めまいに対する薬物療法の効果

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日本において、めまいに悩まされている人は多くいます。めまいという症状は、子供から高齢者まで幅広い年齢層の人たちに起こる問題です。

そして、めまいは慢性化するケースが少なくありません。中には、「数十年間もめまいに悩まされている」という人もいます。

このように、めまいの症状が長期化する原因の1つには、「めまいに対する治療法が確立されていない」ということがあります。つまり、それぞれの病院で異なった治療が行われているのです。

その結果、適切な治療を行っている病院を受診することができずに、めまいが慢性化する人がいます。

めまいに対する治療では、主に薬物療法とリハビリの2つが行われます。薬物療法とリハビリを平行して行うことで、効率的にめまいを解消することができます。

そこで今回は、「めまいに対する薬物療法の効果」について解説します。

抗めまい薬とは

めまいの症状で病院を受診すると、ほとんどのケースで「抗めまい薬」と呼ばれる薬が処方されます。

特にめまいが軽度の場合であれば、「メリスロン」「セファドール」という薬が処方されます。他にも、「アデホス」や「トリノシン」も抗めまい薬として、よく出される薬です。

一般的に抗めまい薬と聞くと、「めまいを抑えてくれる薬」と考える人が多いと思います。ただ、これらの薬には、直接的にめまいを軽減させる効果はありません。こうしたよく処方される抗めまい薬の主な作用は、「血管を拡張して循環を良くする」というものです。

めまいの原因は、耳の奥にある「内耳(ないじ)」と呼ばれるバランスを保つ器官の働きが悪くなっていることだと考えられています。

そして、体の器官は血流が不足すると機能が低下してしまいます。ただ、めまいが起こっている理由が、内耳の血流不足によって働きが低下していることかどうかははっきりしていません。

それでも、血管を拡張して循環を良くする薬を飲むことで、「内耳への血流が促されて機能が高まる」ことを期待して、抗めまい薬が処方されます。

つまり、検査結果などに基づいて薬が選択されるのではなく、「予測に対して薬が処方されている」といえます。

また、例えめまいの原因が内耳への血流不足だったとしても、薬の効果が内耳まで届くかは明らかではありません。腸から吸収された薬の成分は、全身の血流を巡るため、内耳にだけ集中して発揮される可能性は低いといえます。

確かに、めまいに対して処方される抗めまい薬は副作用が小さなものが多いため、危険性は低いものであるといえます。

ただこのように、めまいに対する薬の効果は、非常に曖昧なものであることを理解しておく必要があります。こうした事実を知った上で、処方された薬を飲むことが大切です。

薬だけでめまいは治らない

めまいに対して処方される抗めまい薬は、非常に効果が曖昧な薬だといえます。また、めまいに対しては抗めまい薬の他にも、「抗ヒスタミン薬」「利尿薬」「ビタミン製剤」「ステロイド剤」「自律神経調整薬」など、さまざまな薬が処方されます。

場合によっては、「抗不安薬」や「抗うつ薬」、「入眠剤」といった、精神面に対する薬が処方されることもあります。

ただ、基本的にどのような薬であっても、めまいの改善に有効であると証明されているものはありません。全て抗めまい薬と同じように、効果が曖昧なものばかりです。

それでも、めまいという症状で病院を受診すると、多くのケースで3~4種類は薬が処方されます。

既に述べたように、抗めまい薬には副作用が少ないですが、その他のものでめまいに対して処方される薬の中には、副作用が出やすいものもあります。そのため、こうしたリスクも踏まえた上で薬を飲むことが大切です。

そして実際には、めまいが薬だけで治ることは少ないです。中には、薬を飲んで治ったという人もいますが、そうしたケースは薬の効果というよりは、時間の経過によって治ったという場合が多いです。

めまいの治療には、薬が必要なケースもありますが、薬だけではなくめまいに対するリハビリを行うことが必須になります。

つまり、何かしらの原因で低下してしまった、めまいの原因である平衡機能に対してリハビリを行うことで、再び機能を改善させることが必須になります。

このように、「めまいを薬だけで治すことはできない」ということを理解しておいてください。

今回述べたように、めまいに対して処方される薬は、めまいに対する効果が曖昧であるものがほとんどです。そして、めまいを改善するためには、薬だけではなくリハビリが必要だということを知っておいてください。