痛風・高尿酸血症を診断するための基本検査

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痛風・高尿酸血症は、中高年男性の多くが悩まされている病気です。尿酸値が基準値を超えると、「高尿酸血症」という診断を受けます。ただ、尿酸値が基準値以上となっても、全く症状が出現しない人がほとんどです。

そのため、尿酸値が高くなっていても、気づかずに放置してしまう人は少なくありません。そして、会社での健康診断などで初めて尿酸値が高いことを指摘されます。

また、尿酸値が基準値を超えていることを知っても、無症状であるために、何も対処しない人が多くいます。しかし、こうした無症候性高尿酸血症は、放置しておくと数年後にさまざまな合併症を発症することにつながります。

そうしたことを避けるためにも、痛風高尿酸血症は、早期に発見して適切な対処を行うことが大切です。

そこで今回は、診断に関わる「高尿酸血症の基本的な検査」について解説します。

血液検査

痛風・高尿酸血症の検査は、「高尿酸血症の疑いがある人」と「すでに痛風発作が起こっている人」では大きく内容が異なります。ここでは、明らかな症状はなく、健康診断などで尿酸値の異常が指摘された場合に行う検査について述べます。

健康診断などで高尿酸血症が疑われた場合には、基本的に「血液検査」と「尿検査」の2つを行います。

血液検査では、「血清尿酸値」と呼ばれる、血液中に含まれる尿酸の量を測定します。血清尿酸値は、1dL辺りに含まれる尿酸量(㎎)が数値で示されます。血液検査を行ったときに、血清尿酸値が7.0㎎/dLを超えていると、高尿酸血症と診断されます。

ただ、このときに注意しなければいけないことは、「血清尿酸値はさまざまな要因によって変動する」ということです。

例えば、年齢や性別、検査当日の体調などによって血清尿酸値は変わります。また、アルコールを飲んだ次の日や、仕事でストレスが続いた後、過剰な運動をした翌日などには、血清尿酸値が高くなります。

その他にも、炎症を抑える作用のある「アスピリン」や利尿薬は、尿酸値を変動させる要因になります。

こうしたことを考慮した上で、血清尿酸値の測定は、同じ時間で数回測ることが大切です。そして、それらの平均が7.0㎎/dLを超えた場合には、高尿酸血症と診断されることになります。

また、血液検査では「クレアチニン・クリアランス(Ccr)」の値を調べることで、高尿酸血症のタイプを判別することができます。

クレアチニン・クリアランスとは、血液中のクレアチニン濃度を測定したものです。クレアチニンとは、筋肉活動のときに生じる老廃物だと考えてください。

クレアチニンは通常、一定以上の値になると腎臓から排泄されます。ただ、腎臓の機能が落ちると老廃物であるクレアチニンを排出しにくくなるため、血液中にクレアチンが溜まるようになります。

そのため、クレアチニン・クリアランスが基準値を超えている場合には、腎臓の排泄機能に問題があることが疑われます。そして、尿酸値が上昇する原因の1つとして、「腎臓からの尿酸排泄低下」があります。

つまり、血清尿酸値が高く、さらにクレアチニン・クリアランス値も基準値を超えている場合には、「腎臓からの排泄機能が低下していることで、尿酸値が高くなっているタイプ」ということが予測されます。

ちなみに血清クレアチニン(血液中のクレアチニン)の基準値は、男性で0.5~1.1㎎/dL、女性で0.4~0.8㎎/dLとなっています。

尿検査

高尿酸血症を診断するためには、血液検査を行い、血清尿酸値が基準値を超えているかを確認する必要があります。また、高尿酸血症のタイプを知るためには、血清クレアチニン値を調べなければいけません。

そして、高尿酸血症のタイプを調べる検査には、血液検査以外にも尿検査があります。

尿検査では、主に「尿酸クリアランス値」が調べられます。

尿酸クリアランス値とは、「血液中の尿酸がどれくらい尿中に排泄されているか」ということを示す値です。

そして、尿酸クリアランス値が低い場合には、腎臓による尿酸の排泄が適切に行われていないことが疑われます。一方で、尿酸クリアランス値が正常であるにもかかわらず、血清尿酸値が基準値を超えている場合には、体内で過剰に尿酸が産生されているタイプである可能性が高いといえます。

また、尿酸クリアランス値を測定するときには、尿中にある尿酸の排泄量を測ります。そして、尿酸の排泄量が基準値以上である場合にも、尿酸の産生が過剰になっていることを疑います。

つまり、尿酸排泄量と尿酸クリアランス値の両方が基準値以上であれば、尿酸の排出自体は正常であるにも関わらず、高尿酸血症になっているといえます。この場合、単に体内で尿酸がたくさん作られていることを疑えば良いため、「尿酸産生過剰タイプ」と判断できます。

また、尿酸排泄量か尿酸クリアランス値のどちらかが基準値未満であれば、尿酸排泄の機能が低下しているため「尿酸排泄低下タイプ」となります。

一方、尿酸排泄量が基準値以上で尿酸クリアランス値が基準値未満であれば、ザックリと体内での尿酸産生が多く、尿酸排泄も滞っていると考えてください。これを「混合タイプ」といいます。

このように、高尿酸血症に対する検査では、血液検査だけではなく尿検査も併せて行うことで、高尿酸血症のタイプを調べることができます。

今回述べたように、高尿酸血症に対する基本的な検査では、「血液検査」と「尿検査」の2つが行われます。そして、どちらか片方だけでなく両方の検査を行うことで、高尿酸血症の診断だけではなく病気のタイプを知ることができます。

高尿酸血症の検査では、このように血液検査と尿検査を組み合わせることで、「病気の状態をより詳しく調べる」という意味があることを知っておいてください。