尿酸値を下げる薬について学び、痛風・高尿酸血症の治療に生かす

kusuri

体調が悪くて病院を受診すると、ほとんどの場合で薬が処方されます。こうした薬物療法は、病気の治療に欠かせないものの1つだといえます。そして、痛風・高尿酸血症に関しても、薬の使用は重要な治療法になります。

痛風・高尿酸血症は、尿酸値が高くなることで発症する病気です。尿酸値が基準値を超えた結果、尿酸が結晶化して関節や腎臓などに蓄積します。すると、激痛を発することで有名な「痛風発作」や「腎臓結石」といった合併症を引き起こすことになります。

そのため、痛風・高尿酸血症に対する薬物療法の主な目的は、尿酸値を下げることにあります。そして、尿酸値を低下させる方法には2つのメカニズムがあるため、痛風・高尿酸血症に対して使用する薬剤も2種類存在します。

そこで今回は、「尿酸値を下げる薬」について解説します。

尿酸の合成を抑える薬

痛風・高尿酸血症に対する薬物療法の目的は、尿酸値を下げることにあります。そして、尿酸値を下げる方法について理解するためには、まず「尿酸値が高くなるメカニズム」を知っておく必要があります。

尿酸値は、「尿酸の合成量が多くなる」もしくは「尿酸の排泄量が少なくなる」のどちらかの状態になると高くなります。つまり、尿酸が過剰に作られすぎていたり、排泄しなければいけない分が上手く排出されなかったりすると尿酸値は高くなります。

そのため、尿酸値を下げる薬に関しても、この2つの状態に対して効果を発揮する薬剤を使う必要があります。

具体的には、尿酸が過剰に作られている状態であれば「尿酸生成抑制薬」が効果的です。尿酸生成抑制薬は、肝臓での尿酸合成に働きかけて、尿酸の合成を抑える作用があります。

尿酸生成抑制薬には、「アロブリノール(ザイロリック)」「フェブキソスタット(フェブリク)」「トピロキソスタット(トピロリック)」の3つがあります。

アロプリノールは、血液中だけではなく、尿中の尿酸値を下げる作用があるため、尿路結石の予防にも有効です。ただ、アロプリノールは腎臓の機能が低下している人には、その使用量を注意しなければいけません。

一方でフェブキソスタットとトピロキソスタットは、アロプリノールと比較すると新しい薬剤であり、そこまで腎臓の機能に注意しなくても問題がない薬です。

この3つは、体内での尿酸合成量が過剰になっている人に対して有効な薬です。

尿酸の排泄を促進する薬

尿酸値が上昇する原因には、尿酸の合成量が過剰になってしまう場合と、尿酸の排泄が上手くいかないケースがあります。これらのうち、尿酸の産生量が増えて尿酸値が高くなっている人に対しては、尿酸生成抑制薬が有効です。

一方で、尿酸の排泄に問題があって尿酸値が上昇している人には、「尿酸排泄促進薬」を使用する必要があります。尿酸排泄促進薬は、腎臓に働きかけて尿からの尿酸排出を促します。

尿酸排泄促進薬には、「プロベネシド(ベネシット)」「ブコローム(パラミヂン)」「ベンズブロマン(ユリノーム)」の3つがあります。

この中でも、最も古くから使用されているのがプロベネシドです。ただプロベネシドは、他の薬と一緒に服用することで、さまざまな悪影響が出現する可能性があります。そのため、他の病気を治療している場合には、このことについて十分に注意しなければいけません。

またベンズブロマロンは、3つの尿酸排泄促進薬の中で最も作用が強力なものです。そしてその強力さゆえに、肝臓や腎臓の機能が悪い人には使用することができません。

一方でプコロームは、胃腸障害などが出ることもありますが、比較的に副作用が少ない薬剤です。

以上の3つは、尿酸の排泄が上手くいかずに尿酸値が上昇している人には有効な薬です。ただ、尿酸排泄促進薬は、腎臓や膀胱、尿道などに尿酸結石ができやすくなるというデメリットがあることを理解しておいてください。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症に対する薬物療法は、尿酸値が高くなっている原因が「尿酸の合成が過剰になっている」「尿酸の排泄が上手くいっていない」のどちらかによって、使用される薬剤が異なります。

具体的には、尿酸が過剰に作られている人に対しては「尿酸生成抑制薬」、尿酸の排泄が悪くなっている人に対しては「尿酸排泄促進薬」が効果的です。

ただ、それぞれの薬剤にはさまざまな特徴があるため、そうした薬の特性を理解した上で薬物療法を受けことが大切です。これにより、効果的に治療を受けることができるようになります。