合併症がある痛風・高尿酸血症の人における注意点

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痛風・高尿酸血症に限らず、病気は発症してから治療するのではなく、発症前に防ぐことが大切です。何の疾患であっても、一度患ってしまうと、予防に比べて、非常に治療が難しくなることが多いです。

ただ、ほとんどの場合は、予防ではなく病気を発症した後に病院で治療を受けることになります。

特に、痛風・高尿酸血症は、合併症が生じるまで無症状であることが多いため、気づかずに病態が進行している人が少なくありません。そうした際には、病気を予防すること以上に、治療を慎重に進めていくことが大切です。

痛風・高尿酸血症で合併症を患っているにも関わらず、予防する人と同じような治療を行っていると、危険な状態を招く可能性があります。

そうしたことを避けるためにも、痛風・高尿酸血症で合併症を持っている場合の注意点をしっかりと把握しておくことが大切です。

そこで今回は、「合併症がある痛風・高尿酸血症の人における注意点」について解説します。

予防と治療の類似点と相違点

痛風・高尿酸血症に限らず、病気の予防と治療は、非常に類似していることが多いです。

基本的に疾患には、病気が発生するまでのプロセスがあります。予防では、そうした病気が起こるまでの過程を防ぐために必要なことを行います。

例えば、高血圧が「ストレス → 自律神経のバランスが崩れる → 血管が収縮する → 血圧が上がる」という流れで発症するとします。この場合、高血圧を予防するために、「ストレスを除去する」「自律神経を整える」「血管を広げる」といったように、血圧が高くなるまでのプロセスを防ぐように働きかけます。

そして、根本的原因(ここでいうストレス)により近いところで悪化プロセスを防ぐと、さらに効果的に疾患を予防することができます。

ただ実際には、病気が発症した後の治療も、予防と同じように疾患が発生するプロセスを防ぐことで、結果的に病気を治療します。しかし、発症した病気に対する治療は、予防と比較してより症状に近いプロセスに対して働きかけます。

同じように高血圧の例でいうと、予防は「ストレスコントロール」や「自律神経の調整」ということに対してアプローチします。一方で治療は、「血管が収縮 → 高血圧」という問題に対して、「血管を拡張する薬を処方する」というように、表面的に現れている症状を押さえつけるような治療が選択される傾向にあります。

これは、病気が発症してしまっている場合には、とにかく今起こっている状況を抑える必要があるためです。こうした理由から、治療では対処的な方法が選択されます

そのため病気が発症した後は、既に現れている症状に対しても注意しながら治療を進めていく必要があります。

痛風・高尿酸血症で合併症がある人の注意点

病気を治療する際には、既に症状が出ている人は、さまざまなことを考慮しながら治療を進める必要があります。そして、痛風・高尿酸血症で合併症を併発している人は、特に治療の際はさらに注意しなければいけません。

基本的に、痛風・高尿酸血症を解消するためには、運動習慣や食事といった生活習慣を見直すことが大切になります。そのため、治療の中心は生活習慣の改善になります。

ただ、痛風・高尿酸血症の人でも、合併症によっては、そうした生活習慣を変える際にも注意しなければいけないことがあります。

特に、「運動」と「水分補給」には、十分注意するようにしてください。

・運動

痛風・高尿酸血症の予防、治療には、運動習慣を見直すことが欠かせません。定期的な運動は、尿酸値を上げる原因となる肥満を解消します。

ただ、痛風・高尿酸血症の人でも、心臓病や高血圧、動脈硬化、脳梗塞などの心血管系疾患を合併している人は、運動には十分注意しなければいけません。こうした合併症を患っている人は、軽い運動であっても、併発している病気を悪化させてしまう可能性があります。

そのため、痛風・高尿酸血症で合併症がある場合に運動療法を行う人は、事前に担当医に確認した上で適切な運動をするようにしてください。

・水分補給

尿酸値を下げるために、水分補給を行うことは大切です。十分に水分を摂取することで、尿酸の排泄が促されるため、尿酸値を低下させることができます。

ただ、痛風・高尿酸血症の合併症としてよく知られている「腎臓病を患っている場合には、水分摂取に注意しなければいけません。腎臓病によって上手く腎臓が働いていない状態で水分を過剰に摂ると、腎臓病を悪化させることにつながります。

そのため、腎臓機能が低下している人は、事前に適切な水分量を把握した上で、日々の水分補給を行うようにすることが大切です。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症に限らず、病気を予防することと治療することには、類似している点が多くあります。ただ、すでに病気が発症して症状が出ている場合には、予防以上に注意して治療を進めていく必要があります。

特に、痛風・高尿酸血症では、予防・治療に欠かせない運動や水分補給に関しては、併発している合併症を十分考慮した上で行うことが大切です。

そうすることで、合併症を悪化させること無く、安全に治療を進めることができます。