酸値が高くなります。

・尿酸の濃縮

アルコールには、高い利尿作用があります。利尿作用とは、尿の排泄を促す作用のことをいいます。

アルコールの摂取によって尿の回数が多くなった結果、体内の水分が少なくなるため、尿酸が濃縮されることになります。そうなると、尿酸値が高まることになります。

・尿酸の排泄阻害

アルコールは、体内にとって毒であるため、無害な物質に分解(代謝)されます。その過程では、「乳酸」などの代謝産物が作られることになります。

そして乳酸などの代謝産物には、腎臓の働きを阻害して、尿酸の排泄量を少なくする作用があります。その結果、体内に蓄積される尿酸量が増えて、尿酸値が上がります。

このように、アルコールには、尿酸の合成量を増やすだけでなく、尿酸の排泄を阻害する作用もあります。

今回述べたように、尿酸値は尿酸の合成と排泄のバランスによって変化します。そしてアルコールは、尿酸の合成を促す上にその排泄を阻害します。アルコールの摂取は、こうしたメカニズムによって尿酸値を上げることにつながります。