良性発作性頭位めまい症における診断方法の実際

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日本では、「めまい症状はメニエール病が原因で起こっていることが多い」と考えている人が少なくありません。そして実際に、めまいで病院を受診した多くの人は、メニエール病という診断を受けます。

ただ、めまいを引き起こしている人の半数以上はメニエール病ではなく、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」が原因であることがわかっています。

めまいを引き起こした人の約60パーセントが良性発作性頭位めまい症(BPPV)であり、メニエール病の人は全体の約20パーセントだとされています。つまり、めまいの多くは良性発作性頭位めまい症(BPPV)が原因だといえます。

そのため、めまいについて理解するためには、良性発作性頭位めまい症(BPPV)について学ぶ必要があります。

そこで今回は、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)の診断方法」について解説します。

5つの基本検査

めまいで病院を受診した人には、基本的に「問診」「聴力検査」「重心動揺検査」「足踏み検査」「眼振検査」の5つの検査を行って原因を追究します。

当然、他の病気が疑われる場合には、これ以外の検査も行いますが、めまいに対してはこの5つの検査が基本になります。

以下に、5つの検査それぞれについて詳しく解説します。

問診

良性発作性頭位めまい症(BPPV)を引き起こす原因の多くは、「生活習慣」にあることが明らかになっています。

めまいの経過や症状の程度はもちろんのこと、さまざまな生活習慣について詳しく問診することで、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を引き起こしている根本的な原因を見つけることができます。

具体的な問診内容には、以下のような質問があります。

・仕事内容

・通勤手段

・枕の高さ

・頻繁にとる姿勢

・運動習慣

・関節痛

・睡眠状況

以上のような内容について細かく話を聞くことで、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を引き起こしている原因を見つけることができます。つまり、こうした生活習慣に注意することで、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を予防したり解消したりすることができるといえます。

聴力検査

難聴がめまいに関係していることもあります。そのため、基本検査の1つとして聴力を検査します。

聴力検査は、一般的な健康診断で行われるものと同じような検査を行います。防音スペース内で7種類の音が聞こえるかどうかを検査するものです。

重心動揺検査

めまいがある場合には、立っているときに重心が安定せずにグラグラと揺れます。そこで、重心動揺計を使って、立位時にどの程度ふらつきがあるのかを検査します。

具体的には、重心動揺計の上に足を揃えて立ちます。そして、目を開けた状態と閉じた状態で、それぞれ1分間ずつ重心の揺らぎを測定します。当然、重心の動き方が大きいほど、ふらつきがあり不安定な状態であるといえます。

足踏み検査

足踏み検査では、体のバランス機能を司る「内耳(ないじ)」の働きを検査します。

具体的な方法は、目をつぶってその場で50回程度足踏みをします。バランス機能に問題がなければ、足踏みをしてもほとんど場所が移動していることはありません。

一方で、左右どちらかの内耳に問題があると、働きが悪くなっている方にどんどん寄って行ったり、回転してしまったりします。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)の人には、歩いていて無意識の内に、片側に偏って歩いてしまうことが多く、足踏み検査でも引っかかる人が少なくありません。

眼振検査

眼振検査とは、眼球の動きをチェックする検査です。

具体的には、赤外線CCDカメラがついた「眼球の動きを観察できる」ゴーグルをつけます。そして、その状態のまま姿勢を変えて、そのときの目の動きを確認します。

健康な人は、姿勢の変化に伴って三半規管が刺激されて、そのことに忠実に反応します。つまり、ある姿勢をとったときに起こる眼球の動きは決まっています。一方で三半規管に異常がある場合には、そうした正常な眼球の運動とは異なった反応が起こります。

こうした眼球の運動をチェックすることは、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の検査としては最も有効なものだといわれています。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)では、以上の5つの検査を基本的に行います。

今回述べたように、めまいの多くは良性発作性頭位めまい症(BPPV)が原因で起こります。そして、診断のために行う検査には、「問診」「聴力検査」「重心動揺検査」「足踏み検査」「眼振検査」の5つがあります。

ただ、めまいの症状は日によって異なりますし、約半数の人は検査で異常が見つからないともいわれています。

そのため、めまいで病院を受診する際には、そうした事実を踏まえた上で検査を受けることが大切です。そのことを理解しているだけで、「病院ではっきりと診断されなかった」「病院によって診断名が変わった」などの不満が起こりにくくなります。

めまいでは、こうした病院に対する不満が、症状を慢性化させることにつながるため注意が必要です。