痛風・高尿酸血症と心臓病、脳梗塞の関係性

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痛風・高尿酸血症は、足の指などに激痛が生じる「痛風発作」が起こる病気として知られています。そうした痛風発作は、非常に強い痛みであり、歩くことができなくなるなど、日常生活に支障を来たすほどの問題になることが少なくありません。

ただ、痛風・高尿酸血症で起こる問題は痛風発作だけではありません。痛風・高尿酸血症における本当の怖さは、痛風発作だけではなく、その合併症にあります。

痛風・高尿酸血症では、さまざまな病気が併発しやすくなります。そしてそれらの疾患の中には、命に関わるような疾病がたくさんあります。

そのため、痛風・高尿酸血症について学ぶ際には、痛風・高尿酸血症に併発して起こりやすい病気を理解しておくことが大切です。そうすることで、合併して起こる病気の発症や進行を予防することにつなげることができます。

そこで今回は、「痛風・高尿酸血症と心臓病、脳梗塞の関係性」について解説します。

心臓病と脳梗塞の原因

心臓病と脳梗塞は、日本人における死亡率が高い疾患トップ3の中で悪性新生物(がん)に続いて、それぞれ2位(心臓病)と3位(脳血管疾患)に位置しています。

日本では、以前と比較して悪性新生物(がん)による死亡者数が増加しています。その一方で、心臓病と脳梗塞によって命を落とす人も少なくありません。

そして、心臓病と脳梗塞の発症に最も関係している因子が「動脈硬化」です。動脈硬化とは、血管の壁に脂肪(コレステロール)などが付着することで、血管が厚くなって硬くなっている状態です。

動脈硬化になると、血管が硬くなるため血液の流れが悪くなります。そうなると、心臓は通常以上の力で血液を送り出そうとするため、血管に強い負担がかかります。また、血管が狭くなるため、血液の塊などが血管に詰まってしまうことがあります。

そうした動脈硬化が心臓や脳で起こると、心臓病や脳梗塞を発症することになります。

またその他にも、動脈硬化が関係している病気には以下のような疾患が挙げられます。

・高血圧

・腎臓病

・閉塞性動脈硬化症

・大動脈瘤

さらに動脈硬化は、こうした危険性の高い病気だけでなく、「冷え症」や「痺れ」「肩こり」「頭痛」など、普段感じるちょっとした体の不調にも関係しています。

尿酸値と心臓病、脳梗塞の関係性

動脈硬化症になると、心臓病や脳梗塞、高血圧、腎臓病など、さまざまな病気を引き起こしやすくなります。そのため、動脈硬化症は、体の健康を維持するためには必ず防ぐべき疾患だといえます。

そして、動脈硬化症を発症する危険因子の1つとして、痛風・高尿酸血症があります。

痛風・高尿酸血症では、尿酸値が高くなります。また、尿酸値が基準値を超えている人は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などを合併しやすくなることが明らかになっています。

そしてこうした病気の発症が、動脈硬化のリスク(危険性)を高めることにつながります。つまり、痛風・高尿酸血症は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などを併発することで、動脈硬化を起こしやすくなるといえます。

またそうした合併症に関わらず、尿酸値が高いこと自体が動脈硬化を発症する危険性を高めることがわかっています。

尿酸値を上げる大きな要因として、「内臓脂肪型肥満」があります。内臓脂肪型肥満とは、お尻や二の腕といった皮下脂肪が蓄積するのではなく、内臓周りであるお腹周りに脂肪が溜まっている状態を指します。

内臓脂肪型肥満になると、尿酸値が高くなり、痛風・高尿酸血症を発症することになります。また、こうした内臓脂肪は、脂肪から分泌される「アディポネクチン」という物質を少なくすることがわかっています。

アディポネクチンには、動脈の壁に脂肪などが付くことを抑制する働きがあります。つまり、動脈硬化の進行を防ぐ役割があります。

そのため、内臓脂肪型肥満を伴った痛風・高尿酸血症の人は、アディポネクチンの分泌が低下することで、動脈硬化が生じやすくなります。その結果、心臓病、脳梗塞を発症するリスクが高くなります。

このように痛風・高尿酸血症は、過剰な内臓脂肪によるアディポネクチンの分泌低下から動脈硬化が起こるため、心臓病、脳梗塞を合併しやすくなります。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症は内臓脂肪型肥満を伴いやすく、内臓脂肪が過剰に蓄積すると動脈硬化を生じやすくなります。そして動脈硬化は、心臓病や脳梗塞の発症を促す大きな要因です。

つまり、痛風・高尿酸血症を発症すると、「痛風・高尿酸血症 → 内臓脂肪型肥満 → アディポネクチンの分泌低下 → 動脈硬化症 → 心筋梗塞、脳梗塞」という流れで、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまう可能性があります。

痛風・高尿酸血症には、心筋梗塞や脳梗塞といった死亡率が高い疾患との強い関係性があることを知っておいてください。