痛風・高尿酸血症と食物繊維の関係性

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痛風・高尿酸血症は、体内の尿酸値が高くなることで発症する病気です。そして、尿酸値が高くなる原因の多くは、生活習慣にあります。またその中でも、食事は尿酸値に大きく影響する因子です。

尿酸値が高くなる原因としては、「プリン体」がよく知られています。プリン体は、尿酸の原料となる物質です。体内でプリン体の量が多くなると、それに伴って尿酸の合成も増えるため、尿酸値が高くなります。

そのため、痛風・高尿酸血症の人は、病院を受診するとプリン体を多く含む食品を避けるように指導されます。

ただ食事に関しては、プリン体を減らす以外にも、さまざまな工夫を行うことで、尿酸値を下げることができます。特に、食物繊維を多く含む食品には、尿酸値の上昇を防ぐ高い効果があります。

そこで今回は、「痛風・高尿酸血症と食物繊維の関係性」について解説します。

食物繊維とプリン体

食物繊維とは、第6の栄養素と呼ばれるものです。具体的には、炭水化物や脂質、タンパク質のように消化して吸収されず、直接排泄される「難消化成分」のことをいいます。

このように、食物繊維は消化・吸収されないため、以前は体にとっては無意味な栄養だと考えられていました。しかし実際には、食物繊維は体の健康にとって欠かせない栄養素だということが明らかになっています。

例えば、便秘に対して食物繊維の摂取が効果的なことは、多くの人が知っていることです。これは、腸で消化されない食物繊維が、腸を刺激することで排便に必要な運動を促す作用を持っているためです。

そして食物繊維は、尿酸の原料であるプリン体の腸内での吸収を妨げる働きがあります。そのため、食物繊維をたくさん摂ることでプリン体の体内への吸収量が少なくなりため、尿酸値が上がりにくくなります。さらに、食物繊維には脂肪の吸収を抑える効果もあるため、肥満も予防します。

その他にも、食物繊維には以下のような働きがあります。

・腸内の有害物質を体外へ排出する

・塩分の吸収を抑える(高血圧予防)

・排便を促し、大腸癌を予防する

このように、食物繊維にはさまざまな健康効果があります。この中でも特に、プリン体と脂肪、塩分の吸収抑制は、痛風・高尿酸血症の人にとっては非常に有益なものになります。

そのため、尿酸値が気になる人は、積極的に食物繊維を摂取するように心がけることが大切です。

野菜の摂取量の目安

食物繊維は、プリン体の吸収を抑えるだけでなく、さまざまな点において痛風・高尿酸血症の人にとって有益な効果をもたらします。そして、食物繊維が多く含まれる食材として、野菜はよく知られているものです。

野菜には、食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルがたくさん含まれています。野菜に多く含まれるビタミンCには、尿酸の排泄作用があります。さらに、野菜には水分が多く含まれているため、尿の排泄量が増えることでも尿酸の排出量が多くなります。

そのため、痛風・高尿酸血症の人は、野菜をできるだけ意識して食べるようにすることが大切です。

ただ、一言で野菜といっても、これらはかぼちゃやブロッコリーなどの「緑黄色野菜」と、キャベツやきゅうりといった「淡黄色野菜」に分けられます。野菜を摂取する際には、量だけでなくこれら2種類のバランスを考えて食べることが重要です。

1日の野菜摂取量は、緑黄色野菜と淡黄色野菜を合わせて350グラム摂るのが理想的です。

そしてその中でも、緑黄色野菜が1/3の120グラム、淡黄色野菜が残りの230グラムというバランスで摂取することをお勧めします。

基本的に野菜は、プリン体をほとんど含んでいません。その上、プリン体を排泄する効果が高いため、痛風・高尿酸血症の人は、できるだけ積極的に野菜を摂取するように意識してください。

そうすることで、尿酸値を効率的に下げることができます。

今回述べたように、食物繊維には、プリン体の体内への吸収を抑える効果があります。また、食物繊維を多く含む野菜には、プリン体の排泄を促す作用を持つものが多くあります。

そのため、尿酸値が気になる人は、積極的に野菜を摂取するようにしてください。具体的には、緑黄色野菜が120グラム、淡黄色野菜が230グラムの合計350グラムを1日で摂ることが理想になります。