痛風発作のメカニズムを知り、適切な対処法について考える

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高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が正常範囲より高くなっている状態を指します。尿酸値というと、「痛風」を思い浮かべる人が多いですが、尿酸値が正常値を超えるとすぐに痛風発作が出現するわけではありません。

通常、尿酸値が基準値を超えても、痛風のような症状は起こりません。尿酸値の基準値は、尿酸が血液中に溶け込むことができないような状態である値を表しています。

そして、痛風発作などの症状は、そうして溶け切れない尿酸が蓄積した結果として起こることになります。

そのため、尿酸値が基準値以上となり高尿酸血症と診断されても、まだ初期段階であれば尿酸の蓄積が少ないため、痛風などの発作は起こりません。

ただ、高尿酸血症の状態を放置しておき、尿酸がどんどん蓄積されると、痛風発作を発症して関節に激痛を生じるようになります。このような痛風発作は、症状が強い上に治りにくく、多くの人が悩まされています。

そして、痛風発作を予防したり、解消したりするためには、痛風発作が起こるメカニズムを理解しておくことが大切だといえます。

そこで今回は、「痛風発作のメカニズム」について解説します。

痛風発作のメカニズム

尿酸値が基準値を超えており、なおかつ高尿酸血症の状態を放置しておくと、尿酸が関節内に蓄積することで痛風発作が起こります。

蓄積した尿酸は「針のように尖った形」をしています。このように説明すると、「尖った先端が関節を刺激して痛みが出ているのか」と考える人がほとんどです。

しかし実際には、このような尖った結晶が直接的に痛風発作の痛みを誘発しているわけではありません。

尿酸が蓄積して尖った結晶ができても、基本的に最初の頃は痛みを感じません。しかし、この結晶が剥がれて関節内に流れ込むと、痛みが発生します。

人の体は、体内にある細胞以外の異物が侵入すると、体外に排泄しようとして攻撃をする性質があります。いわゆる「免疫反応」というものであり、そうすることで、体を異物から守っています。

そして、そうした免疫反応が起こると、異物を除去する過程で「生理活性物質」と呼ばれる痛みを誘発するような物質が放出されます。

痛風発作による激しい関節痛の原因は、尿酸の蓄積によって作られる結晶ではなく、このような免疫反応に伴って発生する生理活性物質だといえます。つまり、痛風の痛みは、体が免疫反応を起こして自分を守ろうとした結果として生じているものです

このように、一見すると体にとって悪いものと考えがちな「痛み」ですが、実際には、体を保護するための反応として起こっているものだということを理解しておいてください。

痛風発作の発生要因

痛風発作の痛みは、関節内に入り込んだ尿酸の結晶を取り除く過程として起こるものです。そのため、体にとっては必要な反応だといえます。

ただ、そうはいってもその痛みを強めたり弱めたりする要因はあり存在します。そのため、そうした痛みを変化させる要素を知ることで、疼痛をコントロールすることが可能です。痛みを悪化させる要因には、大きく分けて以下に記す7つが挙げられます。

・ハードな運動

尿酸値が急に上昇すると、痛風発作は悪化します。そして、過剰な運動を行い体内の水分量が減ってしまうと、一気に尿酸値は高くなります。

また、運動によって大量にエネルギーを消費すると、その過程で尿酸の原料であるプリン体がたくさん発生します。その結果、尿酸値が上昇して痛みが悪化します。

・過食、アルコール

プリン体を多く含む食品を多く食べると、それに伴って尿酸の産生量も増えます。

また、特にプリン体を含む食品でなくても、過食や過剰なアルコール摂取は痛風発作を強める原因となります。

・精神的ストレス

イライラや不安といった精神的なストレスは、それ自体が痛みを強めることがあります。

また、そうした心理的変化が起こると、精神的発汗が増えて脱水を生じやすくなります。その結果、尿酸値が高くなり痛みが強くなります。

・物理的刺激

痛風発作が起こっている関節部位は、免疫反応によって生理的活性物質が多く存在している状態であるため、わずかな刺激でも反応しやすくなっています。そのため、体重のかけ過ぎや外傷、ねんざなどの物理的刺激は、痛みを強める要因となります。

・薬物療法

尿酸値を下げる薬を使用すると、急激に尿酸値が低下することがあります。そうした急な尿酸値の変化は、痛みを悪化させる可能性があるとされています

・体温低下

体温の低下は、尿酸の結晶化を進める大きな要因になります。そのため、体温が低下すると結晶が剥がれ落ちやすくなります。

ちなみに夜中から明け方にかけて痛風発作による疼痛が悪化しやすいのは、その時間帯に体温が低下して尿酸の結晶化が進行するためです。

・水分不足

体内の水分量が少なくなると、尿酸値が上昇するため痛風発作を悪化させます。

このように、痛風発作はさまざまな要因によって影響を受けます。そのため、こうした悪化因子を避けることで、痛みをコントロールできるようになります。

今回述べたように、痛風発作は体が異物を取り除くための免疫反応の結果として起こるものです。そして、痛風発作による痛みを悪化させる要因はたくさん存在します。

こうした痛風発作のメカニズムと悪化因子を理解しておくことで、上手に痛風発作をコントロールできるようになります。