尿酸値を下げるためにはプリン体より糖質の摂取を意識すべき

tousitu

痛風・高尿酸血症は、主に生活習慣の乱れが原因で尿酸値が高くなることで発症する病気です。そして生活習慣の中でも、食事は痛風・高尿酸血症を引き起こす大きな要因として知られています。

特に、ビールやレバーなどに多く含まれる「プリン体」は、尿酸の原料であるため、尿酸値が高い人は過剰に摂取することを避けるようにいわれています。

しかし実際には、食事に含まれるプリン体の量は、体内の尿酸量には大きく関係していないことが明らかになっています。そして、食事に関しては、プリン体よりも糖質の摂取量を意識することが重要になります。

そこで今回は、「尿酸値を下げるために糖質の摂取量を制限すべき理由」について解説します。

糖質は内臓脂肪を蓄積させる

痛風・高尿酸血症を予防・解消するためには、尿酸の原料となるプリン体を多く含む食品の摂取量を制限することが推奨されます。しかし実際には、食事から摂取するプリン体が尿酸値に与える影響は、さほど大きくないことが明らかになっています。

食事に関しては、プリン体の摂取量よりも肥満にならないように注意することが大切です。特に、内臓脂肪を増やすような食事は尿酸値を上げる原因になります。

そして、食事で内臓脂肪の蓄積を増やす一番の原因となるのは、「糖質の過剰摂取」です。

多くの人は「体に余計な脂肪がつくのは、脂肪分が多い食事が原因である」と考えています。しかし実際には、体の脂肪蓄積は脂質ではなく糖質によって促されることになります。

甘いものや炭水化物には、多くの糖質が含まれています。そして、糖質を摂取すると、糖質によって血糖値(血液中の糖質量を表す数値)が上昇します。こうした血糖値が上昇した状態は、体にとって好ましい状況とはいえません。

そのため体は、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンを分泌します。インスリンは、膵臓(すいぞう)で合成されて血糖値を下げる働きがあります。

つまり、血糖値が上昇しても、インスリンが分泌されて適切に働くことで、血糖値は正常範囲まで戻ることになります。

ただ、このようなインスリンには、血糖値を下げる作用だけでなく、体に脂肪を蓄積させる働きがあります。そのため、糖質が多く含まれる食品をたくさん摂取すると、その分だけインスリンが分泌されて、体は脂肪を貯めやすくなります。

また、果物に含まれる「果糖(かとう)」と呼ばれる糖質は、それ自体が脂肪に変わりやすいという性質を持っています。

こうしたメカニズムから、体の内臓脂肪を蓄積させる原因は、食事に含まれる脂肪量よりも糖質量に依存しているといえます。

内臓脂肪は尿酸値を上昇させる

体の脂肪蓄積を促す栄養素は、脂質ではなく主に糖質です。そのため、糖質を過剰に摂取すると、内臓脂肪が蓄積されて肥満になります。そして、内臓脂肪が増えると、結果的に体内の尿酸値は高くなります。

内臓脂肪は、体内で分解されると、血液中に流れ込んで肝臓に送られます。そして肝臓では、そうした内臓脂肪を原料として尿酸を産生します。

そのため、内臓脂肪が蓄積されると、尿酸の合成量が増えるために尿酸値は高くなります。

また内臓脂肪の蓄積は、尿酸の産生量を増やすだけでなく、体内からの尿酸排泄を障害することでも尿酸値を高くします。

糖質を過剰に摂取して内臓脂肪が蓄積されると、「インスリン抵抗性」という状態を引き起こすことになります。インスリン抵抗性とは、「インスリンが体内で効きにくい状態」を指します。

そして、インスリン抵抗性は「腎臓(じんぞう)」の働きを低下させる原因になります。

腎臓には、尿を排泄する働きがあります。体内で合成された尿酸は、必要以上に産生されると、余計な分は尿中に溶け込むことで尿と一緒に排泄されます。

そのため、肥満になってインスリン抵抗性が高くなり、腎臓の機能が悪くなると、結果的に尿酸の排泄量が低下してしまいます。

このように、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、肝臓で合成される尿酸量が多くなるだけでなく、腎臓からの尿酸を排出する能力が悪くなります。その結果、尿酸値が高くなることにつながります。

今回述べたように、痛風・高尿酸血症を予防・解消するためには、食事に含まれるプリン体を制限する人がほとんどです。しかし実際には、尿酸値を下げるためには、プリン体よりも糖質の摂取量を減らすことが大切です。

食事に含まれる糖質を減らすことで肥満を予防・解消し、結果的に尿酸値が低下することになります。