痛風・高尿酸血症の合併症:尿路結石のメカニズムと治療

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痛風・高尿酸血症は、尿酸値が上昇することで発症する病気です。ただ、尿酸値が高くなっても、すぐに体に異常が出現するわけではありません。実際には、尿酸値が上がった状態が続くと、さまざまな症状が現れることになります。

痛風・高尿酸血症で注意しなければいけないことは、こうした、尿酸値の異常によって起こる合併症です。合併症が原因となって、日常生活にさまざまな支障をきたすことになります。

そして、痛風・高尿酸血症で起こる合併症の1つに「尿路結石」があります。尿路結石とは、いわゆる「石が詰まった」と呼ばれる状態のことであり、痛風・高尿酸血症患者の10~20パーセントの人に併発するものです。

こうした尿路結石は、背中に激痛を引き起こす原因となり、痛風・高尿酸血症患者の多くを悩ませている問題となっています。

そこで今回は、「尿路結石のメカニズムと治療」について解説します。

尿路結石のメカニズム

痛風・高尿酸血症の合併症として、尿路結石は有名です。日本の痛風・高尿酸血症患者のうち10~20パーセントの人に、尿路結石が併発しています。

そして尿路結石になると、突然、背中からわき腹にかけて激痛が起こります。こうした尿路結石による痛みは「疝痛(せんつう)発作」といわれます。疝痛発作は、冷や汗や嘔吐を伴うほど痛みが強く、夜間や早朝に急に生じることが多いです。

一般的には、疝痛発作の3~4時間で痛みは落ち着いてきます。また疝痛発作は、発作がおさまると、急に痛みがなくなることが特徴です。

尿路結石とは、腎臓から膀胱に尿を送りこむ「尿路」に結石ができてしまった状態です。結石ができるのは、体内で増えた尿酸が過剰に腎臓へ送られることで、尿酸が上手く処理できなくなってしまうことが原因です。

このように処理できなかった尿酸は、どんどん結晶化されて最終的に結石となります。

尿路結石のほとんどは、腎臓もしくは尿管に起こります。また尿路結石は、結石を作る主成分の違いによって大きく「尿酸結石」と「カルシウム結石」の2つに分類されます。

尿酸結石は尿酸が主成分であり、カルシウム結石はシュウ酸カルシウムやリン酸などを元に作られます。

痛風・高尿酸血症では、尿酸結石とカルシウム結石の両方が併発しやすくなります。そして、どちらであっても、同じように疝痛発作が起こって悩まされることになります。

さらに尿路結石は、結石が尿管を傷つけてしまうと、血尿を引き起こす原因にもなるため注意が必要です。

尿路結石の治療

痛風・高尿酸血症になると、尿路結石を発症しやすくなります。尿酸値が高い人の場合、水分補給が不十分であったり、尿量が減少したりすると、さらに尿路結石が起こりやすくなります。また、尿中による尿酸の排泄が増加したり、尿の酸性度が高くなったりすることも結石のリスクを上げる要因になります。

そして、尿路結石の治療には、結石の発生を予防するものと、できた結石を溶かすものの2つがあります。

・尿路結石を予防する治療

尿路結石ができる原因は、大きく分けて「尿量の低下、水分摂取不足」「尿酸排泄量の増加」「酸性尿」の3つになります。

そのため、それぞれを予防するための対策が、結果的に尿路結石の発生を防ぐことにつながります。

・尿量の低下、水分摂取不足

1日に2リットル程度の水分を摂取するようにします。そして、基本的に水を飲むようにして、アルコールやカフェインは避けるようにしてください。

・尿酸排泄量の増加

尿酸の排泄量が多くなると、尿路に尿酸が流れ込むため結石ができやすくなります。こうした場合には、「尿酸生成抑制薬」という薬を使った治療が有効です。

・酸性尿

尿の酸性度が高くなると、尿酸が尿に溶けにくくなり、結石化しやすくなります。尿の酸性度を下げるためには、肉類などの脂っこい食品を控えて、野菜や海藻などを積極的に摂ることが大切です。

また、「クエン酸製剤」と呼ばれる薬を用いることで、尿酸の酸性度を下げることができます。

・結石を溶かす治療

すでにできてしまった結石を治療する方法には、「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」や「経皮的腎・尿管砕石術(PNL)」「経尿的尿管砕石術(TUL)」と呼ばれる治療が主になります。

体外衝撃波結石破砕術とは、体外から超音波をあてることによって結石を砕く手術です。

それに対して、経皮的腎・尿管粉砕術と経皮的尿管砕石術では、カテーテルと呼ばれる細い専用の管を尿管に入れて結石を砕いたり取り除いたりします。

また、こうした治療ができない場合には、薬で結石を溶かす「結石溶解療法」が選択されることがあります。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症の人は、尿路結石を併発しやすくなります。尿路結石ができると、背中に激痛が生じるだけでなく、血尿が出ることにもつながります。

そうしたことを避けるためにも、尿路結石ができるメカニズムと対処法を理解し、予防することが大切です。