痛風・高尿酸血症と併発しやすい病気:糖尿病

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痛風・高尿酸血症は、痛風発作や尿路結石、腎不全など、さまざまな合併症を発症することで知られている病気です。尿酸値が高いこと自体は、ほとんど症状を出現させることがないため、生活に大きな支障を与えることはありません。

しかし、痛風発作や尿路結石などの合併症が発症すると、疼痛(とうつう)などで日常生活に大きな悪影響を与えることになります。

また痛風・高尿酸血症は、合併症ではありませんが、一緒に伴って患いやすい病気が多くあります。そして、そのような疾患の1つに糖尿病があります。

そのため、痛風・高尿酸血症を治療する上で、糖尿病について学んでおくことは非常に重要になります。

そこで今回は、「痛風・高尿酸血症と糖尿病の関係性」について解説します。

糖尿病は代謝異常疾患

痛風・高尿酸血症は、尿酸の合成が多かったり排泄が上手くいかなかったりして、尿酸値が上昇する代謝異常疾患です。そして、糖尿病も同じように、糖の取り込みや利用が障害されて血糖値が高くなる代謝異常疾患になります。

このように、痛風・高尿酸血症と糖尿病は、ともに代謝が障害されて起こる病気です。またどちらも、食生活に乱れや運動不足といった生活習慣の崩れによる「内臓脂肪型肥満」が原因となって発症します。

実際には、痛風・高尿酸血症の人で、糖尿病と診断されている人は多くありません。しかし、痛風・高尿酸血症の20~50パーセントの人には、「耐糖能異常」と呼ばれる状態になっていることがわかっています。

耐糖能異常とは、糖尿病が発症する一歩手前の状態である、「糖尿病予備軍」といえます。つまり、痛風・高尿酸血症の人では、約半数近くが尿酸だけでなく糖の代謝異常も生じています。

このように、痛風・高尿酸血症と糖尿病には、「生活習慣が原因で生じる内臓脂肪型肥満がきっかけとなって起こる代謝異常疾患」という共通点があります。

痛風・高尿酸血症の人が糖尿病を予防するための治療

糖尿病や耐糖能異常は、血糖値(血液中の糖分量)を調整する「インスリン」というホルモンが不足するか、その働きが悪くなることで起こります。そして、糖尿病になると、全身に「動脈硬化」が起こり、さまざまな病気を発症しやすくなります。

例えば、糖尿病が原因で目の血管に動脈硬化が起こると、「糖尿病性網膜症」を発症し、目が見えなくなります。また、神経を栄養している動脈が硬化すると、痺れなどの症状が出現します。

さらに、腎臓に動脈硬化が起こると、腎不全となり、最終的には「人工透析」を行わなければいけなくなります。

このように糖尿病になると、痛風・高尿酸血症の合併症に加え、さらにさまざまな病気が併発することになります。そうしたことを避けるためにも、痛風・高尿酸血症の人は、必ず糖尿病の発症を防ぐことが大切です。

そして、痛風・高尿酸血症の人が糖尿病を予防するためのポイントは「食事」と「運動」です。食生活と運動習慣を見直すことで、糖代謝の異常を防ぐことができ、糖尿病を予防できます。

具体的な糖尿病を予防するための食事と運動のポイントを以下に記します。

・食事

カロリーを摂りすぎずに、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけてください。特に炭水化物など、糖質を多く含む食品は、血糖値を上げるだけでなく、肥満を招く原因になるため極力さけるようにします。

また、朝・昼・晩と規則正しい食事をするように意識してください。

・運動

運動を行うことは、血糖の調整機能を正常に保つために欠かせません。また運動には、痛風・高尿酸血症と糖尿病の原因となる内臓脂肪型の肥満を予防する効果もあります。

糖尿病を予防するための運動は、ハードな運動ではなく、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的です。そして、有酸素運動を1日30分程度、週に2~3回継続して行うことで、血糖のコントロール不良と肥満を予防することができます。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症と糖尿病には、「肥満を原因とした代謝異常疾患」という共通点があります。また、痛風・高尿酸血症に糖尿病を併発してしまうと、さまざまな合併症を患うことになります。

そうしたことを避けるためにも、特に痛風・高尿酸血症の人は食事と運動を意識して生活することが大切です。