痛風・高尿酸血症の原因と合併症を知り予防・対策につなげる

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痛風は、日本人の多くが悩まされている生活習慣病の1つです。痛風まで進行していない「痛風予備軍」と呼ばれる「高尿酸血症」の患者まで合わせると、日本でも900万人近くの人が痛風と高尿酸血症に悩まされています。

そして、このことについて最も心配すべき点は、若年層で痛風・高尿酸血症に悩まされている人が年々増えていることです。

昔は痛風・高尿酸血症というと、40~50歳代のいわゆる中高年と呼ばれる人たちに起こる病気でした。しかし、痛風・高尿酸血症にかかる人の年齢層は下がってきており、20~30歳代で発症する人も少なくありません。

このように、痛風・高尿酸血症は誰もが発症する可能性がある病気です。また、高尿酸血症になると、さまざまな合併症を引き起こすことにつながり、あなたの生活に大きな影響を与えることになります。

こうしたことを防ぐためにも、痛風・高尿酸血症に対する正しい知識を持って、あなた自身が予防・対策を行うことが大切です。

そこで今回は、「痛風・高尿酸血症の原因と合併症」について解説します。

痛風・高尿酸血症の原因

痛風は、紀元前から知られている古い病気です。しかし、昔は痛風の原因がわかっていなかったため、痛風によって起こる関節の激痛に耐えるしかありませんでした。また、痛風によって「尿毒症」という重篤な病気につながり、命を落とす人も少なくありませんでした。

そうした中、現在では痛風の原因は「尿酸の代謝異常」ということが明らかになり、痛風・高尿酸血症に対する治療法は確立されています。

尿酸とは、「プリン体」を原料に作られる老廃物です。尿酸値は、常に体の中で尿酸の産生と排泄が一定の割合で行われることで、一定の範囲内に維持されています。

そして、何らかの原因で血液中の尿酸値が高くなってしまう(尿酸の代謝異常)と、痛風・高尿酸血症となります。

一般的に尿酸値は、ビールやレバーなどのプリン体を多く含む食品を過剰に食べることで高くなると考えられています。しかし実際には、食べ物のプリン体から作られる尿酸は全体の約20パーセントであり、残りの80パーセントは食事と関係なく産生されます。

そして、尿酸の多くは過剰な「内臓脂肪」によって作られます。尿酸には、食事に含まれるプリン体からではなく、内臓脂肪を材料として産生されるメカニズムがあります。

そのため、食事でいくらプリン体の摂取量を制限しても、内臓脂肪が多くなると、尿酸値は高くなります。

このように、一般的に尿酸値が高くなる原因は食事にあると考えられていますが、実際には、生活習慣などによって作られる内臓脂肪が問題である可能性が高いということを理解しておいてください。

4大合併症

痛風・高尿酸血症は、体内で尿酸の産生が多くなるか排泄が上手くいかずに、血液中の尿酸量が増えることで発症します。そして、尿酸値が高くなるのは、ほとんどが内臓脂肪の蓄積といったような食事以外の要因です。

こうして尿酸値が高くなると、高尿酸血症と診断されることになります。ただ、高尿酸血症は尿酸値が上がるだけでは、特に自覚症状は起こりません。高尿酸血症は、その状態を放置することで起こる合併症によって、さまざまな症状が出現します。

そして、高尿酸血症の合併症として代表的なものには、大きく分けて「腎障害」「尿路結石」「痛風結節」「痛風発作」の4つが挙げられます。

・腎障害

血液中で増えた尿酸が、腎臓に溜まることで腎臓の機能を悪くします。腎障害の状態が悪化すると、最終的には腎不全となり「人工透析」が必要になることもあります。

・尿路結石

尿路結石とは、尿酸が尿管や膀胱などに蓄積することで結石を作った状態をいいます。いわゆる「石ができた」と呼ばれる状態であり、この石が動くときに激痛が生じます。

また、石によって尿の流れが障害されてしまうことで、尿によって腎臓が腫れる「水腎症」と呼ばれる状態になることもあります。

・痛風結石

痛風結節とは、尿酸が皮膚の下に溜まって「こぶ状」の硬い結節ができた状態をいいます。足や肘、指などにできることが多く、痛みを伴わないことが少なくありません。

・痛風発作

痛風発作とは、一般的に知られる通風の主な症状であり、関節に激痛が走る状態を指します。痛風発作が起こるのは、70パーセント以上が足の親指の付け根部分であり、ちょっとした刺激で激痛が起こります。

このように、高尿酸血症になると、さまざまな合併症を生じることで、あなたの生活に支障をきたすことにつながります。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症は、プリン体の多い食事ではなく、過剰な内臓脂肪などが原因であることが多いです。そのため、痛風・高尿酸血症は生活習慣病の一種だといえます。

そして、痛風・高尿酸血症を放置することで、「腎障害」「尿路結石」「痛風結石」「痛風発作」といったような重篤な合併症を引き起こすことになります。そうならないためにも、痛風・高尿酸血症に対する予防と、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。